(社)全国はちみつ公正取引協議会顧問
政治団体はちみつ蜂産会で田村憲久衆議院議員は何をするのか?

(社)全国はちみつ公正取引協議会の野々垣会長
精製ハチミツを大手飲料会社に販売し莫大な利益
293号 292号 291号 290号 289号 288号 287号 286号 285号 284号 283号 282号 281号 280号 279号 278号 277号 276号 275号 274号 273号 272号 271号 270号 269号 268号 267号  266号  265号  264号  263号  262号  261号  260号

 ★好評連載中!
日本の『食の安全』健康食品を斬る 告発レポート

 
「わが国のハチミツは全て偽モノ」

(社)全国はちみつ公正取引協議会の闇を暴く!

















平成20年(2008年) 1月31日(第293号)
いっこうに改善・改革が為されない
−食品のGメンは有形無実にならないか−


「消費者庁」「食品Gメン」
で偽装はなくなるのか!?

 一月九日、福田康夫首相は消費者行政を強化するため、各省にまたがる窓口を一元化する「消費者庁」の創設方針を明らかにした。これまで、食品表示を取り扱う省庁は農林水産省(JAS法)、厚生労働省(食品衛生法、健康増進法)、経済産業省(計量法)、公正取引委員会(不当景品類及び不当表示防止法)とバラバラであった。省壁≠ノ阻まれ効率性に欠けていた法の運用をより有効なものにしようという考えなのだろう。
 「消費者庁」がどういった業務と権限を持つ官庁になるかはまだはっきりしてないが、おそらく同庁は食品表示を取り締まるようないわゆる「食品表示法」なるものを運用するのではなかろうか。現在、ハチミツはJAS法の適用を受けていない数少ない食品であるが、「食品表示法」制定の暁には、蜂蜜もこの法律の対象とし、法の下で消費者が安心して購入できる環境を整えていただきたいものである。
 次項で「加糖ハチミツ」の問題について触れるが、ハチミツの食品表示を巡っては、「なにを持ってハチミツとするのか」という根本的な定義をしっかりと決める事が重要である。「食品表示法」適用の際には、ハチミツの定義を再検討し、(社)全国はちみつ公正取引協議会の定めた規約ではなく、コーデックス委員会の定めた国際基準へと是非改めて欲しい。
 また、昨年十二月十七日、政府は農林水産省の中に二十人規模の「食品表示特別Gメン」を設置することも決定している。東京・大阪・福岡の農政事務局に食品Gメンを配置し、大規模な偽装事件に備えると言うのだ。
 さらに十一月にはJAS法を所管する農林水産省と警察庁が情報交換を柱とする連帯強化の協定を結んでいる。
日本人の誇りは何処へ
 これまで、JAS法違反者に対しては強制力を持たない農林水産省が同法違反業者に改善指示を行い、それでも改善が見られず違反行為を繰り返した場合に限り警察へ告発できるという仕組みであったが、この協定により改善指示を待たずに警察が不正競争防止法違反(虚偽表示)容疑で違反業社の捜査に乗り出せるようになった。政府が「国民の安全、安心を重視する政治への転換」をはっきりと打ち出し、食品偽装対策をより一層強化していくことは消費者としてはありがたい限りである。しかし一方で、このような対策を取らなければ食の安全が保てない業界モラルの低さには憤りを感じざるを得ない。そして憤りとともに日本人の誇り、生真面目さ、誠実さ、正直さはどこへ行ってしまったのかと嘆かわしい気持ちにもなるのである。
「加糖はちみつ」は、
はちみつなのか

 「加糖はちみつ」について、〓社全国はちみつ公正取引協議会の作成した「はちみつ類の表示に関する公正競争規約」(以下、規約)第二条三項では次のように定められている。
 「この規約において『加糖はちみつ』とは、はちみつに異性化液糖その他の糖類を加えたものであって、はちみつの含有量が重量百分比で六十パーセント以上のものをいう」
 つまり、「加糖はちみつ」には、水あめや異性化液糖といった人工甘味料を最大で四十パーセント加えることができるというのである。ここで一つの疑問が浮かぶ。それは人工甘味料の割合は、何故三十パーセントでも五十パーセントでもなく、四十パーセントなのだろうということだ。人工甘味料を四十一パーセント以上加えると「偽加糖はちみつ」になるわけだが、その根拠は何なのだろうか。
 この割合がどのように決まったのかは定かではないが、おそらくそこに科学的な、もしくは食品表示上合理的な理由は存在していない。
 なぜなら、国際的な食品規格を作成しているコーデックス委員会は、はちみつを「(ハチミツ)の本質的成分が変化したり、品質が損なわれるような加熱や加工が施されてはいけない」と定義し、ハチミツに一切の混ぜ物を禁じているからである。
世界から置き去りに
された日本のハチミツ

 コーデックス委員会の定めた国際規格に照らし合わせた場合、人工甘味料が加えられた「加糖はちみつ」をハチミツとして取り扱う事はできない。
 戦後復興を驚くべき早さで成し遂げて経済大国・技術大国となり、先進国の仲間入りを果たした日本にいるとこの国で定められた様々な規格はいずれも世界レベルにあるものと思いがちである。
 しかし、ことハチミツに関しては、日本は国際基準に遠く及ばない世界で最も遅れた後進国である。
 〓社全国はちみつ公正取引協議会が定めた規約第二条三項とは、人工甘味料の加えられた偽ハチミツを「はちみつ」として流通させるために作られた条文であると言い換えることが出来る。これは世界基準に逆行しているだけでなく、さらに日本を後進国化させるものである。
 なぜ、日本だけがこうした「偽ハチミツ」をハチミツとして流通させているのだろうか。いくつかの理由が考えられるが、そのうちの一つに異物混入検査を挙げることができる。〓株ミートホープ社による偽装牛肉事件では、偽装に用いられた食品をDNA検査することにって比較的簡単に豚肉やラム肉の混入を見破る事が出来た。
違反してもばれない
 食材そのものが動物や植物から出来ている食肉、魚、穀物類などは食材にDNAが保存されている訳である。しかし、花蜜を主な原材料とするハチミツにDNAは存在していない。
 このため、ハチミツに異物(人工甘味料)が含まれているか否かは、TLC、薄層クロマトグラフィという検査方法を用いて糖の種類を分析することになるのだが、こうした検査方法が確立したのはここ数年ほど、二十一世紀になってからの話なのである。
 さらにこうした検査方法が確立された現在においてもなおハチミツに含まれている異性化液糖の割合を測ることはできないという。つまり、現行の検査方法では、人工甘味料が含まれている事実や水あめ混入の有無は判別できても、それが何パーセント含まれているのか、重量比で何割含まれているのかを正確に測ることはできないのである。
 このことについて、協議会の岡本光治専務理事は「人工甘味料が八割含まれていても分からない」旨を述べ、その事実を認めている。
 違反をしてもバレる事がないという現状の検査体制下では、「偽加糖はちみつ」はメーカーが誤魔化そうと思えば、いくらでも流通させることができてしまうのである。
欧米に「加糖
はちみつ」はない

 こうした検査体制は欧米も同じである。ただ、日本と欧米が根本的に違うのは、「検査できず、人工甘味料がどれだけ加えられたか分からないのなら、人工甘味料が僅かでも含まれたものは『ハチミツ』として扱わない」とし、人工甘味料を加えたものを一切はちみつとして流通させていないという点である。当然、欧米に「加糖はちみつ」という商品は存在しない。
 こうした欧米の対応と比較すると日本の、〓社全国はちみつ公正取引協議会の対応には呆れてしまう。検査によって計測することのできない割合を規約で定義するなど余りに杜撰、デタラメである。
 「加糖はちみつ」の規約制定を実施した時の協議会会長は野々垣孝氏である。同氏は昨年、純粋ハチミツに人工甘味料が混入していた事案等の責任を取る形で会長職を辞任しているが、規約は今も生き続けている。
 一連の事案を引き起こしたことに対し、野々垣氏の口から直接、謝罪の言葉が述べられることはついになかったわけだが、同氏が真に反省しているかどうかは、今も野々垣孝氏が「精製はちみつ」を作る最大手企業「〓株アピ」の社長として、業界に有形無形の影響力を誇示していることから推し量るしかない。
 規約の前文には「一般消費者の適正な商品選択に資する」と謳われている。この規約のどこが適正な商品選択に資すると言うのだろうか。消費者を馬鹿にするのもいい加減にしてもらいたい。
(取材調査・国際新聞ハチミツ取材班まとめ・ ジャーナリスト・坂口義弘)


平成20年(2008年) 1月 1日(第292号)
ハチミツ偽装に打つ手無し
−しょせん無能・低レベルの業界と協議会−


「食品偽装」は
流行語大賞にノミネート

 二〇〇七年ほど食品の安全性や表示、賞味期限等が問題となった一年はなかっただろう。年頭に当たって、またまたきついペン運びになってしまう。「清水寺」(京都市東山区)の一字が「偽」(にせ、偽り)になったことも一連の事件を振り返れば納得だ。
 一月、(株)不二家(東京)による賞味期限切れ材料の使用問題。五月、「純粋はちみつ」に加糖の疑い。(社)全国はちみつ公正取引協議会の杜撰な対応が問題に。六月、(株)ミートホープ(北海道苫小牧市)の偽装牛肉。八月、石屋製菓(株)(札幌市西区)の白い恋人賞味期限偽装。九月、宮崎県の養鰻業者による台湾産うなぎの国産表示。十月、赤福(三重県伊勢市)の赤福餅(五平餅)賞味期限切れ食品再利用。十月、比内鶏(秋田県大館市)による廃鶏(はいけい)の比内地鶏偽装表示。十一月、船場吉兆(大阪市中央区)による地鶏の産地偽装、賞味期限偽装。身近なところではファーストフード・マクドナルドのサラダ、コンビニエンスストア・ローソンのおでん、崎陽軒のシューマイと数え上げればきりがない。「どんだけえ〜」と声をあげたくなるところだが、「食品偽装」と言う言葉は二〇〇七年ユーキャン新語流行語大賞のベストテンに入ってしまったわけで、食品業界は問題が発覚した企業と扱う食材が違うからと「ハニカミ」ながら「鈍感力」を使って気が付かないふりををしてみたり、「そんなの関係ねえ」などと知らぬふりを決め込んでいる場合ではなくなってしまった。食品が傷みやすい「猛暑日」でも「「ネットカフェ難民」や「(消えた)年金」生活者が安心して「大食い」できるように今年は食への不審を払拭するために「どげんかせんといかん」のである。
変わる消費者意識
 毎週のように食品偽装問題が報道される中、某週刊誌は、「賞味期限切れでも食べられる。魔女狩りはやめろ」という趣旨の記事を掲載していたが、消費者は食品が食べられるか、それとも食べられないかという点を問題視しているわけではないように思う。確かにこれまで、食べ物が社会問題として取り上げられるときは、食中毒や残留農薬、抗生物質などヒトの健康に直接悪影響を及ぼすケースに限られていた。代表的な例は二〇〇〇年六月、雪印による一連の食中毒問題だろう。しかし、昨年一月(株)不二家による消費期限材料の再利用問題を契機に消費者の意識はより厳しいものへと変わっていった。二〇〇七年問題となった数々の偽装表示食品が例外なくそうであったようにこれらの商品を食べ、健康被害が報告された例は一つもない。それどころか消費者は「美味しい。美味しい」といってた食べ続けていたのである。筆者がハチミツの問題に取り組み始めた三年前、「偽装表示をしたところで健康に悪影響が出ますか?」と開き直りとも取れる発言をした関係者がいたが、その頃とは状況は一変している。消費者の意識は明らかに消費者自身がこうむる直接的な健康被害だけでなく、問題を起こした企業そのものに向けられている。つまり、外国産と偽った、回収された製品を二次利用した、賞味期限を改ざんしたという違反事実だけでなく、消費者を無視して利益を優先した嘘ついているという企業の姿に腹をたてているわけである。そのため、企業がもったいないという言葉で釈明したところでそれはまったく意味をなさない。もったいないという言葉を使うなら、なぜ再利用や消費期限の延長を隠していたのか。安全上問題がないのなら、その根拠をきちんと説明し、商品にもその旨をきちんと表示すべきだろうと主張するわけである。だから、はじめの記者会見で発表された内容が後の記者会見で二転三転するようなことが繰り返される度に食品表示への不信感はより一層高まり、エスカレートしていくのである。
変わらない
  ハチミツ業界

 先に挙げた違反企業はその後どのような顛末を辿ったのだろうか。(株)ミートホープは、八月三日に破産、社長の田中稔氏は十月二十四日不正競争防止法違反で北海道警に逮捕された。詐欺罪での立件もあり得るという。石屋製菓(株)は、八月十七日に石川勲社長が引責辞任。およそ三ヶ月間に渡り操業を停止し、十一月二十二日に販売を再開した。赤福は、百貨店や売店が販売を自粛、赤福本店は現在も臨時休業している。販売再開の目処は立っておらず、お正月の伊勢神宮参りには間に合いそうもない。船場吉兆は組織偽装であることを認め、一部商品の販売自粛、営業休止に追い込まれている。今後は食品販売から撤退し、料亭だけの営業で存続を図るとも言われている。翻って、昨年五月に純粋はちみつに加糖の疑い≠ニ報道されたハチミツ業界はどうなったのだろうか。(社)全国はちみつ公正取引協議会の会長だった野々垣孝氏は引責辞任したが、後任の会長職には協議会会員団体である(社)菓子・食品新素材技術センターの理事長・早川幸雄氏が就任している。杜撰な指導・管理体制の理由を聞かれ、「同業者間では踏み込んだ調査がしにくく、人員がかぎられていることもあり、手続きを怠ってしまった」と弁解しているが、身内で組織を少しいじったところで、問題の解決には至らない。馴れ合い体質を内包した運営体制、脆弱すぎる組織力、効力を発揮できない権限など見れば見るほど、協議会の限界・能力不足を感じざるを得ないのである。しょせん、無能、低レベルの団体であることは否定できまい。協議会がさまざまな問題を抱えている事は事実である。
 中でも協議会に日本で流通するハチミツの食品表示を管理する能力が備わっていない事が最も大きな問題である。能力の乏しい組織が「公正取引マーク」の発行や違反企業の調査など能力以上の権限を担おうとするから結果的に無理が生じるのである。今もって協議会が「安心・安全のマーク」と称して「公正取引マーク」をパッケージに貼付させていることは、無責任極まりないと言わざるをえない。
 ハチミツもJAS法を基準とし、消費者不安を払拭せよ
 蜜蜂は家畜であり、ハチミツは食品である。それにも関わらず、これまでハチミツは日本農林規格法(以下、JAS法)の適用を受けてこなかった。JAS法の代わりを業界団体である(社)全国はちみつ公正取引協議会が規約に沿って務めるという仕組みだったわけだが、この体制が機能していないばかりか、既に崩壊していることは明白である。JAS法は決して万能ではない。むしろAS法には消費者ではなくメーカー寄りの法律だという批判が付きまとっている。昨年十二月に野中商店(福岡県立花町、野中秀樹代表)がJAS法に違反して「有機栽培」表示をしたジャムを販売していたことが明らかになったが、違反状態はなんと十年以上も見過ごされていた。また、精肉石川家(仙台市若林区、石川里美社長)に至ってはJAS規格の適合認定を受けていないにも関わらず、商品にJASマークを使用、市内の給食センターに納入していた。農林水産省によるJAS法の運用、管理に問題があるのは間違いない。それでも日本に食品を取り締まる法律がJAS法と食品衛生法しかない現状では、ハチミツもJAS法の適用を受け、法に基ずく表示の厳格化、検査体制を整備する必要があるはずだ。そうしなければ、違反企業が法的に罰せられると言う当たり前のペナルティすら課せられることはなく、業界はなんら改善されないだろう。消費者は、過去七年間に実施された協議会の定期検査によって警告された百四十一業者の企業名、商品名がいまだに公表されていない事を知るべきだ。また、検査で陽性反応が出た原因の解明、再発防止に向けた改善策が提示されていないことを忘れてはならない。(取材・調査・本紙ハチミツ取材班。まとめジャーナリスト・坂口義弘)


平成19年(2007年)11月30日(第291号)
無責任・ずさんな協議会と業者の実態
-ダメ業者よ「薬蜜本舗」を見習え-


協議会の組織力の限界
 前号で、(社)全国はちみつ公正取引協議会(以下、協議会)の組織的欠陥について触れたが、さらに検証を加えたい。
 協議会は中央区日本橋本町にあるビル五階に事務所を構えている。五階フロアには協議会を含め三つの事務所が入り、協議会の事務所は八十平方メートルくらいの広さだろうか。
 協議会の名称には「全国」という言葉が頭についている。「全国」という言葉から中央区にあるような事務所が全国に、少なくとも大都市圏や養蜂業の盛んな地域などに何ヶ所かあるのだろうと思うが、実際には中央区の事務所一ヶ所しか協議会の連絡先は存在しない。
 しかも、そこで働く常勤職員は岡本光治専務理事と事務職員の二人だけだという。岡本専務理事は公正取引委員会からの天下りで、養蜂経験があるわけでも成分検査の経験があるわけでもない。養蜂、検査に関してはまったくの素人である。
 さらに、協議会はハチミツの成分を分析する独自の検査・研究施設を所有していない。中央区日本橋本町の事務所には検査機器すら一つとして置かれていない。
 都内に一箇所ある事務所にたった二人の職員、機材や検査施設を持たない団体がどのように全国に散らばる養蜂家、ハチミツメーカーを指導・監督するのだろうか。また、年間四万トンも輸入される外国産ハチミツに目を配るというのだろうか。
 仮に養蜂場や製造工場、原産国へ足を運べばそれだけで事務所は留守になってしまう。そもそも養蜂・成分検査の素人が一人、二人で行う調査では成果など上がろうはずもないが……。
 協議会はパッケージに「公正取引マーク」を貼り付けさせ、「安心・安全マーク」と謳っているが、発行元である協議会に人口甘味料の混入を見分け、偽ハチミツの流通を阻止し、消費者の食の安全を保障するだけの組織的・人的能力が備わっているとは到底思えない。
元会長・野々垣孝よ
責任を果たせ!

 前号と今号で協議会の組織的欠陥を指摘してきたが、こうした問題は昭和六十二年七月の設立以来、今だ連綿と続いているものである。
 八月二十八日に実施された記者会見では、追加検査の結果と合わせて八月二十七日付けで協議会の野々垣孝会長(潟Aピ・岐阜県)と秋山優男副会長(秋山養蜂・静岡県)が辞任したことも発表された。野々垣孝氏の辞任理由は、二〇〇〇年以降、協議会の実施した定期検査で違反の疑いを持たれたハチミツが多数判明していたにも関わらず、規約に沿ってこれを再調査することなく、公正取引委員会への報告も怠っていたというものであった。
 しかし、こうした理由が報告された記者会見の場に野々垣氏の姿はなく、一連の問題の過程においても野々垣孝氏自身がメディアの前に現れ、謝罪や経緯の説明をすることはついになかった。
 こうした対応は、食の安全に関わる法人団体のトップを務める者としては間違いなく適当でなかったはずだ。野々垣孝氏の姿勢が世間の常識といかに懸け離れたものであるかということは、その後次々と明らかになった食品偽装・偽装表示問題において、企業・団体のトップが会見に臨み、謝罪・説明していることを引き合いに出すこともないだろう。
 協議会自体にハチミツの食品表示を管理する能力が欠如していることはこれまで述べてきた通りだが、自らの言葉で謝罪することなく辞任した野々垣孝氏にも協議会会長としての能力は備わっていなかったのだろう。逆に言えば、こうした人物が会長を務めていた団体だからこそ、一連の問題が起きたのだろう。
杜撰(ずさん)な輸入管理、
深まる中国産蜂蜜への不安

 副会長を辞任した秋山優男氏が経営する秋山養蜂(静岡県藤枝市仮宿一一七四)は、再検査を受けた百十三社中、唯一、基準値を超える人口甘味料が検出された企業である。検査結果では、「中国から輸入しており、原因を特定できなかった」とした上で、「(秋山養蜂が)自ら混入したものではないが、ハチミツの定義に合致しない製品をハチミツとして販売した」として警告処分をうけている。
 秋山養蜂は、中国から約二千八百五十キロのハチミツを輸入し、今年一月から七月にかけて「中国産れんげハチミツ」として約二千七百キログラム(約六千七百本)を販売。このすべてに重量比十二・五パーセントの割合で人口甘味料が混入していたという。二千七百キログラムといえば、国内産ハチミツの年間生産量の三分の二以上を占める膨大な量である。
 秋山養蜂は「社内での混入ではなく輸入前の混入とみられる。健康被害は確認されていない」などとコメントしているが、問題は秋山養蜂に故意や過失があるかということだけに止まらない。
 むしろ、検査結果と秋山養蜂のコメントから、中国産ハチミツへの不審はより強まったといえる。
あまりにも無責任だ!
 国籍を問わず、外国産ハチミツを輸入する場合、輸入方法は大きく二つに分かれる。
 一つは、海外に養蜂場を経営、または海外の養蜂家と直接契約し、ハチミツを輸入する方法。
 もう一つは、輸入商社を通して間接的にハチミツを輸入する方法である。
 秋山養蜂がどちらの方法で中国から輸入していたのか定かではない。自ら販売する商品がどこでどのように採れたハチミツであるか把握できていないにも関わらず、「純粋」な「れんげ」ハチミツとして販売することは、あまりにも無責任である。
 秋山養蜂と同様に輸入商社を介して中国産ハチミツを輸入しているメーカーは少なくない。むしろ、輸入商社を通して中国産ハチミツを輸入しているメーカーの方が多いのではないだろうか。
 その全てが秋山養蜂のような杜撰な管理をしているわけではないのだろうが、「中国から輸入しているため、原因が特定できない」という再検査結果を協議会が正式に発表し、「輸入前の混入と見られる」などという曖昧なコメントを秋山養蜂自身が出していることを見ると不審感は拭いきれない。
 ハチミツは加工や添加をしない天然甘味料であり、蜜蜂が集めた蜜をそのまま瓶詰めした自然食品である。なればこそ、どこでどのように採れたハチミツであるかということが安心・安全に直結するのだが、それを把握しないまま、メーカーが「純粋ハチミツ」として販売することが平然とまかり通っている。
「中国産だから駄目」
ではない

 ここで誤解して頂きたくないのは、中国産だから駄目だということでは決してないということである。「薬蜜」で有名な薬蜜本舗のハチミツは中国産であるが、自社のホームページや広告誌で採蜜の場所や方法、瓶詰めの流れなどを公開している。情報公開が信頼を呼び、中国産ハチミツでありながら高級ハチミツとして消費者に認知されている。他の業者も見習ってほしいものだ。
 ハチミツ選びで重要なのは、原産国や「純粋」という言葉、「公正マーク」というシールではない。どこでどのように採れ、瓶詰めされたものなのか、きちんと把握できる商品であるかということなのである。
 購入したハチミツに不安をお持ちの方は、販売元のホームページを見てみるとよい。「自然の恵み」、「天然」、「完熟」などと聞こえの良い言葉が並び、ハチミツのあれこれについて述べているところは多いが、採蜜場所や方法について具体的に掲載しているところは驚くほど少ない。
 中にはハチミツの製造方法と言いながら、瓶詰め工場での手順を掲載しているだけのところもある。たしかに高温加熱処理を加えない瓶詰め方法も大切だが、より重要なのは現地(養蜂場)におけるハチミツの集め方と輸入されるまでの処理方法である。
 独立行政法人の農林水産消費安全技術センターでは、食品表示に関する苦情や相談を受けている。お手持ちのハチミツに不安を覚えた方は管轄するセンターに問い合わせてみては如何だろう。
 なお、同センターは違反企業に関する告発も受け付けている。偽ハチミツについて情報をお持ちの方は是非、連絡して欲しい。
(取材・調査・本紙ハチミツ取材班。まとめ ジャーナリスト・坂口義弘)


平成19年(2007年)10月31日(第290号)
協議会は身勝手で身内主義
−消費者の立場に立った調査をしない−


追加調査は信頼できるのか?
 社団法人全国はちみつ公正取引協議会(以下、協議会)は、追加調査に弁護士・大学教授・消費者団体代表など第三者を交えた調査委員会を設けることで、公平性・有効性をアピールしたいのであろう。しかし、八月二十八日「会員企業自ら異性化液糖を混入させた事実は認められなかった」と発表した調査結果を鵜呑みにする事はできない。前号では、蜜蜂の生態やハチミツの生成といった視点から「餌として使用した異性化液糖が残留した」という説明が成立しない事を述べた。今号では、協議会の組織的問題に焦点を当て、調査そのものの問題点を浮き彫りにする。
任意調査の限界
 社団法人である協議会には、警察・検察のような強制力を伴う調査権は認められていない。このため、今回の追加調査は調査対象となった企業の協力のもと、任意調査を行ったということになる。任意調査の場合、調査の対象となった企業から協力を得られなければ、十分な調査は行えない。警察が家宅捜査で証拠を押さえるのも、国税局が不正な蓄財を摘発するのも、その捜索が強制力を伴うものだからである。嫌がる扉を強引にこじ開け、大量に押収した書類を分析することで悪事が暴かれるわけである。さらにこの捜索・摘発は、相手に察知されないよう秘密裏に準備、実行される。もしも事前に覚られれば、証拠隠滅・逃亡といった事態に陥る事は必至である。相手の不意を突き急襲してこそ、その効果は十分に発揮されるのである。しかし、今回の追加調査「偽ハチミツが流通している」という新聞報道を受けた数週間後、協議会が「追加調査を実施する」と宣言した上で実施されたものである。さらに「調査は平成十八年度に違反の疑義が生じた企業」と調査対象企業までも明らかにされている。これでは、国税局が「昨年度、貴方に脱税の疑いがありますので、これから摘発に行きます」と相手に伝えてから関係各所を捜査しているのに等しい。その結果、脱税が摘発されるか否か、敢えて説明するまでもないだろう。秋山養蜂(静岡県藤枝市)をはじめとする調査企業十三社は、自社に対して追加調査が実施されるという情報を事前に入手していた訳で、異性化液等を処分する事も帳簿・台帳類を改ざんする猶予も言い訳を取り繕う時間も持ち合わせていたといえる。こうした状況下で実施された調査にどれほどの公正性が担保されているのだろうか。発表された調査結果に問題があることは先月号で述べたとおりだが、その結果を導き出した調査そのものの有効性にも疑問を抱かざるを得ない。
組織矛盾その1
身内が身内を指導・監督する馴れ合い体質
 偽装牛肉事件を起こした〓株ミートホープ社に対する行政の任意調査が一定の効果を発揮したのは、マスコミ監視のもと証拠隠滅の猶予を与えることなく抜き打ちに近い形で検査が行われたためであろうが、そこには保健所・農林水産省といった行政側とミートホープ社の関係が互いに独立しているという当たり前の構図が存在している。通常、取締り・指導監督をする組織とその対象とは独立、場合によっては対立関係にあるものである。企業が外部監督調査制度を設けるのは、敢えて組織外からチェックを受ける事で対立的な環境を社内に作り出し、経営の透明性や緊張感を維持する事が狙いなのだろう。しかし、同協議会とその会員であるハチミツメーカーとの間には、指導・監督の大前提とも言うべきこの根本的な関係が成立していない。なぜなら、違反調査・指導是正を行う協議会は、調査対象であるハチミツメーカーによって構成されているからである。会員から役員、会長まで全てがハチミツメーカーであり、事務局長に至っては公正取引委員会から天下りした元官僚である。この関係は、違反行為を当事者が調べるという構図であり、対立関係・緊張関係は存在していない。そこにあるのは、身内同士をかばい合う蜜よりも甘い馴れ合いだけである。こうした構造的・欠陥を抱えている協議会が実施した任意の追加調査によって、ハチミツメーカーの故意・過失を証明する事ができるのか。賢明な読者には容易に想像できるはずである。「会員企業が自ら異性化液等を使用した事実」など一から認められるはずがないのである。
組織矛盾その2
傀儡協議会はハチミツ業界メーカーの意のまま
 同協議会は、公正取引委員会の管轄する法人である。養蜂は畜産業に分類で、ハチミツは天然食品であるわけだが、農林水産省や経済産業省などの行政から補助金を受けていない。補助金を受けていないというと清廉潔白なイメージを抱いてしまうが、何のことはない、業界丸抱えの任意団体ということである。協議会の運営費は、会員であるハチミツメーカーが支払う年会費と、一枚四円で販売している「公正取引マーク」の売り上げで賄われている。現在、協議会に加盟している企業は百四社である。大手企業を中心に加盟しているため、ハチミツの市場流通量に対する占有率は九割近いが、養蜂業者の数に対しする加入率は五割程度にまで落ち込む。また、一枚四円で販売されている「公正取引マーク」も会員であるハチミツメーカーが製造・販売するすべてのハチミツに貼付されているわけではない。会員企業に「公正取引マーク」の貼付の判断はハチミツメーカーの自由である。協議会に加盟するある養蜂業者は「一枚四円の手数料を支払えば、利益はその分圧縮される。消費者は必ずしもマークの有無で購入を判断していない。マークの貼付は自由だから、同じハチミツでも商品によって貼らない場合もある」と話す。
 また、協議会への加入・脱退・未加入の選択もハチミツメーカーの自主判断に委ねられている。協議会はハチミツメーカーと同一、否、支配下にあるわけで、消費者の視点に立った調査など実施できるはずもないし、会員であるハチミツメーカーの不利になるような結果を発表することもない訳である。こうした関係は、通常見られる行政機関と企業のものとは大きく異なっている。取り締まり・指導監督する側とされる側との関係は、そこに存在していない。全国の養蜂業者・養蜂家、国内に流通する四万三千トンものハチミツに目を配ることなどできるはずもないのである。(取材・調査・本紙ハチミツ取材班。まとめ、ジャーナリスト・坂口義弘)


平成19年(2007年) 9月30日(第289号)
野々垣・全国はちみつ公正取引協議会会長辞任!?
−多くのナゾに答えぬまま無責任雲隠れ−



「越冬用のえさ(砂糖水)」はハチミツに混ざらない
 五月十六日、(社)全国はちみつ取引協議会(以下、協議会)は、東京都中央区日本橋本町四丁目所在の同協議会事務所で記者会見を開いた。十四日付け読売新聞朝刊で「『純粋はちみつ』の二割に人口甘味料が混入」と報道されたためである。この会見に出席した協議会の岡本光治専務理事は、「純粋はちみつ」へ人口甘味料が入っていることについて、「冬場のえさとして使った異性化液糖が誤って混ざってしまうことがある」などと説明し、「人口甘味料を故意に混ぜたメーカーに対しては厳格に対処するが、越冬用のえさが誤って混入してしまったものについては、ご理解頂きたい」旨の釈明をしたそうである。
 その後、協議会は大学教授、弁護士など五人の有識者からなる第三者委員会を設置。平成十八年度の定期検査で違反の疑いの持たれた十三の企業に対して、定期検査の追加調査を実施し、その結果を八月二十八日に発表した。この場において、協議会は改めて「冬場にえさとして与えた異性液糖が検査に反応した」、「異性化液糖を故意に混入したメーカーはなかった」との発表を行った。
 しかし、この調査結果を信用することなど到底できないのである。記者会見後の各紙を見ると協議会の発表をそのまま記事にしているようであるが、本誌取材班を誤魔化すことなどできはしない。何故、調査結果が信頼できないのか……。これからその理由を分かり易く説明したい。その上で協議会の発表通りに記事にしたメディアは、事実を確認し、再報道を検討して頂きたいものである。
 協議会がハチミツ業界の都合に合わせた嘘の内容を発表していたとすれば、消費者を再び欺く行為に他ならない。そこには、問題に対する反省、真摯に向き合う姿勢は微塵も見られないからである。
デタラメな理由 1
 ハチが花蜜を集める期間は、花の咲く三月下旬ころから九月下旬までのおよそ半年間に限られている。人間がハチミツを採らなければ、蜜蜂は花の咲かない冬の季節を夏場に蓄えたハチミツをえさにして過ごすのである。しかし、蜜蜂の集めたハチミツは貴重な天然甘味料であり、養蜂家にとっては大切な商品である。本来ならば蜜蜂の越冬用に残しておくべきハチミツを商品として販売する養蜂家や、メーカーは少なくない。採密量が減少する中、越冬用のハチミツを商品として採取することは、止むを得ない側面もある。そのため、砂糖水を越冬用のえさとして使うのだが、それは、蜜蜂が花蜜以外の糖分もハチミツ化する能力を持っているためである。このため、冬場のえさに砂糖水を用いるのは、日本だけでなく広く海外でも行われている。この砂糖水の濃度は、砂糖と水が、一対一の割合が基本となっている。冬場は水が冷たく砂糖が溶けにくい時期でもあるが、煮詰まった砂糖水は使えないので、ぬるま湯で根気良く溶かして利用するのである。しかし、この冬場のえさに異性化液糖を使用するという話はまったくといっていいほど聞かない。砂糖水を用いることが一般的な手法なのである。なぜなら、業者から異性化液糖を購入するよりも砂糖水の方が安く、簡単に作る事ができるからである。「異性化液糖を冬場のえさとして使った」という説明は、実際の養蜂ではほとんど見られない非常に稀な事例なのである。
デタラメな理由 2
 レアケースではあるが、協議会の発表通り、異性化液糖を蜜蜂が越冬時のえさとして食べたと仮定しよう。しかし、風雨を防ぐ巣箱の中にいて、えさを与えておけばすべての蜜蜂が無事に冬を越せるというわけではない。蜜蜂は巣箱の中で塊り、蜂玉を作って越冬をする。女王蜂を中心に蜜蜂が重なり合って球状の玉を作り、お互いの体温で暖をとるのである。しかし、蜂玉の外側は寒く、充分に暖を取れない蜜蜂は一匹、また一匹と死んでいく。蜜玉は次第に小さくなり、無事に越冬できる蜜蜂は、越冬前の半分程度にまで減ることもある。こうして何とか無事に越冬し、巣箱に残った蜂の群れを養蜂用語で「弱群」と呼ぶ。暖かい春が訪れ、花が咲き始めると蜜蜂は巣箱から飛び出し、花蜜を集める。しかし、この時巣箱にいるのは蜜蜂の数が減少した「弱群」である。「弱群」のままでは、春以降の採蜜時期に十分な花蜜を集めることができない。このため、養蜂家は花が咲き始めた春先に二週間ほどかけて蜜蜂を越冬前の数に元に戻す作業を行う。このようにして越冬前の数に戻った蜜蜂の群れを養蜂用語で「強群」という。「弱群」から「強群」になるまでの間、蜜蜂は花畑を飛びまわり、花蜜を集めるが、その蜜は「弱群」を「強群」化するために新しく生まれた蜜蜂に必要不可欠な「えさ」である。もしもこの時期に採れた蜜を販売用に回せば、これから先の半年間、十分にハチミツを採り続けることはできないわけで、これを販売用に使う養蜂家はいない。一方、越冬用の「えさ」として与えられていた異性化液糖(本来は砂糖水)であるが、一週間以上掛けて「弱群」から「強群」となる間にその役割は失われていく。「えさ」として必要な異性化液糖の量は次第に減り、咲き始めた花蜜が取って代わっていくのである。
 「強群」化が終了し、商品用のハチミツを採蜜する頃、巣箱には花蜜だけが溜まっており、異性化液糖は存在していない。それでも、検査で陽性反応が出るほどハチミツに異性化液糖が混ざっているとすれば、それは、ずさんな養蜂を行っていることの証明にしかならない。
デタラメな理由 3
 砂糖水を越冬用の「えさ」として利用できるのは、蜜蜂があらゆる糖分を「ハチミツ化」する能力をもっているためである。「ハチミツ化」とは、簡単に言えば多糖類であるショ糖がシュクラーゼなどの酵素によって、蜜蜂の蜜胃でハチミツの構成要素である果糖とブドウ糖の単糖類に分解されることである。蜜蜂の蜜胃でこうした変化が起きるのは、現在の科学をもってしても解明されていない。しかし、これまでの研究によれば、蜜蜂はあらゆる糖分を「ハチミツ化」する能力をもっていることは解っている。蜜蜂のこの不思議な特性は、それが道端に落ちている缶ジュースの果糖ブドウ糖液糖に対しても示される。一旦、蜜蜂の蜜胃を経由したものは、すべてハチミツにしてしまうのである(ハチミツと言っても花蜜に含まれたビタミンや花粉などは含まれておらず、栄養成分的には劣っている)。
 越冬用の「えさ」として使用された異性化液糖であっても、それが蜜蜂によって食べられ、一度蜜蜂の蜜胃を通っていれば、果糖とブドウ糖に分解されているのだから、商品として売られているハチミツから異性化液糖という形で検出されることはあり得ない訳である。つまり、「純粋ハチミツ」として販売されている商品から検査に反応するほど異性化液糖が検出されるということは、蜜蜂の蜜胃を通ることなく、人の手によって故意に後から糖分を加えていた事を示す事にほかならない。逆に言えば、故意に人の手によって加えられたものだからこそ、採蜜後のハチミツから、異性化液糖として検出されるのである。繰り返しになるが、「純粋はちみつ」から異性化液糖が検出された事実に対し、「越冬用の『えさ』が残ったもの」などという説明は、蜜蜂の生態、ハチミツの生成過程上成立しえないことなのである。人口甘味料はけっして誤って混ざったものではなく、採蜜後、人の手によって故意に混ぜられたのである。マスコミに養蜂のスペシャリストはいない。養蜂について詳しいことは知らないだろうから、第三者委員会を立ち上げ、適当に「冬場の『えさ』が混ざったなどと説明をすれば大丈夫だろう」とメディア、消費者を馬鹿にした姿勢は許されるものではない。「人口甘味料の混ざった『偽ハチミツ』を『純粋はちみつ』として販売していた」という嘘のうえに「冬場の『えさ』が混ざった」などという嘘を重ね続ける協議会を「はい、そうですか」と見過ごすわけにはいかない。本紙ハチミツ調査プロジェクトは、これからも手を緩めず、徹底的にこの問題を追及していく。
 なお、野々垣孝・全国はちみつ公正取引協議会々長は、このほど辞任した。最後までナゾに答えぬ無責任雲隠れの醜態だった。


平成19年(2007年) 7月31日(第288号)
ハチミツ今世紀最大のピンチ!?
−2035年までに全米からミツバチが消える−



「純粋」表示
のカラクリ

 日本で販売されているハチミツは、何故、「天然」「生」「完熟」ではなく、「純粋」とだけ表示されているのだろうか。答えは、(社)社全国はちみつ公正取引協議会(以下、協議会)の規約第四条一項によって、「はちみつに『純粋』『天然』『生』『完熟』『ピュア』『ナチュナル』『Pure』『Natural』その他これらと類似の意味内容を表す文言を表示しようとする場合には『純粋』又は『Pure』という文言に統一しなければならない」と決められているからだ。一見すると単に表示方法を定めただけの規約であるが、この規約に消費者の目を誤魔化そうとする言葉のトリックが隠されている。「純粋」「天然」「生」「完熟」は、いずれも自然からの恵みや自然のままの状態をイメージさせるが、それぞれの正しい意味は次の通りである。
純粋:混じりけのないさま
天然:自然のままの状態
生:加熱していない食べ物
完熟:果実または種子が充分大きくなり、内容も充実した状態になること−
 高温過熱を加え、安く大量に作られたハチミツは、自然のままの状態ではなく、「天然」とは呼べない。勿論、「生」であるはずもない。また、安く大量に採るために熟成前に集められたハチミツを「完熟」と呼ぶことはできない。栄養素は削がれているが、何も混ぜられていないという意味において、唯一、「純粋」だけが、熟成前のハチミツを高温加熱処理したハチミツに使う事の出来る言葉なのである。
「純粋」の
言葉の意味とは

 この規約について、協議会は、
 「一般消費者の適正な商品選択に資するとともに、不当な顧客の誘引を防止し、もって公正な競争を確保することを目的とする」
 としているが、果たしてそうなのか。なぜなら、この規約によって、「天然」で、「生」で、「完熟」している「本物のハチミツ」までも、「純粋」という言葉しか使えなくなってしまうからだ。「本物のハチミツ」と熟成前の高温加熱処理された「偽ハチミツ」が同じ言葉で表示されてしまうのだから、一般消費者は適正な商品選択などできないし、企業が公正な競争をすることもできない。敢えて「純粋」と統一させて表示させることに何のメリットがあるのだろうか。理解に苦しむ。
「引かない」
「足さない」

 そもそも、蜜蜂が集め、熟成させたものから「何も引かない、何も足さない」はずのハチミツに「純粋」という言葉を付け加えれこと自体がおかしいのである。疑り深い記者などは、何かやましいところがあるから「純粋」と付けているのではと勘繰ってしまいたくなる。また、一般消費者には、「純粋」と付いていないハチミツがまるで純粋でない、低品質なハチミツに映りかねない。熟成前のハチミツや高温加熱処理を施されたハチミツに十分な栄養素が含まれているのか、これまで本紙をお読みなった読者には分かるはずである。人口甘味料の混入だけが「偽ハチミツ」ではないのである。高温での加熱がハチミツの栄養素を破壊することは“常識”である。「純粋」などという言葉よりも、「非加熱」という言葉を使った方がよほど消費者の商品選択に資すると思うが如何であろうか。看板に偽りあり。「純粋」という表示を鵜呑みにしてはいけないのである。
ハチミツの世界基準、
コーデックス委員会
規約を批准せよ

 一九六二年、コーデックス委員会は、国連食料農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の下部組織として設立された。ローマに本部を置くこの国際機関は、消費者の健康を守り、食品貿易の公正を保証することを目的に国際的な食品企画や衛生規範を作成している。現在、百七十三ヶ国が加盟しており、日本も一九六六年に加盟している。このコーデックス委員会の定めたハチミツの世界規格では、
 「ハチミツとは植物の花蜜、植物の生組織上からの分泌物、または植物の生組織上で植物の汁液を吸う昆虫が、排出する物質からapismellifexa種蜂がつくりだす天然の甘味物質であって、蜜蜂が集め、蜜蜂が持つ特殊な物質による化合で変化させ、貯蔵し、脱水し、巣の中で熟成のためにおいておかれたもの」、
 「その本質的成分が変化したり品質が損なわれるような加熱や加工が施されてはいけない」
 と定義されている。つまり、たとえ蜜蜂が集めた花蜜であっても蜜蜂によって貯蔵され、脱水され、熟成されていないハチミツや高温で加熱処理されたハチミツはハチミツではないと定義されているのである。なぜ、このような定義をしているのか、答えは至って簡単だ。定義に反して、熟成前の蜜を集め、高温で加熱したハチミツには、ハチミツ本来の栄養素が含まれていないからである。消費者の目線に立ち、「本物のハチミツ」だけをハチミツとして認めることで、「偽ハチミツ」の存在を根本から否定しているのである。
公正マークは
信用できない

 今年五月、「純粋ハチミツ」と銘打った商品に人口甘味料が混ぜられていたことが明らかとなり、ハチミツに対する消費者の信頼は大きく損なわれた。小紙宛てにも読者から「騙された気持ちでいっぱいだ」「もう『公正マーク』は信用できません」「どのハチミツを選べば良いのか分からない」と言った声が数多く寄せられている。ある食品関係者は、ハチミツ業界の問題について次のように話す。
 「なぜ、ハチミツ業界だけが、四十年以上も前に日本が加盟しているコーデックス委員会の定義に従わないのだろうか。理解できない。コーデックス委員会の定義をきちんと守っていれば、人口甘味料の加えられた『偽ハチミツ』が流通することは避けられただろう。有害物質の含まれたウナギや練り歯磨き、基準値を上回る鉛が検出された中国産製品への不信感が高まっている。ハチミツ業界も国際ルールに則って品質をしっかりと確保し、消費者の安全を守るべきだ」。
 何故、「偽ハチミツ」が二割もまかり通っていたのか。その根本的問題は、世界企画を批准しない日本のハチミツ業界そのものにある。
消えた
ミツバチの謎

 相対性理論を発見したアルバート・アインシュタイン博士は、「ミツバチが地上から姿を消すとき、次に死滅するのは人類だ」と述べたそうである。ミツバチは我々にハチミツを与えてくれるだけでなく、植物の受粉を助けてくれる大切な役割を担っている。アインシュタイン博士の真意は定かではないが、ミツバチが住めなくなるほどに環境が悪化し、ミツバチがいなくなれば、地球の生態系は崩れ、その影響は人類にも及ぶことを警告したかったのではないだろうか。「ミツバチが姿を消す」、そんな出来事がアメリカで起きている。「いないいない病」「郡崩壊症候群(CCD)」などと呼ばれるこの現象は、昨年十月頃に始まり、今では全米五十州のうち二十七州で確認されている。ある日突然、女王蜂と数匹の蜂を残して巣箱から蜂が消えてしまい、アメリカ西海岸では商業用ミツバチの六十パーセント、東海岸では七十パーセントがいなくなったという。中には管理する蜂の九割が消えてしまった業者もおり、養蜂家は窮地に陥っている。仮にこのままのペースで減少を続けると二〇三五年までに全米からミツバチが消えるという計算もある。今のところ「郡崩壊症候群(CCD)」が日本で起きたという報告はない。しかしもともと米国国内での見られた現象が、ポーランドやスペインに広がっているという報告もある。専門家は、農薬、ダニ、寄生虫、遺伝子組み換え植物、はたまたまストレスによる過労死が原因などと諸説を繰り出しているが、はっきりとしたことは分かっていない。そんな中、四月十六日、英国インデペンス紙には、携帯電話の電波が「いないいない病」の原因とする記事が掲載された。電磁波の危険性については以前から多くの科学者たちが警告を発しているが、国も企業も科学的に証明されてないという立場を取っており、規制の対象にはなっていない。いずれにせよ原因の究明には今しばらく時間がかかるであろう。小生には“消えたミツバチ”が身を挺して地球環境の悪化を訴えているように思えるのだが、読者の皆さんはどう感じるだろうか。ハチミツは今世紀最大のピンチを迎えていると言えまいか。


平成19年(2007年) 6月30日(第287号)
小紙連載がマスコミ全体に高く評価
ー偽ハチミツの実態が遂に暴き出されたー


事件の風化が狙い!?
違反企業の公表は三ヶ月後

 これまで小紙「告発レポート疑惑のハチミツ業界」では、「偽ハチミツ」にまつわる協議会の疑惑・問題を二十七回、二年半に渡り連載してきた。
 このほど、読売新聞の記事を契機にテレビ・雑誌など幅広いメディアでこの問題が取り上げられ、より多くの消費者に「偽ハチミツ」の実態が暴き出された。
 「偽ハチミツ」であることを認識しながら「純粋ハチミツ」と表示するハチミツ業界。その存在を知りながら報告義務を怠り、消費者に情報を開示しない(社)全国はちみつ公正取引協議会。
 意図的に消費者を欺いたハチミツ業界の行為は、「食の安全」を脅かし、信頼を損ねた点において、雪印や不二家の事件にも等しい消費者への裏切り行為である。業界ぐるみの隠蔽疑惑も持たれる。
 雪印、不二家の事件では、消費者は商品の不買行為によって「NO」の意志を表した。しかし、協議会は「違反企業の公表は三ヶ月後」として現在に至っても違反企業、商品名について明らかにしていない。
 こうした状況では、消費者はどのハチミツを買わないことが「NO」という意思表示に繋がるのか判断できない。
 簡易な検査であれば一週間、詳しい検査でも二、三週間で結果が出るという。もっともらしい理由を付けて時間を稼げば、事件が風化し業界に与える影響は小さくなるだろう。こんな考えをもとに違反企業の情報開示を先延ばしにしているのであれば、協議会の対応は悪質極まりなく、反省の色も見られない。
トップの責任はどこへ?
謝罪しない野々垣会長

 介護業界のコムスンと英会話学校のNOVA。どちらも利用者に迷惑をかけたことから、企業のトップである会長、社長が記者会見に出席し、自ら謝罪の言葉を口にしている。コムスンを傘下に持つグットウィルグループの折口雅博会長においては、連日テレビで謝罪を繰り返し、涙まで流した。
 しかし、(社)全国はちみつ公正取引協議会の野々垣孝氏は記者会見に出席しないばかりか、現在においてもなお、会長名を付しての謝罪文、コメントなどを発表していない。協議会のホームページには責任者の名前のない謝罪文が空々しく掲載されているだけである。
 一連の報道後に外部の有識者五名からなる第三者委員会を設置し、平成十八年度の定期検査を追加調査するということだが、それで問題が解決するわけではないだろう。
 公取委OBが天下り、業界関係者だけで構成されている組織を改編して消費者団体を加えたり、違反企業をホームページで公表する規約改正などやることはまだまだあるはずだ。
ホームページでは
 「今後、二度とこのような事態をおこさぬようにし、消費者の信頼回復に務めてまいりますので、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます」
 などと訴えているが、野々垣会長の謝罪、辞任なしに消費者の信頼回復などできるのだろうか。
 何よりもまず、食の安全を脅かし、消費者を欺き続けてきた一連の責任を野々垣会長自身がきちんと取ることが必要ではないだろうか。
「不買」でノーの意思表示を「公正」マークは「会員証」マーク
 協議会加盟企業の商品には「公正取引マーク」が貼られている。これまで、「公正取引マーク」は安全・安心のマークとされてきたが、小紙で指摘してきたとおり、単なる協議会加盟の「会員証」の印でしかないことが明らかになった。
 協議会に加盟している企業が製造・販売するすべての純粋ハチミツが「偽ハチミツ」という訳ではない。しかし、協議会が違反企業や商品名などを公表しない限り、消費者は「公正取引マーク」の貼られている商品を「偽ハチミツ」と見立て、購入しないことでしか、「NO」の意思表示を表すことができない。
 悲しいかな「公正マーク」は会員証から「偽ハチミツ」の証(あかし)へと変貌したのである。
 また、「公正取引マーク」の商品を買わないことは、優良企業の協議会脱退を促し、業界刷新に繋がる行為でもある。良識ある企業の皆さんには、協議会を脱退し新団体の設立に積極的に動き、消費者を正しい選択へと導くことを重ねてお願いしたい。
 また、欧米やニュージーランドなどハチミツに対する歴史や造詣の深い国々と比べ、日本の消費者はハチミツに関する知識が不足がちであった。今回の報道を機に一人でも多くの消費者が純粋ハチミツとは何か、ハチミツの造詣は何かといったことに関心を持って頂ければと願ってやまない。
ハチミツは健康食品
安心・安全なハチミツを購入したい

 ハチミツを購入する際、消費者はどんなことを意識しながら選んでいるのだろうか。ハチミツを利用し始めたきっかけ、ハチミツを健康食品と考えているのかといった消費者意識を窺い知る機会は、これまでほとんどなかった。
 そんな中、「ミツバチ化学(第二五巻三号二〇〇四年一〇月)」に興味深い記事が掲載されていたので紹介したい。
 東京農業大学(世田谷区桜ヶ丘)では、毎年十一月の大学祭(収穫祭)でさまざまな種類の国産ハチミツを来場者に販売している。大学祭に販売しているハチミツは品質の良さと安さから「農大ハチミツ」として定着している。毎年、販売所にはハチミツを買い求める行列ができ、数時間で完売するそうである。
 そんな東京農業大学が、二〇〇一年に二百六人に対して、ハチミツに関する意識調査を実施した。
 このアンケート結果によるとハチミツを利用し始めたきっかけとして、「美味しいから」、「健康に良いと聞いたから」がともに四十二パーセントで嗜好品としてのハチミツと健康食品としてのハチミツが購入時のきっかけになっていた。また、この設問を年齢別に集計したところ、年齢が高まるにつれて健康を理由に利用し始めた人が増えているという傾向が見られた。
 ハチミツは健康に良いと思うかという設問に対しては、「健康に良いと思う」と答えた人は九十五パーセントに達しており、ハチミツイコール健康食品であるということは消費者の常識になっているようである。また、ハチミツ購入者の多くは普段から健康を意識していることも他の設問から窺われた。
 購入時に注意する点としては「産地」二十七パーセント、「花の種類」二十五パーセント、「純度」二十一パーセントと上位を占め、「値段」十パーセント、「養蜂場」八パーセント、「気にしない」五パーセント、「販売店」二パーセントと続いた。ハチミツ購入時には値段よりも品質・味にこだわる姿勢がはっきりと現れている。
 「農大ハチミツ」の購入に関しては、「美味しいから」という理由が二十八パーセントと最も多かったものの、「安心だから」二十一パーセント、「農大ブランド」だから十四パーセントと続いた。安全性を重要視する意見が三十五パーセントを占めたという結果は、市販されているハチミツへの不信感の裏返しとも取れる。
 東京農業大学の学園祭でハチミツを購入していることから、一般の消費者よりもハチミツに対する関心の高い方々の意識を調査しているのだろう。しかし、ハチミツを健康食品として位置づけ、購入の際には値段よりも品質・安全性を重要視しているという結果には正直驚いた。
 日本で流通するハチミツの九十パーセントを占める中国産ハチミツには、安全性・蜜質の問題、高熱処理による栄養素破壊、異性化糖の混入などが取り沙汰されている。
 純粋ハチミツに人工甘味料が混入していたという一連の問題を機に、ハチミツ愛好家だけでなく一般消費者にも品質・安全を求める意識が広がれば、粗悪な偽ハチミツは市場に流通しづらくなるだろう。消費者意識の高まりを強く期待するところである。
 しかしながら、スーパーマーケットやドラッグストアーには、一種類もしくは一ブランドのハチミツしか置かれていないことが多い。消費者意識のさらなる高まりに期待する一方で、消費者に選択肢が少ないことも事実である。そのカラクリはハチミツの流通にあるのだが、この話は別の機会に譲ることとしたい。
(取材・調査・本紙ハチミツ取材班。 まとめ ジャーナリスト・坂口義弘)


平成19年(2007年) 5月31日(第286号)
「偽モノ」を「純粋」とウソで固めてン十年
−公正マークは単なる会員之証に過ぎない−


「読売新聞」の仰天記事
 五月十四日付読売新聞朝刊の社会面に衝撃的な文字が並んだ。「『純粋はちみつ』加糖の疑い」、「検査の二割業界団体報告せず」、「公取委OB天下り、業者{利益のため}」、「公取委骨抜き」という具合、センセーショナルな見出しが目を引く。その後もテレビ、雑誌などに相次いで取り上げられた事から、小紙が告発してきた「社団法人・全国はちみつ公正取引協議会」(以下、協議会)を取り巻く問題は、広く全国民の知るところとなった。文字どおり蜂の巣をつつく騒ぎだ
 小紙では二〇〇五年二月から二十六回に渡り、協議会を告発してきたが、ここで問題をもう一度整理してみることにしたい。
「純粋」が実は「偽モノ」
問題一
「純粋ハチミツ」に加糖が混入!
違反企業は七年間で述べ百四十一企業

 協議会が二〇〇〇年から〇六年度にかけて会員企業の扱う商品、延べ六百十点を規約に基づき定期検査(年一回)した結果、百点に異性化糖(でんぷんを原料とした人口甘味料)、二〇点に水あめ類の混入を示す陽性反応が示されたという。協議会に加盟している企業が販売する「純粋ハチミツ」の二割が実は純粋ではなく、「偽ハチミツ」であった訳である。
 小紙においては、これまで再三に渡り異性化糖や水あめを混入した「偽ハチミツ」が市場に出回っていることを指摘してきた。昨年十月に農林水産省から改善指示を受けたハチミツ業者が協議会加盟企業であった(違反発覚後に退会)という事実を持ち出すまでもなく、協議会に加盟する企業の中に「偽ハチミツ」を製造し、純粋ハチミツとして販売している業者が存在していることに確信を持っていたのである。
 今回明らかとなった違反企業は、七年間で実に述べ百四十一の企業に及ぶ。述べ数のため繰り返し違反している企業もあるのだろうが、協議会に加盟している企業数は百六企業であるから、それを上回る数の違反企業が存在していることになる。
 この数字には小紙も驚きを隠せないが、協議会会長である「アピ梶vの野々垣孝社長が小紙の取材に応じなかったのは、このためかと納得の数字でもある。
 業者本位の考えから加糖ハチミツを純粋ハチミツとして販売し、消費者を欺いてきた罪が重いことは言うまでもない。多くのマスコミから取材の申し込みを受けていると思うが、野々垣氏には逃げず隠れず真摯な対応を願いたいものである。
「食の安全」を裏切った
問題二
違反企業を公取委に報告せず!
組織ぐるみの隠蔽工作か?

 協議会の役割は不当表示の防止であり、規約では、違反企業に対して事情聴取など必要な調査を行い、注意文書を送ること。繰り返し違反した企業には警告し、警告の文書を公取委に報告することなどが定められている。
 しかし、協議会は警告文書を公取委に報告していなかったばかりか、違反企業に対する事情聴取すら実施していなかったという。
 読売新聞には、「厳しい対応を取ると、業者が次々退会して運営が成り立たなくなる」とのコメントが紹介されている。協議会の運営を優先し、意図的に公取委への報告を怠っていたことは間違いないようである。
 協議会は不当表示の防止を目的に設立された団体のはずである。また、ハチミツには日本農林規格(JAS法)による基準がないため、事実上、協議会の規約が業界唯一の指標となっている。
 不当表示を取り締まるはずの協議会が違反企業を黙認していたのでは、消費者は何を信用してハチミツを購入すればよいのか。消費者を欺き、食の安全を裏切った協議会の責任は重大である。
情報を公表しない協議会
問題三
違反企業・商品を公表せず!消費者に事情を開示せよ!

 〇七年四月末、協議会には百六の企業が加盟しているが、二〇〇〇年から〇六年度までの七年間に渡る協議会の自主検査では、延べ百四十一の業者に対して注意文書が送られ、二十一の業者が警告を受けていたという。
 しかし、協議会は違反企業の個別業者名や商品名を一切公表してこなかった。そればかりか協議会のホームページで公開されている事業報告書から違反業者の件数を削除し、消費者の目に触れないよう画策していたのである。
 不当表示を防止する唯一の団体が違反業者の情報を公表しなければどこが公表するのか。一刻も早く企業名・商品名を消費者に公表し、食の安全を確保すべきである。
 なお、協議会は五月十四日に緊急記者会見を開いたが、小紙には記者会見の開催を知らせてこなかった。小紙が協議会を告発する記事を二年以上に渡り掲載していることも、小紙の連絡先も十分ご承知のはずである。これが単なる連絡ミスなのか小紙を呼べば、大手マスコミの前で厳しい追及に晒されるかもしれないと躊躇したためなのかは分からない。
 小紙にすればどちらでも良い事だが、外部からの指摘を聞き入れないという協議会の閉鎖的体質は、公取委への報告を怠り、消費者への情報を開示しなかったという行為になって現れている。協議会は組織の閉鎖性を強く認識し、情報公開を進めるべきである。
問題四
 新たなチェック機関の設立を!
企業は新機関に加盟し、潔白の証明をせよ!

 消費者を欺いていることを認識していながら、長年に渡り意図的に悪質な隠蔽工作を続けてきた協議会は、自らその役割を放棄したと言わざるを得ない。業界の自助努力に期待は持てず、協議会が自主規制団体として機能していないことは明白である。
 消費者を欺き、真摯に取組む養蜂家・生産者を裏切った責任は重大である。会長、事務局長の辞任など目に見える形で責任を示さなければ消費者は納得しないだろう。
 しかし、仮に代表者の顔が代わっても協議会自体がハチミツ業界関係者と公取委OBで組織されていることに変わりはない。違反を調べる側と調べられる側が同じという構造が続く限り、チェック機能が働くはずもない。
 NPO法人や消費者団体など検査を実施できる新しいチェック機関の設立が望まれる。
 そして、「今回の報道には迷惑している」、「当社のハチミツは百パーセント純粋ハチミツだ」という企業は、協議会を脱退し、新団体を設立・加入すべきである。
 協議会が違反企業を明らかにし、除名・退会処分としなければ、「偽ハチミツ」を販売する業者も真摯に「純粋ハチミツ」を販売する業者も協議会に混在し続ける。何を基準に「純粋」を判断すればよいのか、消費者は混乱してしまう。
 公正取引委員会のOBが天下り、不透明な処理を続けてきた協議会に加盟し続けることは、消費者から疑いの眼差しを浴び続けることを意味している。本当の「純粋ハチミツ」を製造・販売している業者は、協議会を退会し、新団体を設立することによって消費者の信頼を回復するべきである。
摩訶不思議な「公正」
問題五、
事務局長は公取委OB!
不透明な処理が慣例化!

 一九六八年に設立された協議会では、八四年以降、現在の事務局長に至るまで、公正取引委員会(以下、公取委)のOB職員が協議会事務局長を歴任している。公取委は協議会の所管官庁であり、公取委が協議会の規約を承認していることから、公取委からの天下りは業界癒着の何ものでもない。
 不純物の入った「偽ハチミツ」に対する公取委の排除命令は一九七九年を最後に二十七年間途絶えている。公取委OBである事務局長らによる不透明な内部処理により、不適正な表示が見逃されてきたためではないか。
 天下った元役人が天下り先の企業・団体に手心を加えることは、周知の事実。道路公団の談合を例に出すまでもない。こうした人事を二十年以上も続けてきた組織に業界唯一の“自主検査”を実施する資格があるはずない。
 話は逸れるが、今回の報道をきっかけに公取委の職員にも天下り先があることを初めて知った方も多いのではなかろうか。
 天下り先に対しても公正な判断ができるのか。天下りを狙って手心を加えることはないのかなどと余計な心配をしてしまった。ともあれ、天下っても公正取引委員会とは、摩訶不思議な「公正」である。
野々垣・アピ社長よ、答えろ!
問題六、
組織ぐるみ、業界ぐるみの不当表示か?
野々垣氏への「疑惑」は消えない

 読売新聞には「異性化糖などの混入について陽性反応が出た業者名を知るのは、事務局長(専務理事)と事務局員の二人に限られ、会長ら他の役員にも漏らされないのが“不文律”だった」と掲載されている。
 果たしてこれは本当だろうか。この点に関し、弊社は読売新聞とは少々違う考えを持っている。
 協議会の会長は、言わずと知れた業界最大手「潟Aピ」の社長・野々垣孝氏である。業界最大手の社長が業界商品の二十パーセントで起きている不当表示をまったく知らないことなどあり得るのだろうか。
 逆に言えば、業界最大手の企業を無視して他企業が不正行為を行うことなど可能なのだろうか。「偽ハチミツ」の存在は業界内の“常識”だったはずである。
 小紙には“不文律”を話すことで、不適正表示の問題を協議会内部の問題にすり替え、業界ぐるみの不正行為という「疑惑」から目を逸らそうという狙いがあったのでは、と感じられるのである。「疑惑」は一層深まったと言えよう。
 野々垣氏がお忙しい身であることは重々承知している。スケジュールはこちらが合わせよう。野々垣氏よ。そろそろ、小紙の取材に応じ、この問題をはっきりさせる時が来たのではなかろうか。
(取材・調査・本紙ハチミツ取材班。まとめ、ジャーナリスト・坂口義弘)



平成19年(2007年) 4月30日(第285号)
世界66ヶ国が幕張で国際ショー
〓〓次回には世界のハチミツと味くらべを〓〓


 三月十三日から十六日までの四日間、千葉県・幕張メッセで世界六十六ヶ国の食品・飲料を一堂に集めたアジア環太平洋地域最大規模のフードトレードショー・第三十二回国際食品・飲料展「FOODEXJAPAN2007」が開催された。国内約七百、海外約千八百の企業が参加、飲食店関係者など連日二万人を越える人々が訪れ、四日間の来場者は延べ九万五千七百十九を数えた。FOODEXJAPANには中国企業も約百四十社参加し、このうちハチミツを専門に扱う企業は四社出展された。出展企業の一つである杭州常青蜂並広司の桜副総経理に中国のハチミツ事情について話を聞いた。
 中国ではハチミツをどのように食しているのですか?
‐日本ではハチミツをパンに塗って食することが多いようですが、中国でパンに塗って食する人はほとんどいません。中国ではハチミツを水に溶かして飲んだり、スプーンに取ってそのままなめる事が多いです。
 中国でも健康食品として認識されていますか?
‐日本と同じように中国でもハチミツは体に良い食べ物として知られています。スプーンですくってそのまま食べるのはそのためです。また、ハチミツはサプリメントとして販売されているので、ビタミンやミネラルなどの栄養補助食品としても広く普及してますし、糖分を控えなければならない糖尿病の患者の方が砂糖の代わりにハチミツを使った食事を取ることもあります。
 中国ではいくらでハチミツを売っていますか?
‐一般の消費者が購入するハチミツは、五百グラム二百円前後で売っています。もちろん砂糖などは混じっていない純粋ハチミツの値段です。
 貴社は何ヶ国にハチミツを輸出していますか。
‐日本をはじめ、韓国・ロシア・イギリス・ドイツ・スペイン・サウジアラビア・メキシコなど、十五カ国に輸出しています。
 中国での養蜂産業について浙江省江山恒亮蜂産品有限公司の毛薫事長代理に話を聞いた。
若者の養蜂業離れ
 中国の養蜂家は増えていますか?
‐中国全体で見ると海外への輸出が順調に伸びているので、引き続き成長が期待できると思います。しかし浙江省などいくつかの地域では、養蜂家の数が減ってきています。国内の経済発展が進み都市部の企業で働く方が収入が良いので、若者は出稼ぎに出てしまいます。体力的にもきつく賃金も安い養蜂業に携わる人は今後さらに減っていくかも知れません。
 中国全体でも養蜂家の数は減っているのですか?
‐中国全土にどれだけの養蜂家がいるのかはわかりません。中国は広く人口も多いので養蜂家の数を把握できないのです。ただ、当社にハチミツを収めている養蜂家は年々減っています。また、中国から海外へ輸出されているハチミツは膨大な量になるはずですが、年間何万トンのハチミツが輸出されているのかわかりません。
 中国産ハチミツの品質はどうですか?
‐二〇〇二年一月、ヨーロッパに輸出したハチミツから抗生物質が検出され、輸出禁止になったことを一つのきっかけに品質管理は徹底されるようになりました。また、〇六年からは日本でポジティブリスト制度が導入されたこともあり、一層厳しい品質が求められるようになりました。
世界のハチミツの現状
 今回の国際食品・飲料展にはエルサルバドル・スイス・スペインなどハチミツ生産国として余り聞き慣れない国からもハチミツが出展され、なかには日本初上陸のハチミツもあった。その他にもアメリカ・ドイツ・カナダ・ニュージーランド・ブラジルなど、様々な国からハチミツが出展されており、中国だけでなく、世界の至る所で養蜂が行われていることを再確認した。現在、日本で中国産以外のハチミツを扱う店はハチミツ専門店とネットショップくらいしかないが、今後は中国だけでなく様々な国のハチミツが輸入され、店頭に並び、消費者の手に渡る機会が増えそうである。
 次回のFOODEX JAPAN開催予定は、来年三月十一日から十四日の四期間となっている。今回お目にかかることは出来なかったが、次回こそは国内参加企業として、また岐阜県を代表する企業としてアピ株式会社、日本蜂蜜株式会社など(社)全国はちみつ公正取引協議会に加盟している企業にも出展して頂き、世界のハチミツと味比べをしてみたいものである。
蜜蜂からの新しい
贈り物「ビーポーレン」

 蜜蜂のもたらす自然の恵みの一つとして「ビーポーレン」が注目されている。ビーポーレンとは英語のBee(蜂)とPoiien(花粉)からできた言葉で「蜜蜂花粉」などと訳される。蜜蜂は花粉を採取するとき、体内から分泌された酵素で固めた「花粉団子」を後ろから足につけて持ち帰る。この花粉団子は女王蜂の餌や蜜蜂が越冬するときの食料となるもので、様々な栄養素が豊富に含まれている。一粒がごま粒ほどの大きさの「花粉団子」は、十万個のから五百万個の花粉のかたまりで、十六種類のビタミン、二十種類のアミノ酸、十八種類の酵素、十六種類のミネラルなど約九十種の栄養素が含まれている。
「ビーポーレン」に注目
 ハチミツと同じくビーポーレンも紀元前から食されてきたとされ、古代ギリシアの文献に記述が残ってる。しかし、近代学問として研究され始めたのは一九五〇年以降からと以外なほど歴史は浅い。九一年、アメリカのモーリス・M・チンテロー医学博士の研究報告では、アレルギー・喘息・花粉症・慢性副鼻腔炎などに効果があったとされている。また、脱感作(一度アレルギーになった状態から脱する作業)をもたらすので、花粉症の症状を軽減する効果あるともいわれている。ビーボーレンは商品によって花粉団子をそのまま瓶詰めしたもの、花粉団子をカプセルにいれたもの、花粉団子を固めて錠剤にしたものが販売されている。錠剤タイプには加熱処理を加えているものもあり注意が必要だが、栄養素や効果に差異はないようである。日本ではまだ馴染みのない食
品であるが、ニュージーランドやオーストラリアでは毎日の栄養補給として、欧米では、「パーフェクトフード」と呼ばれサプリメントの一つとして愛用されている。値段は一瓶五千円前後で、殺菌効果の高いマヌカハニーの二倍もする。品質の良くないビーボーレンを高く売る業者もいれば、品質の良いビーボーレンを安く売る業者もいるので、単純に値段だけでは判断できないが、中にはハチミツと同じようにどうしてこんなに安いのか疑いたくなるほど、極端に安いビーボーレンも販売されている。ハチミツ同様、きちんとした効能を得るためには信頼できるメーカーや販売店を探す事が欠かせない。
(取材・調査・本紙ハチミツ取材班。まとめ、ジャーナリスト・坂口義弘)



平成19年(2007年) 3月31日(第284号)
トレーサビリティシステムの導入
〓〓安全管理に画期的前進〓〓


安全管理・一歩前進
 これまで二回に渡り、中国産ハチミツの品質問題について述べてきた。こうした認識は食の安全を研究している専門家や行政機関だけでなく、ハチミツへの関心を一部の消費者も広く待ってきているが、欧米諸国と比べて日本のハチミツの歴史は浅く、一般消費者の知識はまだまだ不足しがちである。それでも近年ハチミツが健康食品として、一部の企業は中国産ハチミツの品質向上に向け取り組みを強化している。中国産ハチミツが抱える「抗生物質」と「異性化糖」の混入問題は、安全・安心なハチミツを輸入しようと努力している企業にとって、解決しなければならない課題として認識されてきている。そして問題解決の方策として期待されているのが「トレーサビグティシステム」による安全管理なのである。
トレーサビリティ
システムの導入

 二○○三年十二月二十四日、BSE(牛海綿状脳症)による狂牛病問題からアメリカ産の牛肉及び牛肉加工品は、全面輸入停止となった。○四年十二月には「牛の固体識別の管理及び伝達に関する特別惜置法」が施工され、一頭ごとに付けれれたID(識別番号)によって牛の誕生、飼育、加工、出荷までの情報を認識することが出来るようになった。「トレーサビリテノノイ」とは英語のTrace(追跡)とAbiliy(できること)を組み合わせた言葉で、「生産履歴追跡」などと訳される。生産地‐(加工)工場‐流通‐販売までの工程を明らかにし、履歴情報を遡ることで商品の安全を確保・管理するシステムのことである。消費者は商品の原料生産段階まで履歴を確認する事で、「何時、何処で、誰が、何を、どのように」商品と関わったのか知ることが可能となり、安心して商品を購入する事ができるのである。ニュージーランドでは、既にハチミツにも「トレーサビリテイシステム」が導入されており、政府機関によって管理・運営されている。ハチミツの入ったドラム缶ごとにロットナンバーがふられており、商品にトラブルが生じた場合に対応できるシステムが出来上がっている。日本にも食の安全を確保するためにトレーサビリテイシステムを導入しようとする試みがある。実際にシステム導入にむけて動いている企業に取材した。
○ システム導入はいつからですか?
‐三年ほど前にトレーサビリテイシステムの導入に向けて動き始めました。大学の研究者や専門家と共同で中国への訪問を繰り返し、研究を重ねています。現在はいつ頃、どの地域で、どの花から採れたハチミツなのか、おおまかな追跡はできるようになりましたが、日本の消費者に満足して頂けるような精度の高いシステムを構築するまでには後二〜三年の時間が必要な状況です。
○ システム導入のきっかけは?
‐日本では蜜源が減少しており、今後、国産ハチミツを入手することは今まで以上に困難になると予想されています。良質なハチミツを安定して入手する必要からシステムの導入を決めました。また、二○○二年に中国産の輸入ハチミツから抗生物質が検出され、中国産ハチミツに対する消費者の不信感が非常に高まり、売り上げにも影響しました。消費者の信頼を回復するためにもシステムの導入は欠かせないものと考えています。
○ システム運営で苦労する点は?
‐システム運営には養蜂家の育成と精度の高いデータを収集することが必要です。中国は北京オリンピックや上海万博を前に国を挙げて様々な食品の管理を厳しくチェックしていますが、国が勧める国際的基準と生産者の意識には少なからずギャップがあります。また、当社では遼寧省や河南省で採れたハチミツをシステムの対象にしていますが、地方に行くと文字が書けず、意思疎通が思うように図れない養蜂家もいます。こうした状況の下で信頼の置けるデータを蓄積することは簡単ではありません。カナダやニュージーランドなどではシステムを軌道に乗せた企業もあるようですが、中国産ハチミツでシステムを確立した企業はまだないと思います。日本の消費者を納得させる事のできる精度の高いデータを集めるため、中国語が堪能で養蜂・ハチミツに精通した職員を常駐させ、徹底した管理を行うことが今後の課題です。
○ 日本と中国で養蜂の違いはありますか?
‐中国には日本から持ち込まれたミツバチも多く、養蜂の手法などに大きな差はありませんが、生産・販売の体系は少し異なります。日本では養蜂家と独自に契約してハチミツを購入することができますが、中国では養蜂家ではなく、養蜂家を束ねている「組長」からハチミツを購入することになります。輸入量は二十トンからなので「組長」の下にいる複数の養蜂家から集めたハチミツを輸入することになります。このため、すべての養蜂家のハチミツを追跡してデータを収集することは、日本と比べると困難な作業となります。
○ どのようなシステム利用方法を検討していますか?
‐二次元バーコードを商品ラベルに貼り付けることで、消費者が携帯電話で気軽に「いつ、どこで」採れたハチミツなのかといった情報と接することができればと考えています。〓〓
 この企業では、システム導入に向けて相当な金額を投資している。トレーサビジテイシステム導入への道は険しいようだが、一日も早い実現を期待したい。
究極のトレーサビリティ
自家養蜂のススメ

 ドイツの養蜂家は約八万戸と多いが、このうち養蜂を主な収入源としているのは約千戸、全体の一パーセント程度しかない。残りの多くは個人養蜂家で、自宅の庭やベランダに巣箱を置いて趣味としての養蜂を楽しんでいる人たちである。自分で飼育し、自分で採ったハチミツを食べる。言うならば究極のトレーサビリティがそこにはある。実は日本でも個人養蜂家を楽しむことは可能である。インターネットでは趣味の養蜂のために種養、巣箱、煉煙器、遠心分離機などがセットになった「養蜂キット」が販売されている。養蜂キットを販売している秋田屋本店に問い合わせた。
○ お値段は?
‐ 十三万千二百五十円です。
○ どれくらい売れていますか?
‐1年間に約十セット売れています。
○ 購入層は?
‐養蜂ははじめてという一般がほとんどで、女性よりも男性の方が多く購入されます。年齢は若い方からご年輩の方まで様々です。趣味として養蜂を楽しむために購入しているようです。
○ 採蜜できる量は?
‐採蜜時期は花が咲く春先から秋口にかけてですが、地域によって差があるので、はっきりとした採蜜量は分かりかねます。
○ 保健所や役場に届け出る必要は?
〓ミツバチの飼育届けを保健所などに提出する必要があるかもしれません。〓〓
 養ほう振興法第三条によると「業としてみつばちの飼育を行う者(養蜂業者は都道府県知事に届出なければならないとされている。ミツバチはご近所の花壇からも蜜を採取するし、小さいお子さんがハチに刺される危険もあるので、住宅街であればトラブルを未然に防ぐためにも隣近所へ事前に話を通しておく必要があるだろう。出来上がったハチミツを近所に配れば養蜂への理解も得られやすいし、近所付き合いの潤滑油にもなる。個人的には仕事を生き甲斐としてきた団塊の世代の方々に定年後の新しい趣味として始めて頂きたい。高層マンションでの飼育は難しそうだが、田舎暮らしを始める人、郊外へ移り住む人にはぴったりの趣味ではなかろうか。新たに養蜂を始める事は蜜源を奪い合う事になるため、専業の養蜂家の中には趣味の養蜂を嫌う方もいるようである。しかし、趣味であっても養蜂に携わることで関心を持つ人が増えていけば、本物のハチミツに気が付くきっかけになる。また、ドイツのように国内養蜂業の衰退を防ぎ、活性化にも繋がるものと考える。養蜂キットの内容は次のとおりである。興味のある方はHP(http://www.akitayahonten.co.jp/goods/yoho/htmlにアクセスしてみてはいかがだろう。
○ ミツバチ一群(約一万五千匹)
○ 十枚用継箱‥一箱
○ 最高級空巣箱‥五枚
○ 大型煉煙器‥一個
○ アミラン面布‥一枚
○ いろは巣礎‥十枚
○ 金具付組立巣枠‥十組
○ 円形蜜櫨し‥一個
○ 蜂ブラシ‥一本
○ 日本式蜜刀‥一本
○ 軽便固定式分離機‥一台
○ ハイブツール‥一個
○ 玉 寵‥五個
○ 分割板‥一枚
○ 歯車埋線器‥一個
○ ゴム手袋・二双
○ 養蜂の手引き書‥一冊
(取材・調査・本紙ハチミツ取材班。まとめ、ジャーナリスト・坂口義弘)



平成19年(2007年) 2月28日(第283号)
「発掘〓あるある大辞典」で絶賛の坑殺菌力!
信じていいのか、悪いのか!?


またも中国産ハチミ
ツから残留抗生物質

 中国産ハチミツからの残留抗生物質検出が後を絶たない。検出された商品は全て厚生労働省が廃棄、積戻しを指示しているので日本国で流通する事は無いが、その一部を列記する。
一、昨年五月、中国から横浜に陸揚げされたローヤルゼリー加工品(輸入元:正和薬品株式会社)からオキシテトラサイクリン〇・一〇PPM、テトラサイクリン(注一)〇・〇二PPMが検出された。
二、昨年八月、中国河南省から名古屋に陸揚げされたハチミツ(輸入元:八木通商株式会社)からクロラムフェニコール(注二)〇・〇〇五PPMが検出された。
三、昨年十月、中国の門司(輸出元:内外交易有限会社)から日本へ輸出予定のハチミツから合成抗菌剤AHD〇・〇〇二PPMが検出された。
四、昨年十一月、中国から大阪に陸揚げされたローヤルゼリー加工品(輸入元:隆泰貿易株式会社)からクロラムフェニコール〇・〇〇八PPMが検出された。
(注一)
 テトラサイクリン:ペニシリンと同じく古くから使用されている代表的な抗生物質。細菌のタンパク質合成を阻害して発育・増殖を抑える。オキシテトラサイクリンは同系列の抗生物質。
(注二)
 クロラムフェニコール:コレラや腸チフスなどの感染症治療に用いられる抗生物質。再生不良性貧血による骨髄損傷など人体への重大な副作用が指摘されている。〓〓
 相次ぐ残留抗生物質の検出を重く受け止めた厚生労働省は、昨年八月二十九日付けで中国から輸入されるハチミツとその加工製品のサンプリング検査を五十パーセントに引き上げる事を決定した。ハチミツに関する食の安全を確保するためには水際での防止策をさらに強める必要があると判断したわけである。
変わる中国のハチミツ事情
 中国では一年間に全世界の約三割を占める二十七万トンのハチミツが採取されているが、一人当たりのハチミツ消費量は百グラムと日本の三分の一ほどしかない。これまで国内でハチミツはあまり消費されてこなかった。しかし、経済が発展して生活水準が上昇するにつれて娯楽やスポーツ、ファツションだけでなく健康に対する関心も高まっており、富裕層を中心とした消費者からは品質の良いハチミツを求める声が挙がっている。こうした中国国内での需要増加に直面した養蜂家は、日本へ輸出するための安いハチミツ作りによって高く売れる品質の良いハチミツ作りが阻害されている、と不満を抱いているといわれている。安くて低品質と言われる中国産ハチミツは、「精製ハチミツ」に代表される日本の特異なハチミツ事情によって引き起こされた側面を持っているため、これまでも中国から日本へは安いハチミツが大量に輸出されてきた。今後、中国国内で品質の良いハチミツの需要が高まった場合、日本へは欧米や中国国内向けに出荷することの出来ない、より低品質のハチミツしか輸出されなくなるかもしれない。
江蘇省、昨年一月から十月
のハチミツ輸出が大幅減

 中国江蘇省の税関は、昨年一月から十月までのハチミツ輸出量が一万二千百七十三万トン、輸出額は千六百三十九万ドルと発表した。これは輸出量で対前年同月期三十九パーセント減、輸出額で対前年同月期十四パーセント減という大幅な減少であった。輸出量に比べて輸出額の減少幅が少ないのは、生産・輸出業者の生産コストが増加していたためである。江蘇省の主な輸出先は日本とアメリカであるが、日本は昨年五月末から輸入食品に対する残留農薬を規制する「ボジティプリスト制度」を実施している。これにより食品一キログラムあたりの農薬・化学物質残留量が厳しく定められたたため、基準に満たない輸出を見遅られた。ハチミツが輸出量の減少に繋がったのだろう。また、アメリカは中国産ハチミツを対象に反ダンピング調査を実施中であり、こうした動き
に対応できなかったハチミツ業者は輸出を控えざるを得なかった。それにしても三十九パーセント減とは驚きの数字である。これまで中国から農薬や化学物質の含まれたハチミツがいかに多く輸出されていたかが現れているのではなかろうか。「中国は貧しくて農薬を買えないから野菜や家畜は無農薬で育てている」などという「安全神話」は遠い遠い昔の無責任な話に過ぎない。中国のずさんなハチミツ事情が改めて証明されると共にこうしたハチミツを輸入していた業界のモラルも問われる出来事と言えよう。
ポジティプリスト制度とは
 ポジティプリスト制度とは、食品衛生法に基づき平成十八年五月二十九日から導入された比較的新しい制度で、食品中に残留基準の設定されていない農薬、動物用医薬品及び資料添加物(以下、残留物質)が残留する生鮮食品、及び加工食品を含むすべての食品の製造・加工・販売などを原則禁止する制度である。七百九十九種類の残留物質が制度の対象となっており、昨年八月と十一月にハチミツ及びローヤルゼリー加工食品から検出されたクロラムフェニコールなど十五種類は一切の残留を認めない「不検出」基準に該当している。なお、六十五種類の残留物質は人の健康を損なう恐れの無いことが明らかな事から、制度の対象外となっている。江蘇省でハチミツ輸出量が激減していることをみると、一定の基準に達していない安全性に問題のある食品の輸出を自制させ
る効果は期待できそうである。ポジティプリスト制度を管轄する厚生労働省医薬食品局食品安全部によると同じ商品から同じ残留物質が繰り返し検出された場合は、「検査命令」指示や食品衛生法に基づく罰則を適用するとのこと。「検査命令」とは該当食品を扱うすべての業者に対して該当残留物質の検出検査を実施させるものである。しかし、この制度は「食の安全」の観点から生産過程での適正な農薬・化学物質の使用を目的としており、残留物質の分析を食品事業者に義務づけるものではない。また、食品すべてを検査・分析することは物理的に不可能であることから、制度によって「食の安全」をすべて担保することはできない。日本の消費者が安心・安全の「天然ハチミツ」を享受するには、ポジティプリスト制度などの国による規制だけではなく、生産者との信頼
関係構築を中心とした業界を挙げた取り組みが必要だ。
 一月十日、不二家さいたま工場で消費期限の切れた牛乳を使用してシュークリームを製造していた事が判明した。その後も消費期限切れのリンゴを使用してアップルパイを製造していたことや食品衛生法の基準を超える細菌が検出されるなど次々に違反事実が明らかとなった。同社社長が引責辞任にするに至ったが、現在も混乱は続いており、営業再開の目処は未だ立っていない。二〇〇〇年六月から七月に起きた雪印食品株の集団食中毒事件も国民的関心を呼び、同社は廃業・解散となった。消費者は「食の安全」に対して厳しい目を注ぎ続けている。ハチミツ業界はこれを他山の石とすべきである。
あの「発掘‐あるある大辞
典」でも絶賛の抗殺菌力

 一月七日にフジテレビ系列で放送された人気健康番組「発掘‐あるある大辞典U」で納豆を扱った番組中の実験データや研究者の証言が捏造されていたとして大きな問題となっている。実は数年前、同番組でハチミツの効能について取り上げられた事がある。次の三点である。
一、食中毒菌O157を殺菌
 アカシア、レンゲなどのハチミツを溶かした水溶液にO157菌を入れて菌の繁殖状況を計測した結果、すべてのハチミツがO157菌を殺菌した。
二、虫歯原因菌・ミュータンス菌を殺菌
 アカシア、レンゲなど数種類のハチミツを溶かした水溶液にミュータンス菌を入れて菌の活動状況を調べた結果、アカシア、レンゲ、オレンジ、ユーカリ、ローズマリーの五種類のハチミツが菌を半減させ、マヌカ、クローバー、蕎麦ハチミツは菌の活動を停止させた。
三、グルコン酸の力
 ハチミツに含まれるグルコン酸は、ハチミツのPH(ペーハー)を下げて殺菌力を高める。また、ビフイズス菌を増やす効果も発見された。
 こうした効能は玉川大学ミツバチ化学研究施設やニュージーランドのワイカト大学でも確認されており、実験効果に間違いないと思われる。しかし、番組の中では純粋ハチミツを推奨しただけで、「純粋」と「天然」の違いについては触れられておらず、視聴者に「特異な日本のハチミツ事情」が伝えられなかったことは残念である。
(取材・調査、本紙ハチミツ取材班。とジャーナリスト・坂口義弘)


平成19年(2007年) 1月31日(第282号)
業者よ、業界よ、安ければいいのか!
すべて日本側に責任がある安い中国産


 中国産ハチミツには抗生物質の残留、糖の混入、蜜質が劣るといった不安や問題がつきまとう。消費者の中には「中国産ハチミツイコール安くて品質の悪いハチミツ」というイメージを抱いている人もすくなくない。前号で日本に流通しているハチミツの約九十パーセントは中国から輸入されたもので、そのうちの七十パーセントから八十パーセントはハチミツから色、臭い、栄養素までも取り除いた「精製ハチミツ」と呼ばれる液糖として菓子や飲料の甘味料に使用されていることを述べた。「精製ハチミツ」はテーブルハニー(食卓で使われるハチミツ)の三倍から四倍の量が流通しているが、その単価は安い。販売額を比べるとテーブハニーの方が三倍から四倍多いと言われており、流通量と販売額は逆転してしまう。業者、企業にとって、テーブルハニーよりも格段に安く取引される「精製ハチミツ」で利益を確保するためには、品質や安全性よりもいかに安いハチミツを入手するかが重要になってくる。そこで重宝されるのが安くて大量に採れる中国産ハチミツなのである。実際に中国産ハチミツの輸入に携わった経験のある元商社マンは、
 「中国の生産者の利益と一致してはいたが、一時期、ハチミツであれば何でも良い。とにかく安くて大量のハチミツを確保する事に奔走していた」
 と当時を振り返る。
 中国産ハチミツの一キログラム当たりの輸入量単価は、百五十円と三十ヶ国以上ある日本のハチミツ輸入相手国の中で圧倒的に安い。最も高い国はベルギーで一キログラム二千三百円、ついで北朝鮮二千百円、ギリシァ千六百円と続く。中国の次に輸入量の多いアルゼンチンは一キログラム三百二十円、カナダは四百七十円、ニュージーランドは九百八十円である。輸入単価の高いハチミツを「精製はちみつ」に加工しては採算が合わない。必然的にほとんどの「精製ハチミツ」は安い中国産ハチミツから作られることとなる。
消費者無視の技術指導
 日本で流通する中国産ハチミツが「精製ハチミツ」として使用されていることと消費者が「中国産イコール低品質」というイメージを抱く事には大きな関係がある。中国の養蜂は、「精製ハチミツ」を販売する事で利益を挙げている日本の商社や企業によって、「天然・品質・健康」を重視する用法ではなく、「安く・確実・大量」に採れる事を重視した用法へ歪められてしまったのである。日本の商社や企業の多くは「精製ハチミツ」として利益を得るため、品質や安全性よりも採算性を重視した養蜂を中国の養蜂家に求めた。日本で「精製ハチミツ」に加工するのだから品質は関係ないと「ハチミツであれば何でも良い」「大量に集める事が大事」と消費者を無視した考えのもと、安く大量に採蜜することを優先したのである。中国の養蜂家に対する技術指導も採蜜コストを下げることに特化したもので、安全で品質の良いハチミツ作りに取り組んでこなかった。中国の養蜂家は安いハチミツしか買ってもらえないため、コストを掛けて独自に品質の良いハチミツを作ることすらできず、安いハチミツを作らざるを得なかった。「精製ハチミツ」に依存する日本の特異なハチミツ事情が「中国イコール低品質」というイメージを生み出してしまったと言えよう。
良品を選ぶことが大切
 今でこそ中国は世界の工場として日本や欧米の企業が進出し、経済成長率は毎年二桁近い高い伸びを示している。二〇〇六年の貿易黒字は千七百億ドルを超え、世界第二位の外貨準備高を誇るまでになった。二〇〇八年には北京オリンピック、二〇一〇年には上海万博といったビックイベントを控えており、都市部を中心とした開発は目覚しい。しかし、農村地域との経済格差が指摘されているように山間部には今も広大な蜜源が存在している。中国の採蜜量は二十七万トン、アメリカの一・五倍、日本の百二十倍と桁違いに多い。中国との独自ルートを開拓し、高度な技術指導を提供することで高品質な中国産ハチミツの入手に尽力している日本の企業・養蜂家も存在する。企業努力によって高品質のハチミツが採れる条件は備わっているのである。すべての中国産ハチミツの品質が劣っている訳では決してない。大切なのは確かな品質を提供している商品をきちんと選ぶことである。ドイツでは、ハチミツに含まれる酵素の比率によって一級品から八級品までランク付されている。そして最も品質の高い一級品は、ほとんどドイツ国内で流通する。最良の天然ハチミツを安心して供給することができるから消費者も多い。ドイツの年間一人当たりのハチミツ消費量は千五百グラムで世界一だ。さて、一キログラム三百九十八円で売られている中国産ハチミツは何級品のハチミツなのだろう。
蜂の伝染病とは
 あまり知られてないが、牛には狂牛病、鳥にはインフルエンザがあるように蜂にも腐蛆病という伝染病がある。腐蛆病は成虫が運んできた餌などに付着した芽胞性大桿菌は熱と科学殺菌剤に強い特徴があり、芽胞状態だと数十年生きつづける。感染すると一匹の幼虫に一億個の細菌が発生すると言われるほど伝染性が強く、放っておくと他の巣群にも感染してしまう。成虫に影響を与える事はないが、感染した幼虫は腐敗してしまう。腐蛆病を発生した後に薬剤散布すれば、巣箱、蜂、蜜のすべてが薬に侵されてしまい、商品価値はなくなってしまう。ひとたび感染すると発生後の対応が出来ないため、巣箱は全滅することになる。腐蛆病はアピテンと呼ばれるマクロライド系ミロサマイシンを含有する抗生物質を使用することで予防できるが、採取を禁止している休薬期間を守らずに採蜜するとハチミツに抗生物質が残留してしまう。食品から抗生物質を摂取した際に最も怖いのは、抗生物質に対する抵抗力(薬剤耐性)が人の体内に作り出されてしまう事である。薬剤耐性が作り出されると治療の際に抗生物質を使用しても既に耐性ができ上がっているため、抗生物質が有効に機能せず、治療そのものに悪影響を及ぼす事になる。
中国産ハチミツから
抗生物質

 二〇〇二年四月、厚生労働省は輸入ハチミツのモニタリング検査を実施した。四月八日、二十六日に実施した二回の検査では、中国産ハチミツから抗生物質・ストレプトマイシンが〇・一七PPM、〇・八PPMずつ検出された。厚生労働省食品保険監視安全課は、食品衛生法第七条に違反するとして検査対象の全量(四十・六トン)に対して廃棄または積戻しの指示を出した。
(注)
 PPMは、百万分の一をあらわす単位。
 ストレプトマイシンは、一般に結核治療に用いられる抗生物質だが、腐蛆病を予防するために使われ、ハチミツに残留したのだろう。通常、ストレプトマイシンは筋肉注射によって投与される抗生物質であり、口から投与される抗生物質であり、口から投与すると副難聴や肝機能障害といった副作用を引き起こす。ストレプトマイシンの残留したハチミツを食べたからといってすぐに副作用を起こすわけではないが、中国での養蜂のずさんさ、食の安全に対する意識の低さが窺われるできごとである。
EUは全面輸入禁止、
だが日本は
輸入継続の不思議

 厚生労働省のモニタリング検査は、二〇〇一年にEU(欧州連合)に輸入された中国産ハチミツから基準値を超える抗生物質が検出され、EUが中国産蓄水産物の輸入禁止処置を実施したことを受けて実施されたものであった。EUは抗生物質検出に対応するため、二〇〇二年から二〇〇五年までの三年間に渡り中国産ハチミツの全面輸入禁止処置を継続し、アメリカも一時期、中国産ハチミツの輸入を禁止した。日本でも輸入禁止の動きが見られたが結局、日本が中国産ハチミツの輸入を禁止することはなかった。それどころか抗生物質を検出した最新式の検査機を使った検査を止めて、抗生物質の検出されにくい以前の検査に戻すという不可解な対応を取ったのである。輸入禁止が回避されたことについて、ハチミツ業界関係者は「抗生物質の事前検査の徹底とサンプル検査から全量検査へと切り替えた『水際作戦』が功を奉した。一時期、ハチミツの需要は減少したが、業界のすばやい対応で消費者の不安が払拭された」と述べている。しかし、この時期、中国産ハチミツに対する消費者の不安が増大したため、国産ハチミツの需要が高まり、国産ハチミツの値段が高騰して入手困難になった。「水際作戦によって消費者の不安が払拭されたから、中国産ハチミツの輸入禁止が見送られた」とする見解は必ずしも当を得ていない。
業界はパニックに!?
 なぜ日本では輸入禁止が実施されなかったのだろうか。日本国内で消費されるハチミツの九十パーセント近くを占めている中国産ハチミツを輸入禁止にすれば、ハチミツ業界に与える影響は計り知れない。「精製ハチミツ」を製造している企業などは、多くのハチミツを中国からの輸入に頼っている。中国の次に安いアルゼンチンのハチミツでさえ中国の二倍の単価である。仮に全面輸入禁止となった場合、中国以外の国から輸入しても採算は合わないだろう。EUと同じく輸入再開までに三年も掛かれば、工場はストップし、業界は大打撃を受ける。「精製ハチミツ」を売らんがため、消費者を無視して異常なまでに中国に偏重した業界構造が日本のハチミツ市場・食の安全を歪めている。
(取材・調査、ハチミツ取材班、ジャーナリスト・坂口義弘)


平成19年(2007年) 1月 1日(第281号)
日本は中国産ハチミツの独占市場
なんと「日本の消費の90%」の現状!


 二〇〇五年、日本に輸入されたハチミツは四万七千三十六トン。国内で生産されたハチミツは二千二百十一トン。合計四万九千二百四十七トンのハチミツが流通された。
 最大の輸入相手国は中国で四万一千トンと圧倒的に多く、次いでアルゼンチンの千百トン、カナダ四百八十トン、ニュージーランド四百五十トン、アメリカ二百二十トンとなっている。
 日本で消費されるハチミツのうち、実に九十五パーセントは海外から輸入されているものであり、輸入されたハチミツのうち中国産ハチミツの占める割合は九十パーセントを超えている。日本で流通しているハチミツはほとんど中国で採れたハチミツだ。
 ハチミツ主要生産国の年間生産量は、中国がもっとも多くて二十七万トン、次いでアメリカの十九万トン、アルゼンチン八万五千トン、トルコ七万五千トンと続く。そして年間輸出量は、中国とアルゼンチンがほぼ同じ八万トンで最も多く、アメリカ六万八千トン、メキシコ三万五千トンと続き、年間輸入量は、アメリカとドイツがほぼ同じで十万トン、次いで日本四万七千トン、イギリス三万トンと続く。
 国内生産量が二千三百トンほどしかない日本は、世界でも有数のハチミツ輸入大国であり、国内消費のほとんどを外国産ハチミツに依存している。
ハチミツ輸入大国
ニッポンの不思議

 ハチミツ輸入大国の日本であるが、年間一人当たりのハチミツ消費量はニュージーランドやドイツの五分の一程度に過ぎない。主要国の年間一人当たりのハチミツ消費量は、ニュージーランドとドイツが最も多く千五百グラム、次いでオーストラリアとイギリスが千グラム、カナダ、イギリス、アメリカが九百グラムで日本は三百グラムと言われている。
 一人当たりの年間消費量の違いには、その国の食文化や、ハチミツの歴史が影響しているわけであるが、日本の年間消費量が少ないことには、とあるハチミツ業界の事情が影響している。
 なぜ、年間四万七千トンものハチミツを輸入している日本の一人当たりの年間消費量が三百グラム程度しかないのだろうか?実は日本に輸入されたハチミツの用途は他の国とはまったく違っているのである。
 ハチミツは日本でどのように消費されているのだろう。すぐに思い付くのは、ホットケーキや食パンに塗ったり、ヨーグルトに混ぜたり、砂糖の代わりに紅茶に入れるといったところだろうか。
 このように家庭の食卓や料理の調味料として使われるハチミツは、俗にテーブルハニーとよばれる。多くの消費者は輸入されたハチミツはすべてテーブルハニーとして消費されていると思ってはいないだろうか。
 確かに国産のハチミツはほとんどテーブルハニーとして消費される。しかし、輸入ハチミツのうちテーブルハニーとして消費されるハチミツは輸入量のわずか二十パーセントから三十パーセントに過ぎない。実は残りの七十パーセントから八十パーセントの輸入ハチミツは「精製ハチミツ」に加工され、菓子、飲料などの甘味料として利用されているのである。
臭い・色・栄養素が取り
除かれた「精製ハチミツ」

 平成十四年十月八日、公正取引委員会はハチミツ業界の自主団体である社団法人全国ハチミツ公正取引協議会から申請を受けて「ハチミツ類の表示に関する公正競争規約」を変更した。この際、これまで「脱臭・脱色ハチミツ」と呼ばれていた雑蜜を規約第二条(二)で「はちみつから臭い、色等を取り除いたものを『精製ハチミツ』とする」と定義づけた。
 しかし、この「精製ハチミツ」なる品物は世界中どこを探しても日本だけにしか存在しない『ハチミツ』なのである。
 「精製ハチミツ」と聞くと何やら品質を良くしたハチミツのように思われるが、臭いや色を取り除く行程でビタミンやミネラルなどの栄養素や殺菌力等も一緒に除去されてしまったハチミツ、否、「液糖」のようなもの(?)なのである。当然ながら、「精製ハチミツ」から天然ハチミツが本来持っている様々な効用を期待することはできない。
 「精製ハチミツ」について、「ハチミツと同じ単糖類であることに変わりはなく、体内で分解せずに吸収する事ができるので糖分としてのハチミツの良さは失われていない」と強弁する業者もいるが、脱臭・脱色されて栄養素も抜け落ちたものを『ハチミツ』と呼称することに対して、「色や匂いと一緒に栄養分も取り除かれていることを、(社)全国はちみつ公正取引協議会は『ハチミツ』と認めているが、『ハチミツ』として取り扱うことには違和感を覚える」と否定的な見解を示す協議会加盟企業も少なくない。
ハチミツ業界によるハチミツ
業界のための規約変更

 同協議会が、「精製ハチミツ」に規約変更した理由は、「脱臭・脱色ハチミツ」の持つ悪いイメージを払拭することだけではない。規約変更にはもっと大きな別の狙いがあったのである。それは、規約第二条で「精製ハチミツ」を「はちみつ類」に加えたことである。
 変更前の規約では「脱臭・脱色はちみつ」は「はちみつ類」に含まれていなかった。このため、成分表示欄に「脱臭・脱色ハチミツ」と表記された商品は、商品名に「はちみつ」文言を使うことはできなかった。
 しかし、規約変更で「精製ハチミツ」が「はちみつ類」に含まれたことによって、成分表示欄に「精製ハチミツ」と表記されている商品は、表示違反になることなく堂々と商品名に「はちみつ」と使うことが出来るようになったのである。これによって「はちみつ○○」、「△△はちみつ」といった商品が販売され、「精製ハチミツ」の需要は増加した。
 しかし、規約変更前の「脱臭・脱色ハチミツ」と規約変更後の「精製ハチミツ」は、同じ『ハチミツ』である。二つの『ハチミツ』に違いはない。二つとも日本にしか存在しない『ハチミツ』である。規約は公正取引委員会によって変更されてはいるが、規約変更を申し立てたのはハチミツ業界の自主団体(社)全国はちみつ公正取引協議会である。消費者が規約変更を要求したことはなく、あるのはハチミツ業界の都合だけである。
 規約変更によって、「精製ハチミツ」を製造・販売する業者にとっては販路拡大・売上増・商品価値の高上につながり、使用する菓子・飲料メーカーにとっては「はちみつ」を商品名に使って消費者にアピールすることができるメリットが生まれた。「精製ハチミツ」の売り手と買い手の利益、両者の思惑が一致した規約変更だったと言える。そこからは消費者をまったく無視した企業の傲慢さしか見えてこない。
うまみ≠ヘ一部の
企業だけが独占

 規約変更は「精製ハチミツ」を製造・販売する業者にとって、販路拡大・売上増といううまみ≠もたらしたが、このうまみ≠ヘハチミツ業界全体で享受しているわけはない。
 「精製ハチミツ」を作り出すには高度な技術が必要で、専用の精製プラントがなければ製造することはできない。そして精製プラントを所有している企業は、アピ株式会社、日本蜂蜜株式会社、日新蜂蜜株式会社など一部の企業に限られている。精製プラントを持っていない企業がうまみ≠享受することはない。
 アピ株式会社は言わずと知れた(社)全国はちみつ公正取引協議会会長・野々垣孝氏が経営する会社である。日本蜂蜜株式会社は同協議会副会長・木方将文氏経営する会社、日新蜂蜜株式会社は同協議会理事・田中正道氏が経営する会社である。
 規約変更の『からくり』が透けて見えるのは小生だけだろうか。
規約第二条
 この規約において「はちみつ類」とは、はちみつ、精製はちみつ、加糖はちみつ及び巣はちみつをいう
(取材・調査・ハチミツ取材班。まとめ、ジャーナリスト・坂口義弘)



平成18年(2006年)11月30日(第280号)
協議会加盟「ボーソーハチミツ」の暴走
「純粋」ハチミツに異性加糖の混入発覚


 「ボーソーハチミツ」
が不適正表示

 十月六日、農林水産省は「ボーソーハチミツ株式会社(本社 東京都江戸川区興宮町十九番地四号)が販売するハチミツ及びハチミツ加工品に不正表示が確認された」と発表した。事件の経過は次のとおりである。独立行政法人・農林水産消費技術センターは、食品表示監視業務の一環として平成十七年度に市販されているハチミツ及びハチミツ加工品の買い上げ検査をした。その結果ボーソーハチミツ株式会社が製造販売するハチミツに不適正表示の疑義が生じたため、平成十八年七月二十八日から九月八日までの間に、関東農政局及び独立行政法人農林水産消費技術センターが工場に立ち入り検査を実施し、
 1 ハチミツ製品の原材料に異性化糖を最大で約二割使用しているにも関わらず、これらの原材料表示を行わないで、あたかもハチミツのみを原材料とした純粋なハチミツであるかのように、商品名として、「純粋」と冠した表示をおこなっていた八品目の商品を、少なくとも平成十六年十月から平成十八年七月までの間に七百五十二トン販売していたこと。
 2 ハチミツ加工品の原材料にハチミツと同等量の異性化糖を使用しているにも関わらず、これの原材料表示を行わず、あたかもハチミツを主な原材料としている商品であるかのように表示した四十三品目の商品を、少なくとも平成十六年四月から平成十八年七月までの間に五百三十六トンを販売していたこと。
 3 ボーソーハチミツ株式会社は、異性化糖を商品の原材料に使用していることを表示せずに販売する事が不適正な行為である事を認識していたにも関わらず、不適正のまま製造し、販売していたこと。
 4 また、1と同様の原材料を使用しているにも関わらず、商品名として「純粋」と冠した表示をおこなっていた二品目の商品を自社の子会社であるピーシー株式会社(所在地 千葉県千葉市緑区辺田町六十番地四)を名目上の販売者として、少なくとも平成十六年十月から平成十八年七月までの間に五トン販売していたこと
 などが確認された。
全国はちみつ公正取引協
議会も責任を問われる〓
 (プレスリーリース抜粋)異性化糖の混入が確認された品目は、全部で実に五十一品。販売期間は約二年、販売量は合計千二百九十トンにものぼる。これらの数字は今回の検査を通して確認できた期間と量である。古い商品は保管されておらず物理的に検査できなかっただけで、実際には二年以上前から異性化糖を混入させたハチミツを「純粋」ハチミツとして販売していた可能性は否定できない。「純粋」ハチミツに混入されていた異性化糖の割合は、多いもので約二十パーセント、ハチミツ加工品ではハチミツと同等量というから五十パーセントにもなる。こうした商品を「純粋」として販売されては消費者はたまったものではない。違反を犯した企業は、全国はちみつ公正取引協議会の会員である。チェック機能が働かず二年もの間、違反を放置していた協議会も違反企業と同等に厳しく問われるものである。
 ボーソーハチミツ株式会社は、一九六三年、「房総養蜂園株式会社」として創立。七〇年、全日本はちみつ協同組合に創立加入、同年全国はちみつ公正取引協議会会員。二〇〇四年一月社名を「ボーソーハチミツ株式会社」に変更。「ハニーレモン」を主力商品として、全国に営業展開。本社(江戸川区)の他に仙台、大阪、名古屋に営業所を持ち、千葉市緑区に第一・第二工場を有する大手企業である。同社のホームページには、同社の基本姿勢として「ハチミツのことなら、おまかせを。私たちは、ミツバチと共に生活をし、自然界がもたらしてくれる豊かな恵みとその驚異の源に感動し、これを研究し、商品として開発してまいりました。『確かな品質と信頼』をモットーに、ハチミツ及びハチミツのアプライド商品をむしろ多く商品提供するメーカーとして、今後も穏やかな暮らしに役立つ製品作りを心がけてまいりたいと思います」と謳われているが、今となっては何とも虚しく聞こえてくる。
 同社の所謂「純粋ハチミツ」はインターネットでも販売されている。瓶詰めされた商品の写真の脇に「栄養豊富な純粋はちみつ。純粋はちみつは蜂蜜が花から採取した栄養豊富な純粋優良蜂蜜」と商品説明されている。インターネットを通じて購入する消費者は、商品を実際に手に取る事が出来ないためネット上の写真や商品説明を参考に購入せざるを得ない。ハチミツをインターネットで購入する人は、おそらくスーパーやドラッグストアで購入する消費者と比べ、ハチミツに対するこだわりを強く持っている消費者であろう。購入者はインターネットで売られている数多くの様々なハチミツの中から選びに選んで購入した「純粋」ハチミツが異性化糖の混入したまがい物のハチミツとは夢にも思わなかっただろう。
農林水産省の見解とは
 今回の検査について、農林水産省・安全局表示・規格課に問い合わせた。
 食品表示監視業務とは〓〓
 多種多様な商品の食品を試買検査し、ラベル等に適正な表示がおこなわれているか調べる業務です。
 年間、何品目の商品を調べるのですか〓〓
 およそ五千件です
 今回、ハチミツは何品目試験検査されたのですか〓〓
 はっきりとした数ではありませんが、四十品目くらいだと思います。
 不適正表示はどうして判明したのですか〓〓
 試買検査をおこなった結果、表示されている原材料に含まれていないものの混入が確認されました。
 どのような検査をおこなったのですか〓〓
 「炭素安定同位対比法」という検査方法を用いたところ、異性化糖の混入が確認されました。
 異性化糖はどの段階で混入されたのですか〓〓
 ハチミツの製造工場に立ち入り検査を実施した結果、ハチミツを瓶詰めする工程で異性化糖が混入されていたようです。
 ハチミツの不適正表示はこれまでも頻繁にあった違反なのですか〓〓
 ハチミツに対する異性化糖の混入は、最近になってようやく検査できるようになったので、これまで余り確認されていません。
「十分反省している」
 今回の不適正表示について、ボーソーハチミツ株式会社に問い合わせた。
 不適切表示をしたきっかけは〓〓
 ハチミツ販売業者の末端で起きている価格競争が主な原因です。異性化糖はハチミツよりも原材料費が安いので、異性化糖を混ぜるとその分だけ安いハチミツができるのです。また、(異性化糖は加熱すると着色するので)ハチミツの色の調整にも使っていました。
 再発防止策は〓〓
 品質管理に万全を期すため、製品表示を確認する部署を新たに立ち上げました。今後このようなことのないよう十分注意いたします。
 不適正表示を始めたのはいつから〓〓
 農林水産省から発表のあった平成十六年四月から平成十八年七月までの間です。それより以前に異性化糖の混入はありません。
 異性化糖を用いた理由〓〓
 異性化糖は、とうもろこしのでん粉からとれる糖で、果糖ブドウ液糖と呼ばれています。砂糖や水あめと違い、異性化糖の成分はハチミツと良く似ているのでハチミツに加えても成分や味は余り変わりません。
 御社以外にも不適切表示をおこなっている業者は存在しますか〓〓
 分かりかねます。
 全国はちみつ公正取引協議会に加盟していますか〓〓
 加盟しています
巧妙化する
 異性化糖の混入

 異性化糖の混入は、消費者はもとより販売業者からも見えにくく、巧妙化していると言われる。異性化糖をハチミツに混ぜるタイミングとしては、今回の不適切表示で明らかになったように、ハチミツを瓶詰めする肯定で異性化糖を加えて量を増やすケースがある。これとは別に養蜂家がハチミツに異性化糖を食べさせ、安く採れたハチミツを天然ハチミツとして業者に売るケースもあるという。実際に花畑(蜜源)に蜂を放して蜜を採取するわけではないため、花畑を維持・移動する手間が省け、花の咲かない時期にも安定して採取できるなど、養蜂家のメリットは大きい。しかし、当然のことながらミツバチが集めたからといって、異性化糖を餌にして採れたハチミツにハチミツ本来の効用はまったく期待できない。また、この場合、養蜂家を信頼してハチミツを仕入れ
た販売業者は、まがい物のハチミツとは気付かずに表示・販売・流通させてしまう危険性があり、被害者と加害者の両方の側面を持つことになる。検査による正確な分析によって異性化糖の混入が確認できたとしても、それはまがい物のハチミツを流通させないための一手段に過ぎない。検査技術の向上や厳格な検査を実施することによって、異性化糖の混入はより巧妙化し、判別できなくなる危険性もある。異性化糖の問題に対して、ハチミツと真摯に向き合っている業者や養蜂家は、年に数回、海外の養蜂場にまで直接出向いて養蜂の実態を確認、指導している。こうした努力なしには高品質の天然ハチミツを入手し、消費者に安心して提供することができない。異性化糖の問題を根本的に解決するためには、国内外の養蜂家・商社・はちみつ問屋、製造・販売業者・販売店といった業界全体の取り組みが欠かせない。その中で全国はちみつ公正取引協議会の果たす役割は小さくないはずなのだが……。
(取材・調査・ハチミツ取材班。まとめ、ジャーナリスト・坂口義弘)



平成18年(2006年)10月31日(第279号)
(社)全国はちみつ公正取引協議会は検査方法に一考を
消費者を安心・納得させる姿勢を求む


 玉川大学にはミツバチやハチミツついて専門に研究している日本でも数少ないミツバチ科学研究施設がある。まがい物のハチミツに混ぜられている異性化糖の問題について、玉川大学ミツバチ科学研究施設主任の中村純助教授は次のように語る。
 「以前は単に砂糖や水あめを加えたハチミツがまがい物のハチミツとして出回っていましたが、今では糖の組成分析によって比較的簡単に検出することができるので、現在、単に砂糖や水あめを加えただけのまがい物のハチミツを問題視する必要はありません。
 近年、問題となっているまがい物のハチミツには、砂糖や水あめの代わりに異性化糖(注)が使用されています。
 異性化糖が開発された当初、原料はトウモロコシに限られていました。ですから、炭素安定同位対比法を用いて、ハチミツ中の炭素の同位対比が蜜源にはなり得ないトウモロコシ型かどうかを判別することで、異性化糖混入を見分けることができました。
 しかし、異性化糖の開発技術が進み、トウモロコシ以外の作物からも異性化糖が作られるようになってからは、炭素安定同位対比法では的確な判別が難しくなりました。
 そこで、最近では薄層クロマトグラフィーを使ってハチミツに含まれているオリゴ糖を分析し、異性化糖の混入を見分ける方法を用いて検査することもあります。しかし、この方法を用いた場合、特定の蜜源に由来するハチミツでは誤った検査結果が出易いといった問題もあり、現状では異性化糖の混入を確実に見分ける検査方法が確立されているとは言えません」
 安く売られているハチミツが全て「まがい物」という訳では決してないが、専門的な検査方法を用いても異性化糖の混入を見分けることは難しいようである。まして消費者が購入時に色、香り、味、結晶の具合、値段などを参考に店頭で「本物」を見分けることはまず不可能である。「公正マーク」が品質の目安になることは確かであるが、異性化糖をも締め出す絶対的な信頼に足るかどうかはこれまでレポートしてきた通りである。
協議会は
検査方法を開発せよ
 平成十七年度全国はちみつ公正取引協議会の事業計画には、規約遵守のためにハチミツの定期検査(試売検査)を実施すると記載されている。
 しかし、検査を委託されている機関は、全国はちみつ公正取引協議会の幹事を務める「社団法人菓子総合技術センター」である。身内同士で検査し合う体制で果たして有効な検査結果が得られるのだろうか。
 また、定期検査とは別に玉川大学に職員を派遣して炭素安定同位対比法による検査・研究を実施するとされている。しかし、この検査方法では異性化糖の混入を充分に見分けられないことは中村純助教授の話からも明らかであり、ハチミツ業界では広く知られていることである。異性化糖の開発が活発に実施された一九九〇年代以降には、こうした状況に陥っていることが業界内で認識されていたはずであるが、協議会の事業計画に有効な検査方法の開発は盛り込まれていない。全国はちみつ公正取引協議会は、率先して新たな検査方法の開発に取り組み、異性化糖の混入による不当表示を排除する行動を取るべきではないか。
 飲酒の有無は検査機器に息を吹きかけるだけで簡単にわかる。それでも飲酒運転は減らず、大きな社会問題となっている。検査機器によって飲酒の有無が判別できなければ、飲酒運転をする人はもっと多くいるだろう。飲酒と異性化糖の混入を同列に扱うことはできないが、検査によって混入が判別できないならば、私たちの知らないところで異性化糖を使ったまがい物のハチミツはもっと多く流通しているのではないだろうか。検査体制を強化せず容認してきた協議会の姿勢が、まがい物のハチミツの流通を招き、消費者の信頼を損なう状況をつくり出してしまったのである。
 検査による正確な分析は、まがい物のハチミツを流通させないための一手段に過ぎず、検査だけで流通を阻止できる訳ではないが、全国はちみつ公正取引協議会は協議会の事業として早期に有効な検査方法の開発に取り組み、消費者が迷うことなく安心して天然のハチミツを購入できる環境づくりを進めるべきである。
 しかし、その一方で仮に新しい検査方法が開発されたとしても協議会で採用しなかったり、検査方法の開発を機に協議会を脱会する企業がでるのではと危惧する声もあることを付け加えておく。
ハチミツの歴史
 イギリスに「ハチミツの歴史は人類の歴史」という諺がある。この諺が示すとおりハチミツと人間との関係には長い歴史がある。
 チンパンジーは木の枝を器用に使ってハチの巣からハチミツを取り出して食べ、野生の熊もハチミツを取って食べる。そしてハチミツを食べるときに使う熊の手は中華料理の高級食材「熊の手」となるのである。こうした動物の行動から、ハチミツは類人猿の時代から食されていたと言われる。
 スペインのアラニア洞窟で発見された約八〇〇〇年前の壁画には、蜂の巣から蜜を取る人の姿が描かれている。エジプトで発見された紀元前二〇〇〇年頃の遺跡には、ハチの養蜂が記録されていた。当時、ハチミツは非常に高価なものとされ、王家のもと多くの人夫によって大規模な養蜂が行われていたそうである。古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、その著書で養蜂について記述している。
 また、紀元前のエジプトでは単に食べ物としてだけではなく、その殺菌効果の高さを生かし、薬として利用されることが多かった。古代エジプトの女王クレオパトラは健康のためにハチミツを食し、肌に塗って美容につとめたと言われる。また、アレキサンダー大王の遺体はハチミツ漬けにされて保存され、ピラミッドからはハチミツに浸けられた内臓、えい児などが見つかっている。ハチミツの防腐性を利用し、ホルマリンの代わりとして使用されていたというから驚きだ。ハチミツの効用は古代から様々な形で利用されていたのである。
 一九四〇年、オーストラリア人科学者ハワード・フローリーによって、抗生物質(ペニシリン)が開発されるとハチミツを薬として使用することは徐々に無くなっていったが、今も世界各地にハチミツを使った民間療法が残っていることが、天然ハチミツの持つすばらしい力を物語っている。
医療現場での復権
 抗生物質の開発によって忘れられていったハチミツの殺菌力は、近年、現代医学の場で見直されつつある。火傷や糖尿病の皮膚潰瘍、床ずれによる傷などに塗り薬として使用されているのである。
 天然ハチミツと水分を吸収するアルギン酸を混ぜ合わせた火傷の塗り薬は、二〇〇二年十月十二日にバリ島のテロ事件で火傷をした患者の治療に使われたという。抗生物質が含まれたこれまでの薬と違い、天然成分であることから患部の肉芽成分を助け、ガーゼが剥がれやすく、嫌な匂いも少ないと医療現場では好評だったらしい。
 また、数ある天然ハチミツの中でもニュージーランドで採れるマヌーカの木のハチミツは、他の花の蜜と比べてより殺菌力が高く、ワイカト大学のピーター・モラン教授らによって更なる研究が進められている。二十一世紀に入り、ハチミツは単なる健康食品としてだけでなく、殺菌力を生かし、薬として「医療現場での復権」を果たそうとしているのである。
日本での歴史
 話をハチミツの歴史に戻そう。日本におけるハチミツの歴史も古い。平安時代には天皇家への献上品としてハチミツが送られたという記録が残っており、エジプトと同様、貴重品として扱われていたようである。
 江戸時代になると巣箱を使った養蜂が始まり、伊勢の養蜂家が弘前に行って養蜂の講習会を開いたという記録もあり、各地で養蜂が行われていた様子が窺われる。ちなみに弘前での養蜂は、冬の寒さから上手くいかなかったそうである。(残念)
偽ハチミツの歴史・西洋
 砂糖や水あめを混ぜたまがい物のハチミツは、いつ頃誕生したのだろうか。
 一説によると、砂糖がハチミツより高価であった十九世紀前半まではまがい物のハチミツは出回っていなかったそうである。水あめを混ぜればその分だけ値段が高くなり、利益が減るのだから当然と言えば当然である。
 産業革命によって真空結晶菅や遠心分離器が開発され、サトウキビや砂糖大根等から砂糖が大量に安く生産されるようになると砂糖とハチミツの価格が逆転し、水あめを混ぜたまがい物のハチミツが出回り始める。最初に誕生した国や地域は定かでないが、おそらくヨーロッパを中心に同時期様々な場所で作られたと考えられている。
 色や味では見分けが付かず検査方法もない時代である。これ幸いと砂糖や水あめを混ぜたまがい物のハチミツが作られたのであろう。安く作った製品を高く売るといった経済の原理が産業革命時代に自然と起こった訳で、この辺にも「ハチミツの歴史は人類の歴史」という諺の意味が隠れているのかもしれない。
偽ハチミツの歴史・日本
 鎖国をしていた日本に白砂糖が入ったのは明治時代になってからであり、調味料として一般家庭に普及したのは、十九世紀末に台湾で砂糖の生産が活発になってからと言われる。第二次世界大戦中に砂糖は配給制となり、戦中・戦後の食糧不足によって砂糖の価格が高騰するとハチミツは砂糖の代用品として売れに売れ、ハチミツ業者の中には「ハチミツ御殿」を建てた者もいたという逸話も残っている。食料不足が解消し、砂糖の価格が下落すると日本でもまがい物のハチミツが作り出されるのである。
「まがい物」が
  作られるワケ
 日本でまがい物のハチミツが作り出された理由は、単に砂糖がハチミツよりも安くなり、業者が水あめを混ぜて利益を増やそうとしたからだけではない。そこには日本の養蜂業を取り巻く特殊な事情が存在している。
 一九六三年、輸入自由化により安価な外国産ハチミツが大量に輸入されるようになると割高になった国産ハチミツの売り上げは減少した。外国産ハチミツとの価格競争は、一部の業者にまがい物のハチミツ作りに手を出させるほど養蜂業を追い込んでいった。さらに郊外の開発が進んだことで花畑(蜜源)が失われ、採蜜量が減ったことも養蜂業の経営難に拍車を掛けた。養蜂は農業ではなく畜産に分類されるが、高齢化・後継者不足といった問題は農業と変わりなく、日本の養蜂家は年々減少している。ニュージーランドやドイツには、養蜂、採蜜、販売などについて定められた法律があり、養蜂業を保護・育成しているが、日本に同様の法律は見られない。日本でまがい物のハチミツが誕生した理由にはこうした非常に不幸な側面がある。
 しかし、前述したようにハチミツと人類には長く深い歴史があり、天然のハチミツからはビタミン、アミノ酸、鉄分、カリウム、カルシウムなどの豊富なミネラルが摂取できるだけではなく、殺菌力・防腐性といった様々な効用を得ることができる。健康を促進し、医学的にも見直されつつある効用を安心して享受できない日本の消費者もまた不幸なのではあるまいか。
 (注)異性化糖
 トウモロコシ等のでん粉から作られたブドウ糖を酵素で果糖に変換(異性化)したもの。一九六〇年代後半から七〇年代に掛けて技術が確立された。原材料欄にはブドウ糖、果糖液糖、果糖ブドウ糖液糖とも記載される。清涼飲料やパン・菓子類等に使われることが多いが「調味料」にも多く利用されている。無色透明で結晶しづらい、粘性が少なく、保存性が高い、加熱すると着色する等の特性がある。EU(欧州連合)では製糖業保護のため、生産割当が行われており、あまり普及していない。(取材・ハチミツ取材班、まとめ、ジャーナリスト・坂口義弘)



平成18年(2006年)9月30日(第278号)
「公正取引マーク」への疑問「専門店に置いてもらえない?」
「純粋」ハチミツ「値段の格差」は桁違い


 都内やその近郊にはハチミツを扱うお店や売り場が数多くあり、少しずつだが増えているようだ。スローフード(注1)やロハスブーム(注2)なども手伝って健康食品としてそれだけハチミツが注目されている証拠だろう。店舗や売り場はそれほど広くないが、お洒落な店内には百グラム、百十グラム、百二十グラム、百八十グラムといった具合に小瓶に分けられたハチミツが所狭しと何十種類も売られている。花の種類は一般的なアカシア、れんげ、みかん、百花だけでなくレモン、コーヒー、ブルーベリー、菩提樹といった中々お目にかかれないハチミツも取り揃えられている。一口にハチミツといってもこんなに種類が豊富にあるものなのかと驚かされる。産地も国産に限らず、ニュージーランド、フランス、スペイン、ギリシャ、ハンガリーなど十カ国程ある。中には原産地が台湾となっているハチミツもあったが、安売りハチミツに多く見られる中国を原産地とするハチミツはほとんど見当たらない。さらに驚いたのはハチミツの値段である。安いものでも百グラム八百円前後。高いものは百グラム二千円以上する。一キログラムに直すと安くて八千円、高いものは二万円にもなる。一キログラム三百九十八円でドラッグストアーやスーパーで売られている蜂蜜とは正に桁違いの値段である。ここまで値段が違うとはたして売れるのか心配になるが、訪れた店は平日にも関わらずどこも賑わっていた。店員に色々と質問し、納得した上で購入する若い女性の姿が目立った。熱心な本物嗜好の客に対応するため、店員のハチミツに関する知識は相当なもので、「紅茶に入れるならみかんのハチミツが良いですよ。他の花のハチミツだと紅茶が濁ってしまいますから」「そばのハチミツは少し癖があるので、ヨーグルトに混ぜると食べやすいですよ」「白く固まっているのはブドウ糖です。湯煎すれば溶けますが、六十度以上の熱に触れると壊れるミネラルがあるので、温めのお湯で湯煎してください」など丁重に説明してくれる。記者もハチミツについての疑問をあれこれ聞いてみた。
随分お値段が高いですね
 ハチミツ本来の栄養素がそのまま残っている自然のままの天然ハチミツなので、スーパーなどで売られている蜂蜜よりは少し高くなっているかも知れません。それほど高いとは思いません。天然ハチミツならどこで購入されても同じような値段なのではないでしょうか。国産のれんげなどは花畑がかぎられていて採取されるハチミツの量が少ないので、他の花から取れたハチミツよりも高くなってしまいます。国産、外国産に限らず天然のハチミツは大量には手に入りません。できる事なら一キログラムずつたくさんのハチミツをお売りしたいのですが、できるだけ多くのお客様に買って頂くためには百グラム、百八十グラムといった小さな瓶に分けて販売しなければなりません。それほど天然ハチミツは貴重なのです。
 ドラッグストアなどでは一キログラム数百円で売られています?
 一キログラムが数百円で売られている蜂蜜にはハチミツ以外の糖分が加えられているのだと思います。ただ、そういった商品には「加糖」、「水あめ」などと成分表示に記載されていると思います。中国産のハチミツには、採蜜場所や花の種類にこだわらず混ぜ合わせ、大量に集められたハチミツがあるようです。そのようにして集められたハチミツなら安い値段で提供できるかもしれません。
「純粋」とラベルに記載されているハチミツも一キログラム数百円で売られていますが?
 「純粋」というのは日本独自の基準に基づいて決められています。「ミツバチが集め、ミツバチが持つ特殊な物質による化合で変化・貯蔵・脱水し、巣の中で熟成されたもの」というコーデックス委員会で決められた世界的基準とは違います。日本で決められた「純粋」という基準は「精製ハチミツを使用せず、かつ、添加物を一切加えないもの」とされています。業者によって、原産国、取引量、再三ベースなどはそれぞれ違います。ですから一瓶に安い高いと値段だけで商品の良し悪しを判断することは適当では有りません。極端に安く売られている商品については、どうして安く売ることが出来るのか考える事が必要かも知れません。日本では「純粋」「天然」「熟成」と表示している商品の内容がそれぞれ違います。スローフードの流れの中で区別されている方も増えてきていますが、ほとんどの消費者はその違いを意識せずに購入しているのではないでしょうか。
ハチミツは健康食品として
見直されていますが?
  
 ハチミツ以外の糖分や添加物が混ざっておらず、加熱処理もされていない天然のハチミツにはビタミンやアミノ酸の他に鉄分、カリウム、カルシウムなどのミネラルが豊富に含まれているので、健康食品としては申し分ありません。天然ハチミツには殺菌効果があります。ヨーロッパでは火傷や切り傷などに薬としてハチミツを塗る習慣がある程です。特にマヌカと呼ばれるニュージーランドの高山に自生するフトモモ科の低木植物の蜜は、殺菌力に優れていて、新聞や雑誌などで取り上げらる機会が増えています。マヌカの殺菌力は、ニュージーランド国立ワイカト大学の研究によって、その効果が証明されているもので、商品のラベルにはUMF10+、20+と表示されていて数字が多いほど効果が高いとされています。UMFとはワイトカ大学が認定している唯一の認証マークです。マヌカハチミツは薬のようなもので、同じハチミツでも一キログラム数百円で買えるはちみつとは違います。「加糖」と表示されたり、高温で熱処理されていたりするハチミツには同様の効果は期待できないと思います。マネカの殺菌力は胃潰瘍や胃癌の原因とされるピロリ菌にも効くといわれています。けっして安くは有りませんが、ハチミツが本来持っている栄養分や殺菌力の効果を得るためには、良質のハチミツを選んで購入する必要があります。
 四ヵ所の店舗・売り場を訪ねて気付いた事は、「公正取引マーク」が見当たらなかった事である。いずれも天然・無添加などにこだわった商品を販売しているお店である。ハチミツが本来持っているビタミン、鉄分、カリウムなどのミネラルをそのまま含むハチミツを、自信をもって売っている訳である。
「公正取引マーク」の不思議
 これらの店に全国はちみつ公正取引協議会の「公正取引マーク」の貼られた蜂蜜はひとつも売られていなかった。商品によってマークを使い分け、「公正取引マーク」を付けたり付けなかったりしているのだ。「マーク」の有無で売上げに差はつかない。
 商品に「公正取引マーク」を付けると、一枚ごとにマージンを全国はちみつ公正取引協議会に支払う仕組みになっている。一枚は一円、二円と言った安いものではないので、コストや利益を考え、商品によってマークを付けたり付けなかったりしているようだ。こうした対応をしている企業は少なくない。「公正取引マーク」は全国はちみつ公正取引協議会会員の証しでしかない。「純粋」はちみつを見分ける目安となるが、会員だけしか拘束されない。
 親会社は協議会に加盟していて「公正マーク」を使用しているが、子会社は協議会に加盟せず、「公正マーク」も使用していないといった企業もある(業界筋の話)。
他社は他社、自社は自社
 訪れた専門店は、店内で扱う商品について自信を持って推奨していた。そこで、「公正取引マーク」の貼られた一キログラム三百八十円のハチミツとどこが違うのか、具体的に聞いてみた。するとどのお店からも同じような答えが返ってきた。
 当店のハチミツとは目安となる基準が異なっていますが、全国はちみつ公正取引協議会の基準を守って販売されているハチミツなので、何の問題もありません。ハチミツに限らず他所の商品についてどうこう言うことは相手に失礼ですし、商売をしている者がすることではありません。他所との違いを聞かれても困ります。同じハチミツなのにどうして値段が違うのか。「純粋」ハチミツがどうして一キログラム三百八十円で売ることができるのか分かりかねます。他所の製品の製品と比較する事は適当ではありません。違いについては、全国はちみつ公正取引協議会に問い合わせた方が良いでしょう。
 ハチミツというたった一種類の商品を扱う業界である。同業他社と波風を立てることは、自社の存亡にも少なからず影響するのであろう。ただ、他社を批判しない毅然とした態度の裏には、「他社は他社、自社は自社」といった商品に対する絶対の自信が裏付けされているのだろう。
 ところで、本物嗜好のお店では商品に対する自信からか、すべてのお店で試食をさせてくれる。ティースプーン半分ぐらいの量だが、なるほど食べくらべてみるとそれぞれ色や香りが違う。雑誌やインターネットをきっかけに来店する客が多いようだが、「安いハチミツはもう買えない」とその味の虜になって再び店を訪れるリピーターも少なくないそうだ。小生も薦められるがままに試食させて頂いた。そのおいしさに抗うことは出来ず、アカシア、そば、マヌカ、みかんのハチミツを購入してしまった。それぞれ百グラムちょっとの小瓶に入れられているが、いずれも値段は千円前後するもので財布には厳しい取材であった。
(注一)スローフード
 ファーストフード、食品添加物、遺伝子組替え食品などを見直し、地域の食を再発見する。食がもたらす喜びを感受し、質の良い素材を提供する生産者を守る。農業から食文化まで網羅する運動。
(注二)ロハス
 大量生産、大量消費による物質的豊かさを見直し、環境・人間・社会へのやさしさ、精神的豊かさを追求する運動。直接・過激な集団的行動ではなく、自分を犠牲にせず、出来る範囲で行動する。(取材・ハチミツ取材班。まとめ、ジャーナリスト・坂口弘)



平成18年(2006年)7月31日(第277号)
検査方法、監視体制の不備は常識!?
「協議会」主要メンバーの主張


 (社)全国はちみつ公正取引協議会の理事などを務める六社からハチミツについて意見を頂戴した。取材に応じた各社は、いずれも自社は協議会の基準を満たしていると答えた。しかし、第三者による検査手段や監視体制が確立されていない状態では、協議会の基準がきちんと守られているのか消費者が判断するする術はない。
 また、不正表示については、承知している企業と承知していない企業とに分かれた。承知していない企業によると、理事を務める企業であっても「不正表示を取り締まる義務や権限はない」らしい。取材を通して検査手法や監視体制の不備が浮かび上がってきたが、こうした状況は養蜂業界では広く知られた「常識」であるらしい。
 (社)社全国はちみつ公正取引協議会には、消費者に表示の規定を十分に説明し、養蜂業界の「常識」を改善することを強く望むものである。
加盟各社に直接取材
(前回に続き第二弾)

 当社は(社)全国はちみつ公正取引協議会の規約を遵守し、きちんと成分表示している。協議会に加盟していない一部の業者が不正な表示をしたハチミツを販売しているという話を聞いた事はあるが、協議会の「公正マーク」のあるハチミツにはそのような問題はない。(社)全国はちみつ公正取引協議会に加盟している業者は百社くらいしかない。(平成十八年三月一日付・正会員百十二社・賛助会員七名)加盟数が少なく業者同士の交流もあるので、不正表示などをすればすぐにわかる。
 不正の噂が広まれば信用問題に関わるので、協議会の中にそんな危険を犯してまで不正表示をする業者はいない。消費者は協議会の「公正マーク」を信頼し、安心して購入して欲しい。日新蜂蜜ではこうコメントしている。当社は小さい養蜂業者なので、生産したハチミツの約九割を小売で販売している。ずっと以前に数週間だけ商業登記した会社が、不正表示したハチミツを短期間に大量に販売して売り逃げたと言った話を聞いた事はあるが、ここ十年はそのよううな業者の話を聞いた事はない。しかし、このような業者がいないからといって何も引かず何も加えない、混じりっけなしの百パーセント純粋なハチミツだけが「純粋」として販売されている訳ではない。ハチミツを取り扱う協議会は、(社)日本養蜂はちみつ協会と、(社)全国はちみつ公正取引協議会があり、前者は生産者を中心とした団体で、後者は流通・販売業者を中心とした団体と言われている。団体の性格が異なるので致し方ないのかもしれないが、表示に関する基準はそれぞれ異なっている。(社)全国はちみつ公正取引協議会では、純粋・天然・完熟・pureなどと類似の意味内容を表示する場合には、「純粋」または「pure」に統一するとした上で、「純粋」または「pure」の文言は精製はちみつを使用したもの、または、添加物を含むものに表示してはならない、と規約で定められている。
 一方、(社)日本養蜂は、はちみつ協会には「国産天然はちみつ」に関する独自の規約がある。また、いずれの団体にも加盟していない業者には、上記規約は適用されない。このような状況では、消費者が百パーセント純粋なハチミツを購入しようとする場合、パッケージや成分表示は必ずしも参考にはならない。百パーセント純粋なハチミツを手にする有効な手段が消費者に十分講じられているとは言えない。ハチミツの入った加工食品や飲料には精製ハチミツが使用されている。精製ハチミツは「雑はちみつ」から色や匂いを取り除いたものであるが、加工する過程でビタミン・ミネラルといった栄養素も失われている。消費者が精製ハチミツを使用した加工食品や、飲料からも「はちみつ」本来の栄養分が摂取でき、健康にいい・体にいいと誤解している可能性は少なくない。パッケージには「精製はちみつ」ではなく、「はちみつ」とだけ表示されている場合が多いため、消費者はなおさら誤解するのかも知れない。しかし、砂糖は多糖類なので体内でブドウ糖と果糖に分解しなければならないが、精製ハチミツは「はちみつ」と同じ単糖類なので、胃や腸に負担をかけずに消化できるという「はちみつ」の特性を有している。糖分としての「はちみつ」の良さは損なわれていないわけだから、「はちみつ」と表示しても良いと私は考えている。ある有力企業はこう答えている。
外国と日本とはここが違う
 「はちみつ」を論ずるとき消費者やマスコミには大きく分けて二つの見解があると思う。一つは何も足さない何も引かない百パーセント純粋な「はちみつ」でなければ「はちみつ」ではないとする見解。もう一つは「はちみつ」に他の糖分を加えたものも「はちみつ」ではあるが、糖分を加えた旨の表示はきちんとしなければならない。不正表示は許されないとする見解だ。前者は欧州など外国の基準に多く、後者は日本独自の基準であると言われる。現在の歴史を踏まえれば、日本では糖分を加えたものは「はちみつ」として扱わなければならない。これを前提にした場合、業者は表示違反をしない業者と、表示違反をする業者の二つに分かれる。問題になるのは、もちろん表示違反をして販売する業者だが、表示違反を見分けることは検査手法と監視体制の両面から難しい。検査手法は一昔前と比べれば格段に進歩している。液糖・水あめを単純に加えた場合、糖度・PH・水分比率などの組成基準を調べることで、混入の有無や度合いがすぐに分かる。だから、単純に液糖・水あめを加えたものを「純粋はちみつ」と表示して販売するケースは少なくないと思う。やっかいなのは異性加糖である。異性加糖は主にトウモロコシの酵素から取れる糖分であり、本来は「はちみつ」に含まれていない糖分だから、混入の有無だけを検査する事は比較的簡単だ。しかし、検査では極めて少ない量の異性加糖に反応してしまう。異性加糖液はジュースやお菓子にもつかわれているから、道ばたにおかれた缶ジュースなどを蟻がえさにすると検査に反応してしまう。つまり、異性加糖を故意に使用したのか、偶然混入したのかを判断する事は難しいのだ。また、異性加糖を使用することについては国際基準である、コーデックスで規制されていないため、協議会の基準を満たしていれば、異性加糖を加えたものであっても「純粋」と表示することに対して、業者は抵抗感を余り感じていないのかも知れない。表示違反を監視するのは、保健所や農林事務所といった機関の役割だと思うが、こういったところは「はちみつ」の表示違反については、ほとんど把握しておらず、十分な検査もしていないのではないか。消費者からの苦情や疑問については、いわゆる消費者センターが受け付けていると思うが、積極的に取り組んでいる様子は窺えないし、消費者からの問い合わせもそれほど多くはないと思う。不正をはたらく業者は、こういった検査手法や監視体制の不備を熟知しているので、不正表示された商品が出回っていることになる。
 これも協議会の有力者のコメントである。ジャーナリスト・坂口義弘




平成18年(2006年)6月30日(第276号)
(社)社全国はちみつ公正取引協議会に不信
加盟六社(理事ら)取材に応じる!


 各省庁は、口を開けば「食の安全」を国民に訴えている。しかし、国民が省庁を信頼し安心しているかといえば、はなはだ疑問である。
 輸出する国も、あの手この手を使っている。例えば、三角貿易が行われたら「食の安全」はお手上げである。牛肉の問題にしても、BSE問題でアメリカと貿易摩擦がいつ起きても不思議ではない状態にある。アメリカ産の牛肉は七十二パーセントがメキシコに輸出されている。メキシコはBSEが発見されていないので、メキシコから日本に輸出されている。ところが、メキシコ産の牛肉にアメリカ産のラベルが貼ってあったという笑えないニュースがある。これが三角貿易である。
 ハチミツ業界も、日本が規制を厳しくしたため、中国からハチミツが輸入できなくなった時期がある。卸売業者、販売業者らは倒産すると大騒ぎをしていた。だが、ハチミツが不足した話は聞かない。三角貿易が公然と行われていたということである。
 「岩のり」の「天然」「養殖」の問題で、公取委から排除命令が出たとたん、東急、西友などの大手スーパーの店頭から岩のりが消えた。卸売業者も販売業者も取引口座があるはずであり、品質の管理確認もしないで消費者に販売しているのだろうか。「ニセ物」を販売してぼろ儲けした販売業者は無罪放免なのか。責任は問われないのか。消費者から見れば、ニセ物を天然物と証して高額なものを買わされたのである。「害にならない」で片づけていいのか。
 この原稿をまとめていたある日、正確には二〇〇六年年五月二十九日、日経新聞に株式会社日本サンガリアバレッジカンパニーなる企業が「お詫びとお知らせ」を掲載していた。昭和二十六年設立の健康飲料会社の老舗である。内容は、同社の果樹百パーセント商品に加糖・酸味料表示の欠落があるとの指摘を受けた。調査の結果、改正の必要があると確認、自主回収をする、というもの。健康飲料会社にも真面目な会社があるということで、ホッと胸を撫で下ろす心境だ。早速取材を試みた。
質問 公取委の葉排除命令があったのか。
応答 排除命令ではなく、自社独自の調査の結果、事実が判明しましたので、自主回収を決断しました。お客様があっての当社です。お客様との信用を第一にしたい。
 誠意ある行動こそがルール≠ナあり販売会社と消費者との信頼関係と言うべきものであろう。

はちみつ協議会
加盟各社に直接取材

 さて、全国はちみつ公正取引協議会の野々垣会長は、理事の中からも「会長に相応しくない」との意見が聞かされる。理事会の開催は形だけ。野々垣会長が前もって案を作り強引に決定するのが、ワンパターンという。では同会の役員はすべて能無しで人材は皆無なのかというと、そうではない。今回、同会の理事、幹事、相談役にハチミツに関するあれこれを質問してよく判った。取材に応じた理事、幹事、相談役(以下、会社とする)は六社、取材に応じなかった会社(拒否・担当者不在・協議会に聞いて欲しい)は十八社。取材に応じて下さった各社に、紙上を借りて御礼申し上げたい。
 「ハチミツは栄養素・保在性とも、非常に優れた商品なので、添加物といったものを加えて販売することなどあり得ません。当然、コストは高くなり、売り難くもなります。純粋ハチミツに液糖を加えたものが安く市場に出回っています。全国はちみつ公正取引協議会に加盟している業者の場合、表示規定に沿って加糖ハチミツとして販売しています。加糖ハチミツを純粋ハチミツとして販売していると言う話は聞いたことがありません。消費者が純粋ハチミツと加糖ハチミツを見分けるポイントは、ラベルと成分表示です。ドラッグストアなどで販売されている非常に安価なハチミツは、原料単価を考えれば純粋ハチミツではあり得ないと判断できます。非常に安価なハチミツは、加糖ハチミツと表示して販売しているはず。ずっと以前は、液糖が多いといろが薄くなるので加糖かどうか見分ける場合、ハチミツの色もポイントになったのですが、アカシアの花などきれいに透き通っており色では決め手にはなりません。全国はちみつ公正取引協議会には、細かい表示規定があり、規定がしっかり守られているので、協議会による『公正マーク』の入ったハチミツであれば問題はありません。協議会に加盟している業者しか許されていないマークなので『身内に甘い基準ではないのか』と指摘されることもありますが、加盟している業者でも基準を満たしていない商品もあるにはあります。例えば『公正マーク』は輸入ハチミツには使用できるが、国産ハチミツには使用できないという規定。
 当社では加糖ハチミツは扱っておらず、中国のブレンドで、純粋ハチミツの小売を中心に販売しています。一部を西友などのスーパーに卸しており、当社のハチミツは西友でファインセレクト、ポットマークといった商品名で販売しています。その際、当社の表示はなく『西友ブランド』で販売しています」(同会相談役・埼玉養蜂)。
 「水アメなどを混ぜたハチミツをハチミツを純粋ハチミツとしている業者がいるとは、聞いた事がありません。協議会の基準を満たしていれば『純粋』と言えます。
 協議会に加盟していない一部の業者が不正表示をしてるのかもしれない。ですが、協議会は注意する程度で、取り締まる権限も義務もありません。『純粋』を気にしているのは、熱心な消費者だけで、協議会の基準を満たしていれば問題ない。飲料や加工食品に精製ハチミツが使われるのは、ハチミツをそのまま使うと濁りが出て使いづらいということが大きな理由。それを精製ハチミツと表示するかあるいは単に「ハチミツ」と表示するかは、飲料・食品メーカーの判断。養蜂業者にとっては、どうでもいいこと。精製ハチミツを使用することについては、JAS法でも特に決まってないし、そうしたことまでは消費者も知らない。
 ハチミツを取り巻く問題を何とかして欲しいと思っている消費者はいるのだろうが、現状は法的に何ら問題なし、と言いたい」(同会幹事・菓子総合技術センター)。
 相談役・幹事ともなれば、発言に自信をうかがわせる。
 「わが社では、不正表示などやらない。よそが混ぜ物をした安いハチミツを高く売っていても、混ぜ物をしたり濃縮したりしたハチミツを安く売っていても、よそはよそ、うちはうち。ハチミツ本来の良さが損なわれた商品を売る気にはなれない。
 うちは、恥ずかしくない商品を作り続けることを誇りにしている。不正表示をしている業者がいるのは本当の話だが、協議会に加盟している業者が不正しているとは聞いた事が無い。うちでは、中国からの輸入ハチミツには中国産と表示し、国産のハチミツには国産と、産地についてもきちんと表示している。産地の偽装なら、協議会に加盟している業者でもやっているかも知れない。ただし、具体的な事例は知らないので断言はしません。精製ハチミツは、ハチミツから色や匂いを取り除いたものですが、色や匂いと一緒に栄養素も取り除かれている。ハチミツをそのまま加工すると、濁りが生じるので、加工しやすい精製ハチミツが重宝がられているのです。その上、協議会が認めているので法的な問題はないだろう。
 だが、協議会が認めればなんでもハチミツになってしまう。精製ハチミツをハチミツとして扱うことには、私自身、違和感を覚えるのですがね」
 ある有力企業は、このように語っている。ほかにも取材に応じた企業があるのだが、紙面が尽きてしまった。次号に掲載したい。
山田養蜂所は
広告虚偽=I?

 ところで、ある有力筋からの情報によると、以前からマスコミでよくPRしている山田養蜂所は、本社のある岡山県で養蜂していない。というのだ。同社は協議会の理事であり年商ではトップクラス。
それが広告の虚偽≠ェ噂になっているというのだから、聞き捨てならない。
直接、インタビューしなくてはならない。
 ところが、担当部長が外出中との理由で取材に応じてもらえない。台湾で契約養蜂をしているとのことだが、これも真偽のほどは定かではない。同社のカタログには、かなり年輩の男女の働く姿が映されている。ハチミツの仕事は、若者ではなくてはできないのではないか。これも合わせて取材したい。次号、乞うご期待。(取材・インタビュー・本紙・楠本編集長とハチミツ調査プロジェクト。まとめ、ジャーナリスト・坂口義弘)




平成18年(2006年)5月31日(第275号)
(社)社全国はちみつ公正取引協議会に不信
官民癒着の談合犯罪!?


 日本のはちみつ愛好家は、はちみつ業者、はちみつ販売業者に騙されているといっても過言ではない。はちみつには「精製はちみつ」「加糖はちみつ」「純粋はちみつ」の三種類があるが、農水省が「分析できない」という三種類の違いを消費者が自分で見極めることは、容易なことではない。消費者は、官民癒着構造の中にある「はちみつ業者」のパッケージと中身の一致という良識に期待するしかないということである。
 公正取引委員会から言えば「健康食品は害にならなければ良い」という事であるのだが、分析できないものを自主規制団体である「(社)全国はちみつ公正取引協議会」が「はちみつ類に関する公正競争規約」を都合よく変更し、それを公正取引委員会が認定しているのだから、このような認定には根拠はまったくない。消費者の立場からすれば、再三にわたり記しているが、「パッケージと中身は一対でなければならない」のは至極当然のことである。公正取引委員会は「パッケージは公取委の管轄であるが、中身は農水省の管轄だ」と言って逃げる。農水省は「分析できない」と言って逃げる。公取委と農水省は協議もしていない。正に官民癒着である。
 小紙は農水省が分析できないというものを公取委が認定する根拠は何なのか、どうしても納得がいかない。公取委の言う「害にならなければ良い」などとの暴言で済む話ではない。食するのは不特定多数の国民である事を公取委は認識しているのか、それとも、天下り先だから手心を加えているのか。真面目にハチミツを生産している業者は、ハチミツを使っている多岐にわたる業界に営業すると、「害にならなければ良いのだから、安いハチミツでなければ買えない」との事である。販売業者は「はちみつ」というパッケージが使えれば良いと言うことになる。
 従ってハチミツはピンからキリまであり、「純粋はちみつ」と「まがい物」の「はちみつ」では、単価の勝負にならない。消費者はハチミツと記してあれば安いハチミツを買うのは当たり前であり、ハチミツ入りと記してあれば体に良いと思うのは当然である。それを逆手にとったはちみつ販売業者は消費者をナメているとしか言い様がない。正直者が馬鹿を見る詐欺師まがいの業者が横行する現実は嘆かわしい限りである。いつの世も被害者は消費者である。野々垣氏よ、「精製はちみつ」「加糖はちみつ」など、ハチミツとは認められないと小紙は断言する。
 ハチミツを多岐にわたり使用している販売業者も、「精製はちみつ」を使用していることを認めており、この場合、使用割合を明記すると協議会は規約で記しているが、現実には、単に「はちみつ入り」としか記載されていない。これは表示義務違反にはならないのか。「アピ」の飯沼氏は、「精製はちみつ」の使用割合の表示は販売業者の問題と断言しているが、大手飲料会社、医薬品会社などが消費者を騙している現実に対しどう責任を取るのか。
 偽装はちみつに偽装産地の表示。世の中偽装だらけ、さらには政治家を使いまさに無法地帯である。
健康飲料・医薬品等に使われ
ている「精製はちみつ」表示
疑惑

 「精製はちみつ」の定義及び商品名への併記義務付け等の規約変更に関して、平成十四年十月八日に「はちみつ類の表示に関する公正競争規約」の一部変更の認定等について、公正取引委員会が認定し、その旨を十月九日の官報に告示することとした。今回の規約変更は、食品表示の一層の充実が求められている状況を踏まえ、表示の適正化の観点から所要の変更を行ったものであり、施工規則の一部変更も併せて行ったものである、と記している。

「精製はちみつ」「加糖は
ちみつ」の定義及び商品名へ
の併記義務付け等


 はちみつから匂いやい色等を取り除いたものを「精製はちみつ」と定義し、「精製はちみつ」を使用した場合の商品名併記及び使用割合を義務付けた(規約第二条、施工規則第二条二項一号)。
「純粋」表示の厳格化
「純粋」と表示できるはちみつは精製はちみつを使用せず、かつ、添加物を一切加えないものに限定した(施工規則第三条一項)。
右記、「はちみつ類の表示に関する公正競争規約」の一部変更を決議し、公正取引委員会がそれを追認しているのが現状である。
「精製はちみつ」の規約を右に記したが、「ハチミツ」がもつ優れた栄養分、ミネラル・タンパク・ビタミン等は「精製はちみつ」を加工する過程において、全て取り除かれる。果たしてこのような「精製はちみつ」をハチミツと呼べるのか大いに疑問である。「健康飲料」「医薬品」「はちみつ入り梅干」等、「精製はちみつ」の加えられた商品が多岐にわたり「はちみつ入り」と称して販売されているが、消費者は「精製はちみつ」〓「はちみつ」〓体に良いと考えているのであれば、それは大きな間違いである。なぜなら既に述べているように、「精製はちみつ」は単糖類とよばれ、消化官からの吸収が早くすばやく血糖が上がる。急激な血糖上昇は糖の処理がうまくいかず、糖尿病の人には不利に働く。肝臓病の人には、中性脂肪生産を増加させる作用もある。「精製はちみつ」「加糖はちみつ」「純粋はちみつ」の違いについて消費者はどう見分けるのか、パッケージを信用するしか判断する事は不可能である。公取委は消費者に誤認を与えないため、パッケージを厳正に指導していると言うが、中身については関知せず公正取引協議会の言いなりである。

読者からの怒りの声
「業界ワンマン・野々垣氏よ、
さあ答えろ!


 「健康食品を認定しているのに、何故、厚生省に対し取材をかけ抗議をしないのか。貴紙が書いていることが真実であれば、ふざけた話である」と、読者の方から延々一時間もお叱りを受けた。本来なら、野々垣氏が叱られるべき問題である。
 「健康食品」に対し説明するが、なかなか判って頂けない。そもそも、広辞苑で調べてみても「健康食品」という単語がない。では「健康食品」とは何か。厚生省に取材をしてみた。「健康の保持増進に資する食品として販売、利用されているもの」を総称して健康食品と呼んでいる。国が確認しているものもあるが、「健康補助食品」「栄養補助食品」「栄養強化食品」「健康飲料」「サプリメント」などは、国が効果を確認したものではないとの事である。
 大手スーパーへ足を運んだと言う読者は、「はちみつ」を見ていたら「本物」が一つも無いように思いました。国際新聞社の記事を思い出しながら探しましたが、どれも非常にきれいで(見た目)沈殿物などありませんでした。消費者(素人)の目で見ると、沈殿物がないほうが衛生的に思われますが実は体に悪い。しかし、殆どが「純はちみつ」と表示されていますね。厚生労働省は何を基準にして健康認定しているのでしょう? 中国から農薬まみれの野菜を輸入したり、アメリカのずさんな牛肉を許可したり……。これからも頑張ってください。と激励もある。

業者間には取引口座がある
が、品質管理はどうなってい
るのか!

 先月号でも述べたが、(社)食品岩のり公正取引協議会の副会長はインタビューに対し、公取委から排除命令が出たとたん、西友・東急などの店頭から岩のりが消えたと答えている。公取委は排除命令を出しているが、大手スーパーは蜘蛛の子を散らすように店頭から商品を引き上げているが、引き上げてしまえば済む問題ではない。業者間において取引口座があり、商品に対し責任を持つのが消費者に対する誠意ではないのか。大手スーパーを信用し、今日まで「養殖のり」を「天然のり」と信じて食した消費者はどうするのか。四大紙に詳細を記し、消費者にお詫びをしても良いのではないか。筆者はお詫び広告を見てないが見落としたのか。消費者に対しお詫びをしていないのなら、詐欺商法と言われても仕方がなかろう。ハチミツ業界も消費者から見れば、同じ悪の構図である。(取材・インタビュー、本紙・楠本編集長とハチミツ調査プロジェクト。まとめ、ジャーナリスト・坂口弘)



平成18年(2006年)4月30日(第274号)
最大手アピ「本社」を直撃取材
野々垣孝社長またも遁走?


 小紙「国際新聞」は、これまでハチミツ業界が消費者の健康に貢献すべきであると力説してきた。
 野々垣孝・全国はちみつ公正取引協議会々長にも、小紙を通じて何度も訴えてきたことは、読者諸氏にもお分かりいただいていると思う。ところが、野々垣会長はインタビューに応じないばかりか明らかに逃げているのだ。やましいことがなければ堂々と論陣を張るべきではないか。逃げるばかりでなしに、全国はちみつ公正取引協議会(以下、公取協議会)の顧問に議員センセイを持ってくるという不可解な行動に出た。さらに「はちみつ蜂産会」なる政治団体を作り、自分たちが出来ないことを国政レベルにおいて活動していくとまで公言している。なぜ「ハチミツ」が「国政レベル」で活動しなくてはならないのか。
 四月四日、あくまでも逃げる野々垣会長を、岐阜県に本社のある業界最大手「アピ」へ直撃取材した。アピは、野々垣氏が社長をつとめている。ところが、本社では「取材には応じられない」と玄関払い≠フ構え。それなら、広報担当に会わせていただきたい旨申し入れる。
 決して面談・インタビューの強要ではない。重要な難問を活字にするからには、然るべき人物に会うのが礼儀であり仁義≠きるのは常識と言うもの。
 現れたのは、飯沼克樹・総務部次長。外部の取材に対して総務部員とは、いささか腑に落ちないのだが、いたしかたない。
楠本記者(以下・記者) 野々垣社長に取材をお願いしたく東京から来たのですが。
飯沼 本日は(社長は)商用で出かけています。どのような取材ですか。
記者 小紙は、ハチミツ業界の正常化のために、問題を提起し、連載を行っている。野々垣社長は(社)全国はちみつ公正取引協議会の会長職にある。疑義があるので、ぜひ社長に会いたい。
飯沼 私で答えられることには、応じます。
記者 平成十七年五月二十七日に「はちみつ蜂産会」なる政治団体を結成し、野々垣社長が会長になっている。ご存知か。
飯沼 はあ。
記者 「はちみつ蜂産会」なる政治団体は、政界活動を田村(憲久)議員にお願いすると記しているが、田村議員に何をお願いしているのか。
飯沼 判りません。
記者 では「精製はちみつ」に関し、製品に定める重量の割合を商品に記すると協議会は掲げているが、「精製はちみつ」入り健康飲料には「はちみつ入り」としか記していない。表示に疑義があるのではないか。
飯沼 それは、飲料会社の問題ではないでしょうか。
記者 アピは取引企業に対し、精製はちみつの使用表示を徹底しているということでよろしいですね。
飯沼 マスコミは公器ですので、喋れば書かれますので……。
記者 貴社は不特定多数の国民に、健康飲料を提供している。これは、まぎれもない事実であり、「喋れば書かれる」というのは不自然である。
飯沼 アポイントもなく、いきなり来社されても専門的なことは答えようがない。会社の概要などであれば用意できますが、他のことは判りかねます。
記者 アポを取らずにと言われるが、野々垣社長には再三にわたり取材のお願いをしてある。
飯沼 ……。
記者 アポを取っても連絡が取れない。公開質問状を出しても受け取り拒否をされていますが。公益法人の会長として如何なものか。
飯沼 そのような経緯は、知りませんでした。
記者 協議会は「精製はちみつ」の割合を健康飲料に記すと掲げているが、健康飲料に記して無い企業は、企業側の責任ということでよろしいですね。
飯沼 とにかく、専門的なことはよく判りません。
記者 伊藤園、サントリー、コカコーラ、キリン、サッポロ、ダイドウドリンク、ポッカ、大塚製薬、大正製薬などは、健康飲料や医薬品として使用しているが、表示に疑義があるということで企業側の責任を追及させていただきます。
飯沼 ……。
 アピ本社を、岐阜県に訪ねるにあたり、大いに期待し収穫を得ることと胸をときめかせていたのだが、結果は右記にみるとおり。年商二百億円を売り上げる企業の対応とは思えない、ふざけたものである。
誠意示さぬ田村議員
 田村憲久衆議院議員も、野々垣氏同様、まるで誠意のかけらもないのはいったい何と表現していいのか。議員の受付の女性は、「いない」「判らない」を繰り返すばかり。秘書にでも会いたい旨申し込むのだが、同じ答え。こんな譬えはどうだろう。「お父さんに会いたい」という人がいる。「父は、何時ころには帰る」と答えるか、あるいは、「帰ってきたなら、伝えるので、お名前とご用件をどうぞ」というのが常識というものではないか。受付の女性の対応一つで、議員の品格が問われよう。小紙は、取材を強要しているわけではない。ただ、取材を受け付けてきちんとした回答をする立場に田村議員はある。やましいことがなければ受けてたつのが筋というものだ。ここまで言わせるな、田村議員よ。
「岩のり」表示排除命令
 三月二十三日、天然のりに用いる「岩のり」の表示を、養殖のりをを原料とした味付けのりなどに使用したのは、景品表示法違反(優良誤認)にあたるとして、公取委は日本生活共同組合連合会など九業者に排除命令を出した。
 公取委は同日、業者団体「(社)食品のり公正取引協議会」に、こうした表示をしないよう要望した。同公正取引協議会の副会長は、小紙の取材に対し「一罰百戒であり当然のこと」と答えている。公正取引協議会は、公正・透明性を期さなければならない。今まで、西友・東急などで、まがい物が販売されていたが、排除命令が出されたとたん、店頭から消えたと言っている。翻って(社)全国はちみつ公正取引協議会は、公取委の認可団体であり役員は公取委の天下りである。
 全国はちみつ公取協議会が排除命令を受けないのは、癒着があるからではないかという声もある。「まさかそんなことはあるまい」と、小紙では半信半疑である。
(取材・インタビュー、本紙・楠本編集長とハチミツ調査プロジェクト。まとめ、ジャーナリスト・坂口義弘)



平成18年(2006年)3月31日(第273号)
野々垣孝全国はちみつ公正取引協議会々長、
田村憲久議員が逃げるナゾ≠ノ迫る


「全ての食品の表示 が信じられない」

 決して、手前ミソでうぬぼれているわけではない。小紙への相談・激励・拍手が日を追うごとに激増しているのだ。「国際新聞の記事は本当でしょうか?もし本当なら、厚生労働省あたりが本腰を上げるべきですよね。それとも何か圧力があるのでしょうか。めげずに頑張ってください」「ハチミツをパンに付けて食べるのが好きだったのに……。食べるの躊躇しちゃいそうです」「ハチミツの記事は、ネットで拝見しました。天然のハチミツは、どう見分けるのでしょうか。協会が天然でなくても、天然であるというお墨付きラベルを提供しているなら、もはや消費者は自分を守る術がないのでは。何やら、ハチミツ業界だけでなく、全ての食品の表示が信じられなくなります」。
 これらの声は、ほんの一部である。読者の中には、もっと過激な意見や公正取引協議会への苦情もあるのだが、省かせていただくとして、素朴な疑問、当然の声である。ハチミツ業界にも、良識のある企業もあろう。消費者が求める良質のハチミツを提供しなければ、いずれ自分の首を自分で締めることになる。
 さて、「健康食品は安全か」という観点にたって、小紙は連載を続けている。ハチミツ業界の指導的立場にある大ボス*々垣公正取引協議会々長に、再三にわたって取材を申し入れてきた。だが、小紙の質問に対し、あざ笑うかの如く無視されている。もしも多忙で会えないというなら、それもいいだろう。面会を強要をするつもりは、さらさらない。そこで、公開質問状に答えていただくと言う手もあろうと、配達証明で送ったのだが、なんと受け取り拒絶で返送されてきたのだ。なぜ、野々垣会長が小紙の質問に答えないのか、ナゾは深まるばかり。まさか、後ろめたいことなどがあって、答えられないというわけではあるまい。野々垣会長に申し上げたいことは「消費者の立場に立ってハチミツを提供していただきたい」これだけである。
 小紙が、ハチミツ・ローヤルゼリー業界に求めているのは、この一点であるといっても過言ではない。「健康食品」と言えば「自然の恵み」と言う先入観があり、先人の知恵もあり安全であるという先入観は消えない。消費者の素朴な「健康食品」に対する考えを逆手にとり、消費者を騙していると言われても仕方あるまい。現実に「アガリスク」を飲用して死亡者が出ていることも事実である。「アガリスク」は肝臓病・ガンの抑制に効能効果があるということで、藁にもすがる思いで「アガリスク」を愛用していたのではないか。ところが、厚生省の動物実験の結果、ガンの抑制どころかガンの促進が確認されたのである。小紙の編集長も肝臓に自信がないところから、東京医大で定期健診を受けている。インターフェロンで完治した。それ以前は、多忙のため病院通いもままならず、一箱五万円もする「アガリスク」を愛用していた。が、完治することはなかった。編集長の友人も「アガリスク」を愛用していたが、回復どころか入院中だ。専門的な知識を持たない消費者が、素材の安全性や有効性をチェックするには限界がある。健康食品の安全性の確認は企業まかせで、国のチェック機能が働いていない。効能効果の真偽も疑わしい。くどいようだが、「痩せる健康食品」「アガリスク」など、人の弱みにつけ込み、莫大な利益を上げている企業を放置するわけにはいかない。因みに、健康食品市場は約一兆三千億円と言われている。
沈黙の野々垣会長はハチミ ツ業界から退陣せよ!
 さて、消費者にとって天然∞本物≠フハチミツを愛用したいというのは、切実な願いである。「国際新聞の今回の追跡取材を契機に、健康食品を消費者が安心して愛用できるよう、行政にも働きかけて欲しい」と、今にも泣き出さんばかりの消費者の声に、編集部一同、勇気が沸いてくる。また、ハチミツ業界の販売会社から「業界が拝金主義に陥ってはいけない」と、資料などを送付してくれるありがたいケースもある。業界の皆が皆、金儲けのためには法に触れなければいい、見つからなければいい、としているワルばかりではない事に救われる思いである。儲け主義に徹し、消費者を騙す業者は、正に神をも恐れぬ所業であると言われねばなるまい。小紙からの質問・取材に対し、拒絶し続ける野々垣会長よ、貴殿は公開質問状に答えようともせず逃げるのはなぜか。貴殿は、公益法人の代表である。だが、消費者の素朴な疑問にさえ答えないのは、もはや公益法人の代表として失格である。
 公正取引協議会の野々垣会長が、小紙の質問に対し、答えようとしても、答えられない理由を列挙してみたい。

 平成十七年五月二十七日に(社)全国はちみつ公正取引協議会々長の野々垣氏は「はちみつ蜂産会」会長となり、この団体を政治団体として届出を行っている。「はちみつ蜂産会」なる政治団体を使って、厚生族の田村憲久議員に対し、自分たちが出来ないことを国政レベルにおいて活動して頂くと広報し、業界に賛助金をお願い≠オている。田村議員は政界でいったい何をしようとしているのか。野々垣会長は田村議員に何を求めているのか、ぜひ、知りたいものである。

 「加糖はちみつ」は、公正取引協議会の競争規約の中でハチミツ6、異性加糖4としているが、割合が分析できない。小紙は農水省にハチミツを数種類持参し分析をお願いすると、二週間で分析の結果を出すとの約束であったが、結果、分析は出来ないとの事である。公取委は、「中身に関しては農水省の管轄」と言明しているが、分析できないと言うことは公取委の認可、パッケージに疑義があり、パッケージの根拠もないと言うことにはならないか。

 「アピ」の野々垣会長が一番恐れているのは、「精製はちみつ」の実態を暴露されることである。「タンパク」「ビタミン」「ミネラル」など、ハチミツが持つ成分が全て除去されている。その「精製はちみつ」を「はちみつ入り」と称して大手飲料・製薬会社と結託し、莫大な利益を上げている。消費者が求める「はちみつ」とは、ほど遠いものがある。

 協議会の競争規約の中に、「精製はちみつ」の重量の割合を表示する事と記しているが、大手飲料会社の飲料の表示には「はちみつ入り」としか表示していない。表示規格違反の容疑が濃厚である。はちみつ入り飲料は「精製はちみつ」が使用されている。これは、編集部が断言する。

 公取委は「健康食品」は「害にならなければ良い」と言っている。だが、現実に、健康食品を愛用して死亡者が出ている。この様な問題に関し公取委発言の責任はないのか。「精製はちみつ」は、害になる恐れが十二分にあると警告しておく。「食の安全」は各省が取り組んでいるが、省の壁を越えて消費者の「食の安全」を考えていただきたい。
 「精製はちみつ」を使用している企業は多種多岐にわたっているが、消費者を欺く行為であり、企業も消費者のことを考えるなら、自主的に「精製はちみつ」は使用すべきではない。野々垣会長は「総称はちみつ」と言い訳をするかも知れないが、消費者を欺いて、何がハチミツ業界の指導者的立場と言えるのか。金儲けの遊泳術だけは、もともと出身が「株屋」だから仕方がないか。「株屋」は「株屋」らしくホリエモンのように、「株」でもいじっている方が似合っているかも知れない。
 「野々垣さんハチミツより株の方が儲かるかもしれませんよ」
サントリー取材
記者‐取材を申し込んでいた、国際新聞社の楠本です。
広報‐多忙の為、取材を受けるのが遅くなり申し訳ありません。
記者‐「精製はちみつ」の件ですが、ハチミツ=天然というイメージが消費者にはあると思いますが、「精製はちみつ」は本来「はちみつ」が持つ成分がないが、消費者に対する背信行為とは思わないか。
広報‐当社としては、記者の言われる成分とか効能効果は関係ありません。効能効果を記すれば、厚生省の管轄になり健康飲料ではなくなります。当社としては、「はちみつ入り飲料」を販売しているのは、風味を重視しております。
記者‐岐阜に本社のある「アピ」から「精製はちみつ」を仕入れているのか。
広報‐その通りです。
記者‐現在、貴社で販売しているハチミツ入り飲料は何種類あるのか。
広報‐一種類です。一月三十一日から「なっちゃんスイートハニーレモン」を販売しております。
記者‐「アピ」から「精製はちみつ」を仕入れられているとのことですが、どの位の量を仕入れているのか。
広報‐今、手元に資料がないのでハッキリした数字は判りませんが、全国で販売するので、大量な量になると思います。
記者‐「精製はちみつ」に関しどのようにお考えか。
広報‐専門的なことは、判らないのでお答えできません。
記者‐既に小紙で再三にわたり記載しておりますが、消費者はハチミツ=天然との思いは否定できないと思います。サントリーもハチミツだけでなく、多くの健康食品を取り扱っておられるが、消費者の立場に立って販売していただきたいと思います。
中国が偽もの追放に乗り出す
 いま、中国市場で販売されている偽造ローヤルゼリーに頭を痛めている。そこで、全国標準化工作委員会・中国蜂産品協会など十余りの政府機関と、蜂関連製品企業の代表が、この問題改善に乗り出した。
 昨年十一月、北京で「ローヤルゼリー国家強制標準」「ミツバチ製品生産管理規範標準」の修正審議会を開催、満場一致で採択された。今年、正式に公布・実施される。「今後、偽造品を生産、販売した企業は刑事責任をとわれること必至」と関係筋は見ている。特にミツバチ製品生産管理規範標準は、科学的管理体系にミツバチの領域を設け、蜂製品の原料品質と安全性を主眼にしている。
 これでわかるように、中国のハチミツ業界は深刻な事態を迎えていることがわかる。ヨーロッパにくらべて、中国や日本は品質について厳しい基準を設けていない。特にドイツは偽ものを作る業者は業界追放、刑事責任というほどだ。中国はこのほど、上記にみた如くハチミツの基準を厳しくし、ことし三月一日から流通領域に対し施工する。とはいえ、食品法典委員会内において、意見の差異があるという。今後、統一見解が示されるはずである。中国の姿勢は、いずれわが国にも影響を与えるものと思われる。わが国の消費者無視のあり方は、やがて世界の孤児≠フ運命をたどることになろう。野々垣会長が業界のボスであり続ける限り、ハチミツ業界は疑惑∞ナゾ≠ヘ放置され、改善・改革は難しい。今こそ消費者が声を大にして、偽ものハチミツ追放に臨むべきである。
(取材・インタビュー、本紙・楠本正弘編集長とハチミツ調査プロジェクト。まとめ、ジャーナリスト・坂口義弘)



平成18年(2006年)2月28日(第272号)
厚生族・田村憲久議員よ
公開質問状になぜ答えぬ!

 政治団体である「はちみつ蜂産会」なるものを、ハチミツ業界の大ボス=i社)全国はちみつ公正取引協議会の野々垣会長が立ち上げたことは小紙が既に報じているとおり。はちみつと政界活動が、どう関わるのかわからないのだが、ともかく、政界活動に厚生族の田村憲久衆議院議員を担ぎ出した。
 政治家とつながることによって、ハチミツへの疑惑をうやむやにしようとでもいうのか。そのような疑念が湧いてくる。ところが、公正取引協議会の会長・野々垣氏は取材を拒否。そこで、田村議員なら答えてくれるだろうと思い、平成十八年一月三十一日、配達証明付きで、公開質問状をぶつけてみたが、これも、今日にいたるもなしのツブテ。田村議員ははちみつとは何か≠ニいう事を理解していないのかも知れない。
田村議員への質問状
一、貴殿は(社)全国はちみつ公正取引協議会の顧問に就任されているが、大義は何か。
二、平成十七年五月二十七日に結成された「はちみつ蜂産会」(野々垣会長)が、貴殿のことを政界にて活動していただくと広報している。具体的にどのような活動をされるのか。なお「はちみつ蜂産会」の政治活動を受託されていることに関し見解を御伺いしたい。
三、大手飲料会社は、効能効果を重視せず、香りを重視していると答えている飲料会社もある。大手飲料会社が使っているハチミツ≠ヘ、精製ハチミツであり、ハチミツが持つ効能効果、「ミネラル」「タンパク質」「ビタミン」などを除去したものである。大手飲料会社の要請に応じて、色をつけ、香りをつけて大量に販売しているが、消費者無視とは考えないか見解を御伺いしたい。
四、「加糖ハチミツ」は、ハチミツ6、異性加糖4の割合で作られるが、割合の分析が出来ないのは明白。消費者に対し背信行為・詐欺行為になりとは考えられないか、御伺いしたい。
五、(社)全国はちみつ公正取引協議会は、インターネットで「公正マーク」は安心安全マークと広報しているが、問題はないか。根拠は、小紙が公正取引協議会の専務理事・岡本光治氏に対し、取材において「公正マーク」は「会員の証」と答えているが、矛盾しないか見解を御伺いしたい。
六、公取委は(社)全国はちみつ公正取引協議会を認可し、パッケージだけが所管と答え、中身に関しては農水省の管轄と答えている。厚生省安全部は、パッケージと中身は一対であるのが至極当然と答えている。見解を御伺いしたい。
農薬残留・抗生物質混入
に対し厚生省令施行

 本年度五月二十九日、厚生省から農薬残留・抗生物質残留に関して、厳しい法令が施工されることになった。抗生物質残留の基準値は〇・〇一PPMとは百万分の一、すなわち二十五メートル四方のプールに抗生物質を目薬一滴入れた程度であるとか。野々垣会長は、厚生省安全部の松本部長に対し、陳情を行っている。内容は、抗生物質残留の件である。従来通り〇・〇三PPMで輸入させていただきたいというお願いというもの。言下に断られている。その場に、田村議員が同席したかどうか、目下、調査中である。
 その後、野々垣会長は、抗生物質残留〇・〇一PPMはとてもクリアできないと考え、ビン詰めをやめて「精製ハチミツ」に力を注いでいると小紙の調査員は報告してきた。野々垣会長は、中国にも精製ハチミツ工場を持っている。精製ハチミツだけでも生き残れば会社は安泰。他のハチミツ輸入業者のことはわれ関せずと、横を向くつもりなのか。
 小紙は厚生省安全部に対し、政治家などの圧力に屈しないようお願いしている。野放し状態のハチミツ業界が、少しは改善されるのではと期待している。消費者がハチミツに何をもとめているのか、よく考えていただきたいものである。
『森川健康堂』
食品衛生法違反で摘発

 二月十四日付けで、厚生労働省食品安全部監視安全課が、「輸入食品に対する検査命令の実施について」(中国産ローヤルゼリー及びカンボジア産バジルシード)と題する資料をマスコミに発表した。これによると、なんと『森川健康堂』が輸入した中国産ローヤルゼリーから、一滴でも含有してはならないクロラムフェニュールという抗生物質が検出されたのだ。食品衛生法第二十六条三項に基づき、検査命令を実施することになった。森川健康堂の森川俊雄社長は、(社)全国ローヤルゼリー公正取引協議会の副会長を務め、(社)全国はちみつ公正取引協議会にも強い影響力を持つ人物である。森川健康堂が食品衛生法に違反し、公正労働省から摘発されたことの意味は重大だ。
 ローヤルゼリーに関してもう一件、潟Gーペック貿易が輸入した中国産フリーズドライローヤルゼリーからも同じくクロラムフェニコールを検出、摘発となった。全国ローヤルゼリー公正取引協議会は、中国側に再三にわたって抗生物質汚染の改善を指摘してきたと主張しているが、その協議会の副会長が摘発されたことから、その主張はまったく虚偽であったということになりはしないか。
 市場には、中国現地養蜂家を指導して、安心・安全≠ネローヤルゼリーを生産していると語る製品が氾濫している。その実態が、今回の摘発によって暴露された。
 この事件は、「食の安全」を求める消費者の声を裏切るものであり、また、いかに業者の品質管理が杜撰なものであるかを如実に示すものである。なお、『森川健康堂』(熊本市)の中国産ローヤルゼリーの届出数量、重量は、三百カートン、六トン。検査結果はクロラムフェニユール(抗生物質)〇・一〇PPM検出。エーペック貿易の中国産フリーズドライローヤルゼリーの届出数量・重量は、五十カートン、百五キログラム。検査結果はクロラムフェニユール〇・一六PPM検出。以上、食品安全部監視安全課・報道発表資料による。
精製ハチミツの実態
 精製ハチミツとは雑蜜を集め、水で薄め熱で水分を飛ばすので、残るのはただの糖分(単糖類・ブドウ糖・果糖)しか残らない。精製ハチミツの糖はブドウ糖と果糖に分かれているため、アッというまに体内に吸収されてしまう。血糖値は上がり、肝臓にも脂肪がまき悪影響を及ぼす。
 大手飲料メーカーがハチミツ入りドリンクを販売しているが、天然ハチミツを入れると、タンパクが沈殿し澱が出て濁る。そこで、精製ハチミツの出番ということになったのだろう。
 もっとヒドイ話が舞い込んできている。中国で精製したハチミツを、中国の税関に対し「純粋ハチミツ」と届け出、日本に輸出する。それを日本の税関は「純粋ハチミツ」とのお墨付きを与える。中国と日本が保証した「純粋ハチミツ」(実は精製ハチミツ)の出来上がりである。
 中国は、今年の三月一日からコーデックス委員会に加盟することが決まり、法整備を行っている。EU等はハチミツ=天然モノという概念が強く、EUに輸出するにはコーデックス委員会に加盟する事は必要不可欠なのである。ところが、中国のコーデックス委員会加盟の話には裏があり、輸出国の法律に合わせるという法律を作っている。ということは、日本に輸入される中国のハチミツは、EUでは使えないクズハチミツが輸入されるということになる。
伊藤園取材
 伊藤園に対し取材を申し込むと、「用件をまず文書で知らせてほしい。その後取材を受け付けるか判断する」との事である。何故、一部上場会社が飲料に関して取材をためらうのか。「貴社は不特定多数の国民に対し飲料水を提供しているのなら、仕入先・商品名を公開するのは至極当然のことではないか」と談じ込むと、しぶしぶ電話で取材に応じた。
記者 伊藤園は岐阜に本社を置くアピからハチミツを仕入れていないか。
広報 守秘義務があるので仕入先は公表していない。
記者 ハチミツ入り飲料を販売されていると思うが、商品名を教えて頂きたい。
広報 ハチミツ入り飲料は販売していない。
記者 それはおかしい。アピは取引先として伊藤園と記しているが、伊藤園はハチミツを何に使っているのか。
広報 実は「ホット梅」を販売しており、ハチミツ入りとパッケージしてあります。
記者 「ホット梅」はいつ頃販売されたのですか。
広報 昨年の九月です。冬限定なので今年は寒かったので出だしは良かったです。
記者 「ホット梅」に使っているハチミツは「精製ハチミツ」ではないか。
広報 専門でないので良く分かりません。
記者 精製ハチミツを使っていると思うが、精製ハチミツが消費者の健康の為になるのか、調査をお願いしたい。改めて文書にて取材を申し込むつもりである。
 ハチミツ入り飲料は販売していないと言っておきながら、「ホット梅」を販売している。仕入先は守秘義務があり公表しない。よほど「精製ハチミツ」に触れられたくな
様子が伺えた。安心と安全を売る飲料メーカーが、仕入先もマスコミに公表したくない何かがあるのか、是非改めて取材したいものである。
(取材・インタビュー、本紙・楠本編集長とハチミツ調査プロジェクト。まとめ、ジャーナリスト・坂口義弘)



平成18年(2006年)1月31日(第271号)
政治、行政の構造悪、利権化がネックになっているハチミツ業界
 (社)全国はちみつ公正取引協議会々長・野々垣先生、まずは明けましておめでとう御座います。本年も、ハチミツ愛好家・消費者のために、改革の旗手としてご尽力頂きたくお願い申し上げます。皮肉を込めて小紙からの挨拶としておこう。
 さて、小紙は昨年、手探り状態でハチミツ業界の健全化と消費者のために問題提起をしてきた。だが、野々垣会長を筆頭に、業界全体がでたらめ・いいかげんで、ハチミツ愛好家を食い物にし、全く反省する姿勢が見えない。これだけでも驚きなのに、政治家・行政を含め業界が利権化している。公正取引委員会・農水省・厚生省などが三つ巴になり、互いに責任のなすり合いをしている。小紙は、消費者の立場に立ち「ハチミツの定義」とは何かを、原理原則として取材を進めてきた。そして、取材をすればするほどハチミツ業界の矛盾、問題点が噴出してくる。
 野々垣会長は、平成十七年二月、厚生省の田村憲久衆議員を公正取引協議会の顧問に就任させ、同年五月には「はちみつ蜂産会」なるものを結成した。田村議員を使い、政治活動を行なうと宣言している。「はちみつ蜂産会」は平成十七年五月十日、東京都選挙管理委員会に政治団体設立届けを提出し、受理されている。目的は「はちみつ業界」の健全な発展のためと記している。田村議員は、業界の真実の姿を熟知しておいでなのか。小紙が取材しつつあるハチミツ業界の矛盾・疑惑を次に列挙する。田村議員よ、ぜひ、次ことがらをご検討の上、小紙のインタビューにお答えいただき、業界のためにご尽力をお願い申し上げたい。

田村憲久代議士に質問
一、(社)全国はちみつ公正取引協議会は「公正マーク」なるものをパッケージして販売している。小紙の取材によると、「公正マーク」は安心安全マークと解釈していたところ、「会員の証」とのことである。
二、ところが、インターネットで「公正マーク」は安心安全と宣伝している。表示規格に問題はないのか。安心安全の根拠がないのではないか。
三、「加糖はちみつ」は、ハチミツ6、異性加糖4の割合で合成して「加糖はちみつ」というと記している。ところが、これを分析することはできない。分析できない「加糖はちみつ」を販売することは、消費者に対する背信行為・詐欺行為に当たらないか。
四、「精製はちみつ」は、ハチミツが本来もつミネラル、ビタミン、タンパク質などを除去したものを、ハチミツと称して販売している。このことに疑問を感じないのか。
五、大手飲料会社と結託して「ハチミツ入り」と称して精製ハチミツを販売している。消費者のイメージは「ハチミツ=天然もの」であるはず。
六、一部ハチミツ業界の自主団体である(社)全国はちみつ公正取引協議会(野々垣会長)は、自主ルールで、加糖ハチミツや栄養分を除去したものをパッケージすれば販売してもいいとしている。
七、公正取引協議会を認可している公正取引委員会は、「健康食品は害にならなければいい」と断言している。
八、公正取引委員会はパッケージだけ、中身は農水省の管轄と逃げているが、農水省も分析は出来ないと言っている。
九、田村先生は、公正取引協議会の顧問として「はちみつ蜂産会」を野々垣氏が結成し、政界活動をお願いすると公言している。受託しているのか。
 ‐以上である。

農水省食品・規格監察室
船田修平監視専門官に聞く

記者 以前取材した折、消費者の立場に立てば「ハチミツ」、「工業用ハチミツ」とパッケージした方が、誤認しなくて理想と言われたが、その後、いかがですか。
船田 公取委、厚生省、農水省など三つの省が関係し、なかなか難しい。
記者 消費者の立場に立たなくて、各省の立場ばかりを考えるのは、納得できない。公取委は「パッケージは公取委、中身に関しては農水省の管轄」と断言しているのであれば、中身に関しては責任をもっていただきたい。
船田 各省の壁がありますのでご理解いただきたい。
記者 理解できない。自分達の立場だけを考え、消費者を無視し、業界団体に便宜を計るような行為に対し、理解することなどできない。
船田 JASマークなら、パッケージと中身が一対でなければ認可しないのですが。
記者 貴方は、分析できないハチミツはパッケージをする根拠がないと言われたが、表示規格の監視専門官として、協議会に指導もできないのか。
船田 以前にも申し上げましたが、原料がハチミツなので「ハチミツではない」とは言えない。
記者 再三にわたって申し上げているつもりだが、消費者はハチミツ=天然物と思って買っている。精製ハチミツなどを大手飲料会社に卸し「ハチミツ入り」と称して販売している。糖分しか残らない精製ハチミツをハチミツと称して販売しているのは、日本だけである。
 農水省の見解について納得できない。アメリカのBSE問題も見逃せないが、ハチミツ疑惑にも責任を持って消費者に答えろ。農水省は、国民がインチキハチミツを食して、糖尿病にでもなって死ななければ腰を上げないのか。改めて取材をするつもりである。

重い腰を上げる厚生省
安全部・鶴見氏に聞く

 次に、厚生省の考え方はどうなっているのか問いたい。
記者 小紙「国際新聞」は、ハチミツに関する問題を提起し連載を続けています。厚生省としては管轄外かもしれませんが、パッケージと中身は一対でなければならないと考えますが、いかがですか。
鶴見 当然のことです。
記者 公取委の西川総括は「健康食品は害にならなければいい」と断言しています。どう思われますか。
鶴見 私が直接聞いたわけではないので断言できませんが、事実なら乱暴な答えですね。
記者 以前、中国からやせる健康食品が大量に輸入され出回り、女性が死亡する事件がありました。パッケージに「健康食品」と記してあれば、医薬品ではないので簡単に輸入できるということになりませんか。
鶴見 ご存知と思いますが、厚生省としては「国民の食の安全」を考え、本年度の五月二十九日から「農薬残留」「抗生物質」などの基準値を厳しく施行します。当然健康食品等も含まれます。
記者 政治家の圧力で、一部の業界に手心を加えるようなことはありませんか。
鶴見 法律ですから、言われるようなことは絶対にあり得ません。
記者 五月二十九日から施行される農薬残留・抗生物質の対策として、海外から輸入されるものに対し、現在の厚生省の体制で可能なのですか。
鶴見 厚生省だけでは不可能です。厚生省が認定した検査機関に委託して取締りなどを行ないます。まだインターネットには流しておりませんが、平成十八年度輸入食品監視指導計画案がありますので、お持ちください。
記者 「食の安全」は、国民全体の問題ですので、法令違反は厳しく取り締まっていただきたいものです。
鶴見 厚生省としては、施行された法案に対し粛々と仕事をするつもりです。
記者‐ありがとうございます。(嬉しい事に厚生省はようやく重い腰を上げる)

輸入食品監視指導計画とは
 右記の鶴見氏の話にある「平成十八年度輸入監視指導計画」は、厚生省医薬食品局食品安全部が中心になって行なう。基本的な考え方としては、国の内外の食品供給工程の各段階において適切な処置を講じるもので、
一、輸入国における対策。
二、水際(輸入時)での対策。
三、国内流通時での対策。
 この三段階での適切な対応が必要であるというのが監視指導の基本。
 ほかに「輸入食品のモニタニング検査の考え方」、「海外情報に基いく緊急対応」、「厚生大臣による検査命令」、「違反が判明した場合の対応」などがある。これらを紙数の都合により省いて、「輸出国に対する衛生対策強化要請例」を掲げておこう。
○中国産養殖うなぎ(動物用医薬品)
○中国産ハトムギ(カビ毒)
○中国産ソバ(カビ毒)
○韓国産ヒラメ(動物用医薬品)
○韓国産パブリカ(残留農薬)
○タイ産ハトムギ(カビ毒)
○タイ産バジルシート(カビ毒)
○台湾産養殖うなぎ(動物用うなぎ)
○米国産とうもろこし(カビ毒)
 今回、ハチミツに対する小紙の提言を大手飲料メーカーがどのような受け止め方をしているのか掲載する予定であったが、これも紙数の都合により改めてということでご了承いただきたい。(取材・インタビュー、本紙・楠本編集長とハチミツプロジェクト。まとめ・ジャーナリスト坂口義弘)



平成18年(2006年)1月1日(第270号)
公正取引協議会会員、匿名で語る
 「消費者が求めるハチミツは何かと問われれば、ハチミツ業界が灰色であるといわれても仕方ない」。前号において、公正取引協議会々員へのインタビューで、会員の一人は、匿名を条件に次ぎのように語った。
記者 狂牛病・鳥インフルエンザなど、普通では考えられない奇病が発生しております。「自然の恵み」を無視したツケが、今になって回ってきたのではないかと思います。ハチミツも然りです。
会員 確かに、狂牛病も、牛を牛の餌ににして起きた奇病であり、鳥インフルエンザも、狭い所に閉じ込めて二十四時間電気をつけて卵を産ます。異常な事態です。「自然の恵み」に逆らったツケが回ってきているのかも知れません。鳥インフルエンザも世界で、数千万人の人が病気になり、数百万人の死者がでると予測されています。そういう意味では蜂蜜業界も記者のおっしゃる「足さず引かず」が原則です。
記者 コーデックス委員会に参加している国が百六十五ヶ国ありますが、精製ハチミツ、加糖ハチミツなどを認めている国はないと聞いておりますが。
会員 精製ハチミツは元々「脱色脱臭ハチミツ」と言われていましたが、野々垣会長が精製ハチミツと名称を変えたのです。公正取引協議会の会員の中でも精製ハチミツ、加糖ハチミツに関しては異論があります。会員の中でも、精製プラントを所有している会社は数社です。当社では、プラントも所有しておりませんし、取り扱っておりません。
記者 精製ハチミツを取り扱っている会社は判りますか。
会員 それは、私の口からは言えません。
記者 野々垣会長は、大手飲料会社・製薬会社等と結託し、精製ハチミツをハチミツ入り飲料などと言って、大量販売しておりますが、消費者を騙していることにはなりませんか。
会員 野々垣会長に聞いて下さい。
記者 精製ハチミツは、精製すればするほど脱色脱臭され、無色透明になりますが、はちみつが持つ「ミネラル」「澱粉」など栄養分がなくなります。残るのは糖だけと聞いておりますが。
会員 単糖類・複糖類・多糖類に分かれておりまして、大筋ではその通りだと思います。
記者 精製ハチミツ(単糖類)は、吸収が早く血糖が上がり、肝臓での中性脂肪を生産、増加する作用があると聞いておりますが。
会員 国際新聞の記事にも書かれていますが、結論から申し上げますと、精製ハチミツは、飲料業界・医薬品業界において不可欠のハチミツです。業界全体の利害が一致しているということです。
記者 それは、売らんがための営利主義、消費者無視ではないですか。
会員 極論を言われれば、言われても仕方ありません。ま、当社では扱っておりませんので。
記者 アピ(本紙に何度も登場している業界最大手)の野々垣社長をはじめ、公正取引協議会の数社は、精製ハチミツが一番のドル箱だから、精製ハチミツだけ残れば、後ははどうでもいいのだとの説があるようですね。
会員 野々垣会長(公正取引協議会々長でもある)が、そのような発言したのは事実かどうか。もし事実ならば、由々しき問題ですよ。
記者 公取委・農水省・厚生省などを取材しておりますが、それで力説したいのはあくまでも、消費者が主人公であり、消費者が求めるハチミツを追求するのが、公正取引協議会の公益法人としての責務ではないでしょうか。
会員 まさに、その通りです。厚生省の平成十八年五月二十九日施行の規制も「食の安全」を考えれば、ハチミツ業界もあるべき姿に帰するのが自然だと思います。最後に理解して頂きたいのは、理想と現実のギャップです。「自然の恵み」を消費者に提供したいのですが、競争社会の中で、記者の言われるような原理原則を言われれば、我々は生きて行けません。
 以上が、会員との一問一答である。ハチミツ業界の現況を垣間見る思いである。

(社)全国はちみつ公正取引協議会の中に『はちみつ蜂産会』結成!
顧問は田村憲久代議士
 「はちみつ蜂産会」という任意団体が結成された?この会は何だ?
 「はちみつ蜂産会趣意書」なるものが小紙の手元にあるので紹介しょう。
 近年、食品衛生法の改正により、食の安全・安心が厳しく問われております。
 平成十四年一月には、中国からEUへの食品輸入に監視、抗生物質の残留問題が提起され、現在にいたっております。
 こんな書き出しで始まる「はちみつ蜂産会趣意書」を読んでみると、どうも、「〓社全国はちみつ公正取引協議会」に政治家のお偉いさん≠助っ人に頼んだというもの。マスコミが騒ごうが告発しようが、そんな虫けらどもはお偉いさんの鶴の一声≠ナどうにでもしてくれようといった自信のほどを伺わせているようだ。読み進んで行くと、クビをかしげさざるを得ない箇所があるが、ともかく、「……しかしながら我々の努力だけでは出来ない事も沢山あります。健全な業界発展のため、今後蜂蜜業界といたしましても国政レベルの政治活動を通じ、関連法令の整備をはじめ、業界が抱える諸問題の解決及び業界の社会的地位向上を図るため、同志相集い、『はちみつ蜂産会』が結成される運びとなりました。と、結成したので入会しろという。なお「平成十七年二月より当協議会顧問として衆議院議員・田村憲久先生(現職:自民党厚生労働部長、元、厚生労働省政務官)にご指導をお願いしております。とも。なにしろ凄いのはハチミツ業界が「国政レベルの政治活動」を展開するということだ。これにはド肝を抜かされてしまう。なぜ、平成十七年になって議員センセイの御指導≠ェ必要なのか。一説には、田村憲久氏の政治活動を支援する私的団体が「はちみつ蜂産会」というのだが。「平成十八年五月から施行されるコーデックス(国際食品規格)の食品添加物や残留農薬を定めたコーデックス基準によって、中国をはじめ外国から食品輸入の規制がきびしくなり、蜂蜜業界が生き残れるかどうかの瀬戸際にたたされていることは事実」。と、業界に詳しいムキは語る。なるほど、それで読めた。田村議員を味方に付けようとの狙いは、そこにあるのだ。田村議員は厚生族であり、蜂蜜業界からすれば、これほど心強い味方はいない。この任意団体は、田村氏にとっても野々垣会長にとっても、共通の利益があるということだ。「野々垣会長をはじめとする蜂蜜業界のバックに田村議員が控えている。このことは大きな意味を持っています。なかなかやるものだというのが私の捉え方です」(前出、業界通)という見方は、当たらずとも遠からずといったところか。
 ところで「はちみつ蜂産会」の規約を見ると、会費一口三千円。年間三万六千円。何口でも受け付けると記してある。この金、いったい何に使うのか、いささか気になる。会費を出す方だって、「はいそうですか」と言えるものかどうか。

蜂産会も野々垣も『?』だらけ
 「はちみつ蜂産会」の目的は、政治活動かつ田村議員支援。それでは、事業として何を行なうのか。
一、蜂蜜製品の普及等を中心とした政治、経済、文化各般の調査研究。
二、会報・その他各種印刷物の発行。
三、講演会・座談会・研究会その他会員相互の会合。
四、その他目的達成に必要な事業。
 以上が規約として盛り込まれている。もう少し具体的にしてほしいものだ。規約作成者が「この程度のところでごまかしておけ」と、会員を小バカにしているのか。次回には、ぜひとも田村氏にインタビューして、公正取引協議会顧問就任のいきさつと抱負にお聞かせ願いたいと思っている。
 なお「はちみつ蜂産会」趣意書には、一面に田村議員の写真、経歴が紹介されている。念の入った事である。これは、ひよっとして田村氏の政治活動支援と金集め≠フ団体ではないか。公益団体の中に任意団体を結成するのは、いかがなものか。田村氏は自民党のエリートであり、将来を嘱望される人材である。三重県松坂市出身、一九六四(昭和三十九年)生まれの、まだ四十歳。衆議院法務委員会筆頭理事であり、ほかにも輝かしい肩書が付いている。その御仁が、疑惑の業界にクビを突っ込むのは危険が伴いはしないか。インタビューの際には、そのことも忠告してあげたいと思っている。(文中、一部敬称略。取材、インタビュー本紙・楠本編集長とハチミツ調査プロジェクト。まとめ・ジャーナリスト坂口弘)



平成17年(2005年)11月30日(第269号)
三百九十八円のハチミツ
 小紙ハチミツ調査プロジェクトが業界の不条理を連載して、今回でちょうど十回目になる。
 今回もまた、消費者がいかに騙され続けているか。業界の恥部を暴く。
 その前に、わが国を代表する最大手スーパーが、なんと[三百九十八円]のハチミツを販売した事をお伝えしたい。これには正直なところ、ぶったまげた。
 早速、店長にインタビューを申し入れたが、そこの店長はなぜか不在でつかまらない。そこで、売り場の担当者らしき人物に質問。
「冬の寒さに備えて、風邪予防のための商品を大々的に販売していますね。その中でもやはりハチミツが目を引きます。三百九十八円とは安いですね」
 「………」
 「このハチミツは、本物ですか?」
 「……」
 「本物のハチミツでこれだけ安いのなら、私全部買います」
 「……」
 「純粋ハチミツ≠ニ表示されていますが、本当に純粋なのですか」
 「……」
 とうとう担当者は一言も発しない。発しないはずである。本物どころか水飴なのだから。
 担当者がご存じないわけはあるまい。支店ではらちがあかない。本社へのインタビューを試みるつもりである。
 さて、小紙にたびたび登場する野々垣公正取引協議会会長に関して、その人となりをご紹介することとしよう。とはいっても、本人は小紙からのインタビュー申し込みを拒絶しつつ今日に至っているところから、小紙独自のアンテナによる情報入手と周辺取材によるモノであることをお断りしておく。
 問題は、野々垣会長は果たして消費者が求めるハチミツを提供しているのだろうか、という点だ。
 ハチミツ業界最大手「株式会社アピ」の経営トップの野々垣社長は、精製ハチミツ、加糖ハチミツ、日本の蜜蜂の生態系を破壊する「セイヨウオオマルハナバチ」(以下マルハナバチ)を販売するなど日本のハチミツ業界の破壊者であるとする声がある。
 大手飲料業界、医薬品業界などと手を組んで行政が指導し難いことをいいことにやりたい放題である。なにしろ、原料がハチミツと言うことから、行政は手も足も出ないのだ。消費者が求めるハチミツとは、人間が手を加えない、自然のハチミツであり「足さず引かず」である。野々垣会長よ、もちろんご承知のことであろう。
 「害にならなければいい」(公取委・西川総括の弁)などの暴言は、天に唾する行為と知るべし!
「アピ」プロフィール
 ここで、ハチミツ業界の大ボス、野々垣孝氏率いる「アピ」のプロフィールをご紹介しておこう。
 設立‐昭和四十七年十月(創業明治四〇年)代表、野々垣孝。
資本金‐四千八百万円。
業務‐ハチミツ、ローヤルゼリーなどの蜂産品、健康食品、医薬品の製造販売、また養蜂指導と養蜂器具の販売。
 さらに、健康食品に関する研究も手掛ける。社員数四百二十五名。
最近の業績(平成十六年八月期)‐売上高百七十五億七千六百万。
主要取引先(販売先)‐サントリー、日本コカ・コーラ、ヤクルト、中外製薬、伊藤園。仕入れ先‐三菱商事、兼松、住商食品、ニチメン、八木通商。取引銀行、
関連企業は略。
「アピ」の経営理念。
 一、ハチミツを通じて自然と人間の調和をはかり、豊かな健康生活を創造する。
 二、品質こそ命である。個性と価値ある提案で名案ととともに開発企業を目指す。
 三、変化をおそれず、誠意と情熱と創意を結集し、活力と実行力有る職場を作る〓〓
 なるほど、立派な会社のように見受けられる。取引先も、大手飲料メーカーに一流の製薬会社。会社の理念もすばらしい。だが、果たして唱えている信条を実践しているかどうか。本紙のインタビュー申し込みに逃げ腰になっているのは、逃げざるを得ない理由があるのではないのか。
大手取引先に
理念はあるのか〓
 一方、アピと取引関係にある大手企業はいずれも製品に「ハチミツ入り」と称して大量販売している。消費者の側から見れば、有るべき成分がないモノを、有るが如く称して販売するのはいかがなモノか。これは、詐欺商法と言うのではないか。
 右企業に理念というモノがあるのかないのか、問いたいモノである。
野々垣会長の責任は重大!
 野々垣会長が責任を問われる事柄はいくつか有ることを指摘しておきたい。まず、日本の蜜蜂の生態系を破壊するということで、以前から社会問題になっていた「マルハナバチ」が、「特定外来生物」の選定をされる可能性が濃厚になってきた。野々垣会長が、「授粉バチ売りません」と宣言した。なぜか。
 ハウス栽培に使われる授粉昆虫、マルハナバチの国内増殖企業であるアピが、蜂の使用方法を守らない生産者には蜂を販売しないと宣言した。
 メーカーが、大事な顧客である製品使用者のモラルにまで口出しするなど異例のことである。なぜアピ、野々垣は、ここまで厳しい方針を打ち出したのか。答えは簡単だ。
 日本の蜂の生態系を破壊することで、社会問題になっているマルハナバチを最初に輸入したのは、野々垣だからである。野々垣は自分の責任問題になるのを恐れ、いち早く先手を打ってきたのである。農水省生産局野菜課技術係で検討している「特定外来生物」に選定されるかどうかは、今後、専門家の議論を待たなければならないが、農水省が「特定外来生物」に選定することは確実視されており、マルハナバチは生命力が旺盛で、北海道まで分布していることが確認されている。
 マルハナバチを養蜂して販売した野々垣の責任問題は免れまい。
 「アピの野々垣社長は、ハウスで働いたマルハナバチを殺すよう指導していると言うことです。ところが、ハウス栽培を行っている農家では、自分たちのために働いてくれたマルハナバチを殺すのはかわいそうと、殺さないで自然に帰しているとか。人情としては当然の帰結でしょう。でも、そのマルハナバチが野生化しているらしいのです」
 業界の一人はこう語った。また、動物愛護団体からは、「金儲けのためにマルハナバチを輸入して養蜂し、働かすだけ働かせて、今度は殺してくれとは、とんでもない」
と、猛抗議。抗議されても至極当然である。
 金儲けのためにマルハナバチを輸入し、養蜂して販売し、日本の生態系を破壊した責任は重大であると言わねばならない。農水省生産局の庭瀬氏も、「北海道では、網で一匹一匹駆除しているグループがいるという話も聞いている」と答えている。
 市民グループが、ボランティアで駆除の活動をしているのに、野々垣センセイは高みの見物とは、なんともひどい話である。
 マルハナバチは、生態系の破壊だけでなく、高山植物にも大きな影響を与える恐れがあると動植物専門家は警告を発している。
マルハナバチの
捜索・駆除にご協力を!
 筑波大学・生物科学系・鷲谷いずみ氏は、「外来の生物が日本に輸入され、生態系を破壊しているマルハナバチは、オランダやノルウェーからコロニーが大量に輸入されている。イスラエルではマルハナバチが侵入した地域において、花蜜資源の独占により、蜜蜂を含む、ハナバチ全てが衰退した例が報告されている。「マルハナバチの女王は、巣の乗っ取りを行う習性が強い」と分析している。
 玉川大学の小野正人博士によれば、「在来種の女王が作った巣の近くに、マルハナバチの女王をおくと、必ず巣に侵入し、時には在来種の女王を刺し殺して巣を乗っ取ることが観察されている。北海道でも、マルハナバチが野外で冬を越した例も見られている。マルハナバチは生命力が強く、氷点下二度の寒さでも野外で活動することが報告されている」と発表している。
 日本の蜂は、このまま放置すると全滅するといっても過言ではない。このことは、日本の養蜂家も全滅する可能性、無きにあらずである。(社)日本養蜂協会としても、この危機的現実に手をこまねいているわけにはいくまい。放置していいのか。この点、何としても野々垣に答えてもらわなくてはなるまい。
 過日、公正取引協議会会員にインタビューした。会員の一人は、「消費者が求めるハチミツは何かと問われれば、ハチミツ業界が灰色であると言われても仕方がないと思います」こう、喉の奥から絞り出すかの如く語っていた。さらに書き続けていきたい。
(文中、一部敬称略。取材・本紙楠本編集長とハチミツ調査プロジェクト。まとめ・ジャーナリスト坂口義弘



平成17年(2005年)10月31日(第268号)

  本紙への問い合わせ・投書が相次いでいることを、まずご報告しておきたい。十月初旬、北海道の読者から、「百貨店で『純粋ハチミツ』を購入しました。千円もしないので、嬉しさ半分・疑惑半分。そんなに安く純粋ハチミツが手に入るものでしょうか」と、パッケージを同封してきた。確かに大きな文字で「純粋」と表示されてある。さっそく折り返し手紙を送った。「それは『水アメ』である」と。そのハチミツ″w入者にとって、当方からの手紙はショッキングなものであったろう。なにしろ、高価なはずの商品が実は偽モノ≠ニいうのだから。こうした苦情の手紙・FAX・メールは編集部の机に連日、積まれている。それこそ嬉しい悲鳴である。喜んでいいのか憂うるべきなのか。
 さて、やはり読者から、次のような投書があった。 (社)全国はちみつ公正取引協議会に関し、認可・認証、認可・承認なる言葉が新聞で使われているが、詳しく説明して欲しい」というもの。
 これについて、既に何度か述べてきたが、改めて説明しておきたい。社)全国はちみつ公正取引協議会では、公正取引委員会が認可した公益団体である。認証とは、ハチミツに関し行政が「中身を証明すること」。では、承認という言葉をつかっているのは一体なんだ。公正取引委員会は社)全国はちみつ公正取引協議会を認可したが、認証(行政の証明)ができないのである。承認とは、公正取引協議会が公正競争規約を作り、公正競争規約施工規則を公正取引協議会の会員が承認すること、これを承認という。小紙が問題にしているマジックが実はここにあるのだ。公正取引協議会の野々垣氏は、行政を熟知している。公取委の西川総括は「公取委としては、公正取引協議会を認可しているが、中身に関しての問題は農水省の管轄であり公取委の関与する問題ではない」と言い切っている。
 それでは、農水省の見解はどうか。農水省・表示規格課の船田氏は、本音を言えば公取委から社)全国はちみつ公正取引協議会を認可するとき、何の相談も無かった。いまさら分析も出来ないハチミツに関し、中身に関しては農水省の責任である等と言われても迷惑千万である、と答えている。現実に公正取引協議会は認可・承認であり、公取委と公正取引協議会が天下りを受け入れ、農水省には何の相談も無かったと不満を洩らしている。小紙としては農水省の「食の安全」は空鉄砲かと言いたい。農水省としても国際新聞の取材を受けハチミツ類に関し検討しているが、原料がハチミツであるという事が行政指導できない一因がある。「加糖はちみつ・精製はちみつなど、消費者の立場にたてば問題があると言う事は判っている」と頭を抱えている。最後は取材に答えられなくて、「公正取引協議会」を認可したのは公取委であり、口を挟むことは越権行為と言わんばかりである。正に消費者無視である。
 余談ではあるが筆者は毎日、朝と夕にハチミツを二ヶ月食してみたが、糖尿の数値が現在、百四十六と上がってきている(東京医大の診断書付)。
 話は戻るが、この行政の壁≠ノ消費者と国民の不幸がある。行政官は、自分の持ち場のこと、自分の仕事しかしない。持ち場以外の仕事は、所詮他人事≠ネのである。それを至極当然の事と考えているのが、行政官である。そして、行政の厚い壁をたくみに利用しているのが、野々垣・公正取引協議会の会長である。野々垣会長は、公正取引協議会を私物化していると言っても過言ではあるまい。協議会の野々垣会長が認可承認することで、あたかも「行政が認証している」が如くパッケージをして消費者をだましているのである。
野々垣会長、消費者の信頼に答えていますか。問題はこんなにある!
 社)全国はちみつ公正取引協議会の問題点を次に挙げておこう。
一、公正取引協議会を行政が認可しているが、認証はしていない。消費者は、行政が全てを認証したかの如く誤認をする要素が大である。
二、公正取引協議会は公取委の認可団体ではあるが、公取委は中身に関し、分析も出来ないのに社団法人≠認可することには根拠がない。ここに矛盾があるし、農水省との協議も行なわれていない。
三、「公正マーク」は安心安全マークと宣伝している。しかし、分析できないものを販売するのでは、安心・安全の根拠がない。小紙の取材に際し「公正マークは会員の証である一枚百円で販売している」と、公正取引協議会の岡本専務理事は明言している。
四、「公正マーク」が安心・安全マークと言って宣伝することは、表示・規格に問題がある。一方で「公正マーク」を安心・安全マークと宣伝をし、取材をすると「会員之証」と二枚舌を使う協議会。
五、加糖ハチミツ・精製ハチミツ(工業ハチミツ)を「公正マーク」でパッケージして販売している。だが、ハチミツが本来持つ栄養分の全く無いものをハチミツとして販売することは、消費者に対する詐欺行為である。
六、公正取引協議会の岡本専務理事は、ハチミツに関し「ハチミツは蜂が蜜を巣箱に運び、濾過したものをハチミツという」とこたえているが正解である。即ち「引かず足さず」が基本であるが、協議会は言っている事と行っている事と差があるのではないか。
 ドイツをはじめとするヨーロッパ諸国は、ハチミツに関し厳しいハードル≠設けている。それに比較すると、わが国の公正取引協議会の主義主張は、とてもレベルに達しているとは思えない。いずれ国際的に問題化することであろう。
厚生労働省・健康食品に網かけ≠!
 厚生労働省安全部は、すべての健康食品に対しコーデックス委員会基準を参照にして平成十八年五月二十九日から網かけ≠施行すると答えている。健康食品は今日まで野放し状態であったが、中国の痩せ薬で死亡者が出るなど社会問題とまでなっていた。健康食品なのか医薬品なのか、微妙なものが多過ぎるのが現状だ。今回、全ての食品に対し網かけを実施することは国民・消費者のためであることは間違いない。
 厚生労働省は小紙の取材にこう答えている。
 健康食品業界等は、平成十八年五月二十九日からの厳しい「残留農薬等のポジティブリスト制度」の導入について「知らない」「聞いてない」と、騒然としているが、安全部では、三年まえから業界に通達しており、施行が延長になることはあり得ない、
 と明言している。日本もコーデックス委員会の参加国(事務局長)として、「食の安全」の基準・整備を明確にすることが、国民・消費者に対する行政の責務と考える、と厚生労働省は答えている。ハチミツも例外ではなく〇・三PPM(〇・一PPMは百万分の一、すなわち百キロのハチミツの中に〇・三グラムの残留農薬、抗生物質が残留していれば国内での流通は出来ない)という基準値を設定している。中国はコーデックス委員会に参加しておらず、わが国の公正取引協議会メンバーは商社と組んで中国からハチミツを輸入しているが、今後、当然、厚生労働省による水際作戦によってデタラメなハチミツ・健康食品は阻止される事は明白である。ハチミツ業界からは、国内の養蜂家と比較し、輸入業者には余りにも厳しい基準値であり、日中間の国際問題にもなりかねないと不満が噴出しているが、消費者を騙してきた天罰である。消費者の立場に立てば、なんの根拠もない健康食品を「ガンに効く」「毒にならなければ問題ない」といった、とんでもない表示・発言は大きな社会問題として浮上するはず。健康商品の法整備が遅すぎた感もあるが、施行は「食の安全」を考えれば当然である。
 なお、コーデックス委員会とはFAD(国連食料機関)とWHO(世界保健機関)により一九六二年に設立された国際政府機関組織で、世界百六十九か国が参加。
 目的は、化学に基づいた国際基準や規範の作成。
一九六三年に第一回会合が開催され、わが国は一九六六年から参加。
 二〇〇三年から日本人が事務局長となっている。
 本欄への読者の投稿・投書をお待ちしています。必ず、本名をお書き下さい。掲載する場合は、本人に承諾をとります。(取材・編集・楠本編集長と本紙ハチミツプロジェクト。まとめ・ジャーナリスト・坂口義弘)
全国はちみつ公正取引協議会々長アピ株式会社(健康食品と医薬品のOEM製造メーカー)会長
野々垣孝氏
                           


平成17年(2005年)9月30日(第267号)

ハチミツといえば、誰もが身体にいいと考えているはず。ところが、わがハチミツ調査プロジェクトの調査によれば、身体にいいどころか「ちょっと待て」と言いたくなる事実が判明しつつあるのだ。小紙がこれまで、各方面に取材、掲載してきたことは無意味ではなかったことを改めて確認している。小紙は、ハチミツ愛好家を不安に陥れたり業界を混乱させておもしろがっているわけでもない。本号では、業界のいいかげんなあり方と、これをチェックする機関との関係、業界改革の姿勢などについて述べておきたい。
 既に掲載したように、公取委の西川総括は「(社)全国はちみつ公正取引協議会の認可はしたが認証はしていない」と言い、「中身に関しては農水省の問題であって公取委が口を挟む問題ではない」と、断言している。
 農水省は、「言われている事は、よく判ります。原材料がハチミツというところに問題があります。農水省としては『ハチミツ』『加工ハチミツ』とパッケージするのが理想であり消費者を誤認させない一番の方法であると考えていますが、パッケージは公取委の管轄であることも認識していただきたい。農水省としては、消費者団体やマスコミが問題提起して頂ければ、非常に行動しやすい」ということだが、さらに「JASマークだけでなく、他の方法も考えて消費者に誤認を与えないよう、受け入れ態勢は万全にするつもりである」という。
 公正取引協議会・公取委の協力が必要であると、農水省は力説する。
 小紙は、農水省の監視専門官・船田修平氏に対し、「農水省が公取委と責任のなすり合いをしていても、消費者のためにならないのではないか」と突っ込んだ。「パッケージと中身は一対でなくてはならない」というのが、小紙の見解なのである。
 船田氏は、「過去のハチミツに関する文献を調べてみた。農水省として過去に『JASマーク』も視野に入れて検討してみたが、一番の問題は、ハチミツが分析できない、定義がはっきりしていないことである。加糖ハチミツ・精製ハチミツなどは、公正取引協議会が規約を作って流通させている。食品の表示に関し、ハチミツ以外のものが混入されていれば行政指導する」と述べ、農水省もやっと重い腰を上げるところまできたかと期待しているのだが。
野々垣会長よ!
下らない風聞を流さず
是々非々で答えろ!
 さて、ここで野々垣孝・全国はちみつ公正取引協議会・会長の存在がクローズアップされる。野々垣会長は、ハチミツ業界のけん引者≠自認しているとか。その野々垣会長が当紙に対し、「これ以上(ハチミツ業界に関しあるいは野々垣会長に関し)書くと報復する」と、周辺に語っているとの情報が入ってきた。だがこれは噂か風聞の類であろう。ヤクザや暴力団であるまいし、ハチミツ業界のトップに立ち、自らも「アピ」なる企業の経営者が、マスコミを相手取って「報復する」「脅迫する」といったことはあり得まい。ただ、小紙の周囲から「野々垣会長は、なぜ国際新聞のインタビューを受けないのか。やましいところがなければ、堂々と受けて立てばいいのでは。ヤクザを雇って新聞社を襲撃することなど、まさか考えてないでしょう。そんな事をしたら、地位も名誉も失う。いっそ、名誉毀損で法廷闘争でもしたほうがすっきりするでしょうよ」と、いう声があることをお伝えしておこう。
 ほかにも、次のような意見がある。「ハチミツ業界・公正取引協議会のトップに立つ人物が、野放し状態のハチミツ業界を正常化し、消費者のために尽力するのは当然。それができないなら社団法人は返上すべきである」というもの。
 野々垣会長は、社団法人という公益法人を悪用しているといった認識をもっているとは思いたくない。それにしては正論≠掲載している小紙をデタラメの記事を書いていると言い、インタビュー申し込みを拒否しているのはなぜか。
 それはさて置き、今年二月、公正取引協議会の顧問として、田村憲久議員(自民・三重県)を迎え入れている。田村議員は、厚生省に強い影響力を持っているようだが、ハチミツについても詳しいのであろう。ぜひ、インタビューをお願いしたいものである。
大手飲料会社にも「精製
ハチミツ」問題が発覚!
 ハチミツ入り飲料水が大量に出回っている。だが、何度も繰り返すように、精製ハチミツは脱色脱臭≠オたハチミツであり、ハチミツがもつ本来の成分はすべて無くなっている。これをハチミツと呼べるのか。大手飲料会社は、公取委・公正取引協議会とグルになって営利至上主義を貫こうとしているかに見えてならない。消費者を無視し、騙していると言われてもしかたあるまい。
 野々垣会長は、ハチミツ業界のけん引を自認しているとは、既に述べた。が、消費者の立場に立ったけん引なら認めるが、ハチミツ業界だけが利益を追求し消費者を騙す行為のけん引なら認めるわけにはいくまい。野々垣会長は、ハチミツの分析ができないことを早くから熟知していたのだろうか。もしそうだとしたなら、分析できないことをいいことに、公取委に社団法人を認可させ、認証できないので、公正取引協議会を私物化し、精製ハチミツ・加糖ハチミツを承認し、市場に流通させている。これが現状なのではないか。公取委の西川総括が、「毒にならければいい。害にならなければいい」と暴言を吐いたが、その暴言の裏がみえてくる。公取委・政治家・公正取引協議会が結託し、消費者を無視した「金権亡者」の犠牲になるわけにはいかない。
 繰り返しになることを承知で言いたい。精製ハチミツ・加糖ハチミツなど、世界中どこを見ても例がない。コーデックス(国際食品規格)に、ハチミツの定義を掲載してある。一読すれば明瞭、公正取引協議会のハチミツの規格とは、まったく違う。消費者の求めるハチミツは、コーデックスの言うハチミツのことである。「アピ」の野々垣会長は、公取委の社団法人の認可を取り、認証できないことい言いことに、公正取引協議会で精製ハチミツを承認し、大手飲料会社と組んで「ハチミツ入り飲料」と称し、大量販売をしている。その「ハチミツ入り飲料」とやらは、タンパクもミネラルも、本来あるべきビタミンも除去されているのである。こんなものを、消費者は求めているのだろうか、ハチミツと呼べるのだろうか。
 ではなぜ精製するのか、である!精製しないハチミツを飲料水に入れると、ハチミツのタンパクなどが白濁してしまうからだ。読んで字の如く、白く濁るのだ。いわゆる見てくれがよくない、大手飲料会社は野々垣会長と組んで、消費者を騙していると言われても過言ではあるまい。野々垣会長は、わが国で一番大きな精製プラントを所有している。中国にも建設中。雑蜜を精製し、脱色脱臭し、工業ハチミツ(精製ハチミツ)として大手飲料会社に卸してぼろ儲けをしている。野々垣会長よ、違うなら違うと言え!反論があるなら、小紙はいつでも聞こうではないか。
 もともと、精製ハチミツとは呼ばず「脱臭脱色ハチミツ」と呼ばれていたものだが、平成十四年十月八日付けで規約を一部変更、『精製はちみつ』と定義した。その精製ハチミツを「ハチミツ」と称して販売することには良識ある公正取引協議会・会員から異論が噴出したとも聞いている。野々垣会長は「モミも精米しなければ食えない」といって煙に巻き「精製ハチミツ」を強引に承認したと言う話は有名である。(精製すればするほど良質になると広辞苑に記してあるが、ハチミツは違うでしょう)。
 精製ハチミツプラントを所有しているのは「アピ」とほかには数社である。弱小業者は発言力がなく、野々垣会長ら大手が業界を牛耳っているのである。大手飲料会社がハチミツに無知なのか、判っていながら故意に消費者を騙しているのか。判っていて消費者に背を向け、野々垣会長と手を組んでいるとしたなら、社会問題としてクローズアップされることになろう。
 話を戻して、農水省は公取委との省の厚い「壁」があると言うが、消費者のため国民の為に尽力するのが行政の義務ではないのか。現在、社会問題になっているアスベストの問題にしても、各省の意志の疎通が取れなくて対応が遅れたことが現実であると認めている。常に被害者は、声の出せない消費者であり国民である。ハチミツに関しても再三再四、問題提起してきた。
 次号からさらに爆弾レポート≠お届けする。乞う・ご期待(取材・編集〓楠本編集長と本紙ハチミツプロジェクト。まとめ〓ジャーナリスト・坂口義弘)



平成17年(2005年)8月31日(第266号
はちみつもどき 全国はちみつ公正取引協議会会長 野々垣孝
高島屋はちみつ売場

  
 
重野‐私もハチミツ愛好家で、毎日ハチミツをパンに塗って食していたのですが「国際新聞を読んで、ハチミツを食するのが気持ち悪くなりました。協議会が業界の正常化の為に尽力しなければ、消費者は無力ですね。
記者‐ハチミツをはじめ、健康食品は健康のための自助作用があると思いますが、その健康食品を扱う業者が消費者を無視し美辞麗句を並べ立て、消費者を騙す行為は絶対に許すことはできません。
重野‐同感です。清瀬市の市議が言われていますが(本紙6月30日号)ハチミツは体内にはいるものですから、重大な問題として捉えて行く必要があると思います。
記者‐私達も含め、これから健康に留意する年を迎え、他人ごとではないとおもいます。
重野‐微力ですが私の村の議員にも呼びかけ、議会において討議したいと思います。私の友人に町議、市議もいますので仲間に呼びかけ、この問題を取り上げ是正すべく働きかけ、この問題を取り上げ是正すべく働きかけていくつもりです。
記者‐力強いかぎりです。
重野‐天下国家も大切ですが、自分の身の回りの不条理に対し、少しでも是正することが私の仕事と考えますので、全力を上げるつもりです。これからも、お互い情報を交換して弱者のためにがんばりたいですね。
記者‐ハチミツ業界の正常化のために、妥協するつもりはありませんので、ご協力をお願いします。
「1万5千円」が相場!?
 さて、本紙の楠本記者兼編集長あてに、広島県呉市の「呉蜂園」の磯部氏から約2キロものハチミツが届いた。読者の方からこうした貴重なものをいただくとは、なんとも嬉しい限りである。京王デパート、三越、高島屋などでハチミツを買って食べ比べてみたが、味に格段の差があると記者の弁。さっそく御礼の電話を入れ、後学のために次の質問を試みた。
記者‐異性加糖液をハチミツと混合した加糖液に関して、どうお考えですか。
磯部‐加糖ハチミツのことは聞いた事があります。消費者を欺いてハチミツを提供しても、いずれも自分達が困るだけです。私は消費者の要望に応じた純粋のハチミツ提供しているわけで、見て頂ければおわかりのように「純粋」とも「天然」とも書いていません。書く必要もありません。判断するのは消費者ですから、食してみたらすぐわかります。ハチミツを食している人はマゼモノか本物かは食するとわかります。生産者と消費者の信頼関係です。私が生産しているハチミツはゴミを濾しているだけで何も足していません。大量生産・大量消費ではなく需要と供給の中で、ハチが蜜を運ぶ、私たち養蜂家はハチミツのゴミを濾すだけ、そして消費者に渡す。それ以上のことは何もありません。30年まえからくらべてみると、ハチミツの収穫は少なくなってきました。私は昔から養蜂をおこなっています。加糖ハチミツ・精製ハチミツ・巣ハチミツなどというものは、まったく無関係です。全国で、そうしたハチミツが市場に出回っていることは、私達にとって決してプラスではありません。消費者にとっても、もちろんプラスにはなりません。業者のモラルの問題でしょうね。行政が絡んでのハチミツもどき≠認めているのであれば、なおさらのことです。1キロ5万円とか8百円とか?私のハチミツは1万5千円はします。それでも供給が追いつきません。
記者‐有難う御座いました。今後ともご指導下さい。
はちみつもどき、全国はちみつ公正取引
協議会・野々垣孝会長に「産業省」?
 さて「わが国のハチミツは偽モノ」と、小紙は告発の連載を続けてきた。編集部には、連日、問い合わせが殺到している。それだけ消費者の関心が強いのである。〓社全国はちみつ公正取引協議会(以下協議会)は、公正取引協議会と政治家を「錦の御旗」に担ぎ、消費者を騙していると言っても過言ではない。小紙が問題にしているのは、協議会は公取委の認可団体であって認証団体ではないということだ。これを消費者は認識していただきたいのである。認可団体とは、公取委が「認め」て「許可」を出した団体であり「認証」とは、記載などが法的に正式であるということを、公の機関が証明することとなっていると記してある。消費者は〓社協議会を「国の認証団体」と勘違いしているのではないか。公正マーク、加糖ハチミツ、精製ハチミツ等を認可団体(協議会)として勝手に承認し、消費者を騙している。そうでないと反論するなら反論し給え。協議会は、ハチミツと称して雑蜜を精製し精製ハチミツを大手飲料会社に大量に売りつけ、莫大な利益を上げている。大手飲料会社は、精製ハチミツを「ハチミツ入り飲料」と「ラベル」しているが、公取委はこれを問題なし、というのか。協議会の岡本光治・専務理事に取材した折、「ハチミツの定義とは何か」と質問したのに対し、「巣箱から蜂が飛び立ち、蜜源を集め巣箱に持ち帰る。そのハチミツがハチミツであると答えている。正に正解である。公取委の課長補佐(総括)は「毒にならなければいい、害にならなければいい」と暴言を吐いた。この件に関しては、改めて問題にするとして次に進もう。協議会は、本年2月に協議会の顧問に衆議院議員・田村憲久氏を迎え、森喜朗を同じく公取委の認可団体である、全国ローヤルゼリー公正取引協議会の名誉会長に迎えている。お二方とも用心棒≠ネのであろう。ハチミツは甘いが、消費者は甘くないと、用心棒にご忠告申しあげておこう。当方の取材を拒否、逃げ回っている協議会の野々垣会長が、地元岐阜県において「ふるさとに輝く第55回岐阜新聞大賞」で「産業省」なるものを受賞している。ハチミツ業界をけん引している。すばらしい人物ということなのだろう。問題のあるハチミツを生産販売している裏の顔≠地元ではご存知ないのかも知れない。まさか岐阜新聞への広告出稿の貢献が受賞の理由ではあるまい。世の木鐸である新聞社がまさか。次号からは、協議会に本格メスを入れるべくせまるとともに、大量生産・大量消費!精製ハチミツとハチミツ入り大手飲料の実体をつぶさに見る事とする。乞う・ご期待。(取材・編集〓楠本編集長と本紙ハチミツ調査プロジェクト。まとめ〓ジャーナリスト・坂口義弘)



平成17年(2005年)7月31日(第265号)
野々垣会長が取材拒否
 
 当「国際新聞」による、ハチミツ告発レポートは、各方面から多大な反響を呼んでいることをお伝えしておきたい。告発レポートが、さほど優れたものであるとは思えない。ただこれまでハチミツに関して関係者もマスコミも触れずに来た事から、真実を暴かれたことに対する驚きと恐れが反響、波紋につながっているのであろう。
 前号では、東京、清瀬の清瀬市議会でハチミツをめぐる悪徳商法≠一般質問した議員がいた。もとより、本紙がその議員に質問してくれるよう依頼したなどのやらせ≠ナはない。
 群馬県の村会議員から本紙に問い合わせがあるなど、告発レポートが全国に波及しつつあることは喜ばしいことだ。これに関しては後述しよう。
 さて、前々号で〓社全国はちみつ公正取引協議会の専務理事である岡本光治氏にインタビューを試みたところ、有意義かつ共感を呼ぶコメントをいただき感激にたえない。その岡本氏が
 「公正マークは、あくまで、会員の証であって安心・安全のマークではない」
 と断言したのである。消費者にとって、絶大な信頼を得ている「公正マーク」は単なる会員証に過ぎないというもの。それならばと、今度は同協議会の野々垣会長に取材すべく、岡本氏にその旨伝えてほしいと依頼した。ところが、岡本氏から
 「野々垣会長は多忙のため取材に応じる事はできないと、丁重にお断りしてくれと言ってますので〓〓」
 と断ってきた。
 当方としては、野々垣会長に日時・場所を指定したわけではない。インタビューに応じる腹づもりがあるなら、今週はダメだが来週なら都合をつけると言った具合に誠意を示すことができよう。多忙≠ヘ理由にならない。野々垣氏はこちらの取材の重大さを理解していないのか、あるいはひょっとして取材に応じられない特別の理由があるのか。
 野々垣氏は、協議会の会長であるばかりでなく、岐阜の「アピ」の経営者でもある。氏が多忙なら岐阜まで足を運ぶと岡本氏に伝えてある。ただし「アピの野々垣氏」ではなしに、公益法人である「協議会の会長」へのインタビュー申し入れをしたのだ。たとえ丁重であるにしても断るとは、どうしたことだ。取材強要はよくないと言われれば、そうですかと引き下がざるを得ない。が、そうなれば当方は周辺取材と手元の資料とで記事を書くしかない。この事を野々垣氏にご忠告申し上げておく。
食の安全≠ヘ無視され
 当ハチミツ調査プロジェクトは、各方面にアンテナをはりめぐらせ万全の態勢を敷いている。それだけに、厳しい質問も用意している。
 ところで、岡本氏は消費者の立場に立っているのかどうか。氏は、公正取引協議会OBである。それだけに期待もしている。当方は、パッケージ(表示)と中身は一対でなければならない。行政・消費者がデータを求めた時「食の安全」を考えれば、遅滞なく監督官庁に対し提出すべきであると再三申し込み、是正を求めている。
 今回の取材に対しても、農水省のJASマークで統一されるべきではないのか。「パッケージは公取委」「中身は農水省」の責任では、余りにも消費者を無視したものではないか。このことを指摘したところ岡本氏は「個人的な見解であるが、言われるとおり私も同様の考えをもっています」と応えている。
 至極当然の答えである。
 パッケージは公取委、中身は農水省というが、農水省が分析≠ナきないのではお話にならない。
 加糖ハチミツの件は本紙ですでに述べたように、ハチミツ六、加糖液四の割合で混合したものを加糖ハチミツと記している。ここでおかしいと思われるのは、分析もできないものを何の根拠をもって数字を入れたのか、である。一キロ四十五円の異性加糖液を八百円で販売すれば大儲けであるが、被害者は消費者である。協議会は、省庁の壁を越えて消費者のために尽力してほしい旨は岡本氏を通じて申し入れてある。
 野々垣氏が取材から逃げる事を残念に思う。ハチミツ業界正常化の為の協議会であるならば、記者が今日まで取材してきたことがらについて答えて頂きたい。矛盾にたいしても然り。
 加糖ハチミツという、ハチミツでないものを、平気で販売する協議会は「消費者を騙す協議会」と言われてもしかたあるまい。加糖ハチミツの発明者≠ヘ、誰あろう、野々垣氏であるとの説。もし、事実なら消費者を騙し、協議会に加盟している業者だけが暴利を貪るための大功労者と言えるだろう。
 野々垣氏よ「天網恢恢疎にして洩らさず」という。公益を考えずに暴利だけを追求しても、天に唾することになる。いずれ判るときが来ると断言する。いや、発明者は野々垣氏ではあるまい。そう信じたい。
異性加糖液とは
 本紙に読者から
 「異性加糖液とはなんですか」
 との問い合わせが続々と寄せられている。なるほど、異性加糖液は一キロ四十五円で手に入るというが「異性を加える糖」の異性の中身がパッケージに記してない。そこで、早速、農水省に問合せて見ると、同省ではクビをひねったまま答えられない。今度は業者のほうに問合せてみた。すると、驚いた事に
 「原料は、サツマイモとトウモロコシ」
 というのだ。
 それも、外国の安い牛の餌のそれだと。団塊の世代の諸氏なら記憶があろう。一個五十銭か一円で売っていた芋アメ、あれと同じなのだ。
 加糖ハチミツと記してあるが、ハチミツ愛好家はいいツラの皮だ。芋アメをおいしいおいしいと食しているのだから。再三記しているように、公取委の西川氏に取材した折、氏は
 「消費者にとって害にならなければいいではないか」
 との暴言が飛び出したのだ。西川氏は、加糖ハチミツの原料が芋アメであることを先刻承知だったのである。
 西川氏よ、芋アメは害にならないというが、毎日食べていると糖尿病になりますゾ。ハチミツ愛好家・消費者のためにも、全国はちみつ公正取引協議会と全国ローヤルゼリー公正取引協議会を私物化し、暴利を貪っているとされている野々垣氏に取材に応じるよう、西川氏から口添えを、紙上でお願いしておきたい。
 ローヤルゼリー協議会の名誉会長は、森喜朗・元首相である。森氏と「国際新聞」とは深い因縁がある。リクルートの株取得の件、全日空のホテルを無料で使用していた件、石川県七尾市に建設されている国家備蓄の談合問題の件など、疑惑があり、小紙で追求したことがある。
 森氏がハチミツ業界までくいこんでいたとは。
村議が調査に乗り出す
 群馬県吾妻郡東村の重野信廣議員から少紙あてに電話があった。
 「私の友人が『国際新聞』を購読しており、このたび、ハチミツの連載を読んでびっくりしている。書かれている事が事実であれば、あまりにも消費者を愚弄する問題である」と、怒りの声。記者は重野議員にインタビューすべく関越道をひた走った。紙数の都合で、少々割愛させていただく。
重野 早速ですが、今回までの『国際新聞』の記事は真実ですか。
楠本 真実です。すべて取材に基づいて書いてあること。まちがいありません。重野議員も選ばれた議員ですから、うちの記事に疑問があるなら、自ら省庁・協議会に問合せていただきたい。
重野 疑っているわけではありませんが、今日までわれわれが考えていたハチミツに対する考え方を、百八十度変えなければならない重大な問題であると考えます。私も貴方と同年代の団塊の世代だと思います。われわれの世代は子供も多く悪い子もいました。ですが、道徳・モラルが残っていました。最近、金になれば何でもありの現実、やりきれないですね。
楠本 同感です。行政が民間会社に便宜を図り金儲けをする。弱者である消費者は、だまされた自分が悪いと諦めるしかないのが現実です。
重野 私は小さな村の村議ですが、現在四期十五年目に入ります。約二千五百人の村ではありますが、圧倒的に高齢者が多いのも現実です。
楠本 高齢者の人たちの健康を優先して考えなくてはならないのも、重野さんの責務でしようね。
重野 そうです。そのためにも『国際新聞』に書いてあるハチミツには格別関心を持っておりますし、私なりに調査してみたいと思います。
楠本 ぜひ、そうしてください。調査の結果をお知らせ下さい。本日はありがとうございました。
(以下・次号。まとめ〓ジャーナリスト・坂口義弘と本紙ハチミツ調査プロジェクト)



平成17年(2005年)6月30日(第264号)
プーサンもクマ≠チたクマ≠チた
安心して、大好きなハチミツ
がなめられない。ウゥーン??

 公正マークは会員の証=i岡本光治氏の見解)
 この公正マークの公正安心とはなんぞや
 ニセモノ=@マゼモノ=@ホンモノ=@
モノ≠セけは全て同じ、だから公正かニセ、マゼ、ホンはどうする。

 
 『国際新聞』前号において「公正マーク」は「安心マークか」と題するレポートをお届けした。これには多大な反響があった。なにしろ、公正取引協議会の専務理事自ら、
 「公正マークは、あくまで、会員の証であって安心、安全のマークではない」
 と、断言したのだ。
 消費者にとって、絶大な信頼を得ている「公正マーク」は、単なる「会員証」に過ぎないというのだ。アッと驚くなんとやら(と、ふざけている場合ではない)だ。これは事件である。
 だが逃げ道≠ェちゃんとある。景品表示法の第十条を満たせば認証できるというもの。これに関しては後に触れるとして、目下、ハチミツ議会問題が議会で問題とされるに至っている。画期的できごとである。
 この六月十日、東京都清瀬市議会の定例会において、民主クラブの田中長夫議員が、悪徳商法に関し一般質問に立った。田中市議は、
 「ハチミツは、偽ものばかりである。先日も、熊本に出張した折、街道に純粋・天然ハチミツと称して五百円〜六百円で販売していた」
 と、破格の値段に対して疑問を投げかけ、さらに、
 「私が独自にハチミツを調査したところ、一キログラム一万五千円以下で日本産ハチミツを販売することは、商売上あり得ない。日本国内において、公正マークを貼って安く販売しているが、公正マークは消費者に誤認を与えかねない。公正マークは消費者に対し、安心・安全のマークと私自身考えていたが、『国際新聞』が全国はちみつ公正取引協議会を取材した内容から見ると、公正マークは、ただの会員証と書いてある。
 確かに、会員之証と記してあるが、消費者に誤認を与えること、明白である。公正取引委員会も誤認を与えないためと言いながら誤認を与えるような社団を認可しているのはおかしい。私も『国際新聞』に書いてあることが事実なのか、再度問い合わせてみたい。公正を期すためにも、全国はちみつ公正取引協議会にも問い合わせてみたい。事実であれば由々しき問題である。
 今後、このような消費者に誤認を与えるような証紙に対し、清瀬市の議会・行政としても明快な説明を求めてゆく必要があるのではないか。
 清瀬市においても、これから高齢化社会を迎え、健康食品を食する人が多くなると思う。ハチミツは食品であり、体内に入るものである。清瀬市においても、本もの・偽ものを高齢者に判りやすく明示すべきである」
 なかなかの弁舌である。まさに指摘のとおりだ。
田中市議、疑惑に一石
 田中市議の話は続く。
 「ハチミツ業界には、ひと握りのボスがいて、商社と手を組んで業界を取り仕切り、消費者を騙し莫大な利益を上げていることも事実である。業界のボスは『岐阜の大手業者』と言われているが、名前は伏せておく。日本から精製の機械を持ち込み、中国で雑密を精製させ暴利をむさぼり、問題が起きると中国の養蜂家のせいにしてシラを切る。
 業者は、法に触れなければよい、見つからなければよいではなく、消費者が何を求めているのかを追求する義務があり、政治家も行政も消費者の立場に立って指導してゆくことが責務と考える」
 こう、発言した。
 この、しごくもっともは田中議員の発言がさらに各方面に波及することを願いつつ、わがハチミツ調査プロジェクトは、民主クラブの田中議員の部屋を訪ねた。快く取材に応じていただいたことに感謝する。
 記者「国際新聞社の楠本です。どうぞよろしくお願いいたします」
 田中議員「遠い所をご苦労様。ハチミツ問題では、私も興味を持ち、ハチミツ業界が消費者を無視し、金儲けに走っていることに疑問を感じていました。たまたま『国際新聞』を読んでみたのですが、書いてあること、事実なんですか」
 記者「全て事実です」
 田中議員「私、市会議員をやる前は商売柄、世界中を飛び回っていましてね。ブルガリアも養蜂が盛んなんですよ。EU諸国などもハチミツ愛好家が多いんです。私もハチミツ愛好家の一人で、ブルガリアから送ってもらって、朝は決まって、パンと紅茶に入れて香りを楽しんでいるんですよ。ハチミツは健康にいいですからね」
 記者「先生もハチミツに関して詳しいですね」
 田中議員「私は、もう何十年も愛好しているんですよ。ハチミツを愛好している人は、昔から健康を考える際の信仰みたいなものととらえています。高齢化社会を迎え、ハチミツ愛好家はますます増えてくるでしょう」
 記者「ハチミツ、ローヤルゼリーなどはガンに効くとか、女性は肌が綺麗になったとか言われていますが」
 田中議員「健康に良いと思わなければ誰も食しないよね。貴方がおっしゃるような作用は一杯あるが、それを言うと薬事法に触れますからね。日本の法律は、書かなくてはならないものを書かなくて、どうでもいいようなことを書くからややこしくなる。ハチミツも、天然と合成物の二つでいいですよ」
 記者「同感です。一度決めたものを変えるということは、今の日本では至難のワザではないでしょうか」
 田中議員「だから、身の回りの不条理に対し、消費者の立場に立って、貴方は取材をしているのですね。私も、立場こそ違うが同じことですよ」
 記者「消費者、市民は自分のナマの声を公の場に出すことがなかなかできません。小紙『国際新聞』は、先生の言われる不条理に対し、取材を続けていくつもりです」
 田中議員「がんばってください。ハチミツ業界全体が複雑になっているので、消費者が誤認しないよう尽力しますが、『食の安全』そのものにも全力を上げていくつもりです」
 記者「消費者が誤認するようなシステムは改善されるべきであり、一部のボスが商社と組んで中国の養蜂家に正当な対価を払わないで暴利をむさぼるなど、許されることではないと思います」
 田中議員「もちろんですよ。国と国との友好は、政治だけでなく、民間の取り引きにおいて正当な取り引きを行うのも、立派な民間外交なのですね。政治は大衆のためにあるとは、このことを言うのですよね」
 記者「ありがとうございます。今後、お互いに追及の手をゆるめず情報交換などしたく存じます」
 ハチミツ疑惑解明に強い味方ができたことを喜びたい。
「第十条をクリア」とは
 さて、「天然」「純粋」など、表示に関して関係者のあいだで義論が問わされている。これについて、いわゆる「景品表示」なるものこそ、公正取引協議会が認めた手形≠ナある。
 本紙前号において、景品表示の第十条を満たせば認証できると、協議会は記してあるのでこれについて述べたい。
 〈不当景品類及び不当表示防止法〉なるものがある。これによれば〈公正競争規約〉第十条「事業者又は事業者団体は、公正取引委員会規則で定めるところにより、景品類又は表示に関する事項について、公正取引委員会の認定を受けて、不当な顧客の誘引を防止し、公正な競争を確保するための協定又は規約を締結し、又は設定することができる。これを変更しようとするときも、同様とする。
 〓〓こうした、いわゆる不当表示防止法なるものは事業者または事業者団体がいかに消費者の立場に立って遵守するか、である。
 〈規約〉は、次のように述べているものの、有名無実と言っては言い過ぎか。
 「不当な顧客の誘引を防止し、公正な競争を確保するために適切なものであること」
 など、以下いろいろ並べているが、省かせていただく。消費者やマスコミに向けて、単に上べだけをつくろっているだけのものだからだ。
 それよりも、次の記者の体験を述べるほうが、はるかに意義があるだろう。
 四川省に住む範という名の養蜂家は、記者に対し、自分がいかに良質のハチミツを加工製造しているかを打ち明けた。
 範さんによると、まず、ジャガイモを粉の状態にし、これに湯を加えて重湯のような「粥」状のものを作り、白砂糖を入れて撹拌する。これが「正真正銘」のハチミツであると人を信用させるため、そこに死んだ蜜蜂を数匹加える。これで「良質の」ハチミツ一丁上がりであるという。
 この話、読者はどうとらえる?
 まだ続きがある。それは次回のお楽しみということにしよう。
 (まとめ〓ジャーナリスト・坂口義弘 本紙ハチミツ調査プロジェクト)



平成17年(2005年)5月31日(第263号)
単なる「会員証」だったとは
 
 筆者は「ハチミツ」愛好家である。わがハチミツ調査プロジェクトの面々もまた、然りである。いわば、ハチミツに全幅の信頼を寄せていたといっていい。いた〓〓と過去形にしたのは、文字どうり従来まではという意味である。取材を進めていく過程において、その信頼とやらはどこかへ吹き飛んでしまった。
 わが国のハチミツをありがたがって愛用していた自身の愚かさに腹立たしくなり、自己燐びんに陥ってしまった。可愛さ余って憎さ百倍ではないが、ハチミツの偽モノ、本モノを徹底的に追及することにした。
 読者からの反響・反応も大きい。特に「公正マーク」に関する質問が多いのは、それだけこのマークを頭から信頼しているとの証左であろう。
 「全国はちみつ公正取引協議会」発行のマーク、正確には「(社)全国はちみつ・公正取引協議会乃証」なるものだ。消費者にとって「公正マーク」とは「全国はちみつ公正取引協議会」のお墨付き≠ナあって、絶対の権威・信頼のもとに発行されているものと思い込んではいなかったか。安心マーク≠ヌころか、単なる会員証だったのである。ハチミツについて、厳正な分析を行い、消費者が安心して口に入れることのできる証明マーク、いわゆる「JAS」マークと信じて疑わない消費者がほとんどではないか。
 あるいは、騙されたのは筆者だけだったのか。一般消費者は「会員之証」と納得して愛用しているのか。
 「全国はちみつ公正取引協議会」(以下、はちみつ公取)が発行しているパンフレットに、公正マークが載っている。その公正マークの下に、
 「公正マークは、消費者の皆様が安心して購入できる安心マークです」
 と、ある。これについて、はちみつ公取に説明を求めると「特定事項の表示基準」の七項目はクリアーしてあるとのこと。では、その、七項目とはいったいどんなものか。おそらく大事なことがらが記されているのであろう。
一、品格 二、原材料 三、内容量 四、賞味期限 五、保存方法 六、原産国 七、事業者の氏名または名称及び住所
 以上である。
 七項目をクリアというからには、特別重要な事項が盛り込まれているのだろうと期待(?)したのだが、これはどうしたことだ。ごくごく当然なことがらだけ。はちみつ公取が消費者に胸を張るほどのことではない。
 ところで、はちみつ公取に加盟するには、年会費最低三万五千円を納めなければならない。会員は百十五社。これを掛けると幾らぐらいになるか。ひまのあるムキは計算していただきたい。他人事ながら、会を維持するのは難しいのではないか。ところが、実は「公正マーク」を一枚四円で販売しているのだ。その販売数がどれくらいかを聞きそびれたが、ともかく「公正マーク」は「厳格マーク」と信じて疑わなかった筆者。怒りを通り越して、笑ってしまった。一枚四円に騙されていたとは。ああ。
苦情にヤクザ
  まがい≠フ対応
 ハチミツの連載をしていると『国際新聞』に書かれていることは事実なのかといった問い合わせが多い。例えば、
 「私は健康のために、朝、パンにハチミツを塗り、紅茶にもハチミツを入れて飲んでいる。私の買ってくるハチミツには、公正マークが貼ってあるから大丈夫と思っている。『国際新聞』の書いてある記事は、でたらめではないか」といった具合い。
 似たような電話、ファックスが連日入る。次のようなケースもある。
 「上海の郊外に行けば、工場廃水が流れる道路端にハチミツの巣箱を置き、抗生物質をかけている。巣箱に抗生物質をかけているので、巣箱に帰ったハチが、バタバタとしんでいる」
 そんな情報が入った。
 一時期、中国産のハチミツから抗生物質が検出され、輸入禁止になった時期がある。これなどは、工場廃水の菌が巣箱にはいらないようにするための方策なのか。
 もう一つ。こんな、常識では考えられないこともあるので紹介しておこう。一人の消費者が『旭』なる会社の販売しているハチミツを食べたところ、下痢をした。そこで、病院と消費者センターへ電話をした。『旭』は、はちみつ公取に加盟している。その消費者は『旭』にも連絡した。「御社のハチミツを食べたところ、下痢をしたので、病院と消費者センターに電話をしました」
 と。消費者にすれば「公正マーク」が貼られていた『旭』の商品だから安心して買ったのだ。それが、下痢をしたので、苦情・相談の電話をいれたもの。当然のことであって、なんら責められるものではない。
 ところがである。
 『旭』の対応は、まるでヤクザ・暴力団まがいの対応だったというから驚きである。消費者と『旭』の高木甫社長との会談を、紙上再録してみよう。
消費者 御社で販売しているハチミツを食したところ、下痢をしました。で、病院と消費者センターに電話をし、御社にそのことを伝えます。
高木 うちの商品は、通販でしか販売していない。一般の人間の手に入るわけがない。今からお前の家に行くから住所を教えろ。
消費者 そんなー。警察に訴えますよ。
高木 なんだと。オレは元警察官だ。警察なんか怖くねえ。
 この消費者(女性)、高木社長の剣幕に恐怖を感じたので、警察に相談したという。警察がこの女性にどう対応したのかは、わからない。はちみつ公取に加盟しているのは『旭』ではなく『旭寝具』であり、社長が高木甫である。寝具屋とハチミツとどんな関係があるのか調査したところ、株式会社旭があった。社長は高木。健康食品会社である。東京杉並区である。詳しい住所、電話をキャッチしているが、書かないこととする。『旭』に苦情、いやがらせが殺到することが予想されるからだ。武士の情け≠ニして受け止めよ、高木社長。機会があればインタビューし、そのやり取りを『国際新聞』に掲載したい。高木社長に忠告申し上げたいことは、消費者を脅してはいけないこと。もう一つは元警察官などと言ってはいけない。元警察官に立派な人物はいないからだ。おっと、これは言いすぎ。
「安心・安全の
  マークではない」
 わがハチミツ調査プロジェクトは、文字どうり地を馳う取材を進めている。いずれ、公にされていないショッキングレポートを掲載する。今回は、全国はちみつ公正取引協議会の岡本専務理事にインタビューを試みた。
記者 岡本専務理事は役所のOBの方ですか。
岡本 隠してもしかたがない。公取委のOBです。
記者 ハチミツの輸入量をご存知ですか。
岡本 中国から約四万トン、国内産が約二千八百トン。これが通関統計に出ている数字です。
記者 表示は公取委、中身は農水省というのは矛盾していないか。(公取委が景品表示に関する問題を扱うセクション。ハチミツの中身に関しては農水省の管轄であるとの公取委の発言に対して)
岡本 その意味は「農水はJAS法の品質基準であり、公取委は景品表示の所管であり、協議会はパッケージすなわち景品表示を行なっているところ、ということです。
記者 加糖ハチミツに関して、はちみつを六、異性加糖液を四の割合で混入すると記しているが、分析はできるか。
岡本 難しいと思う。
記者 ハチミツ一、異性加糖液九の割合でも分析できないのではないか。
岡本 いくらなんでも判ると思う。ハチミツ二、異性加糖液八の割合なら判らないかもしれない。
記者 農水省企画監査室の船田修平氏にもハチミツに関して、「天然、純粋とはなんですかと聞いている」が、協議会では天然、純粋に関してどのようなお考えを持ちか。
岡本 協議会では、公正マークが貼ってあるものには、天然、純粋という単語は使わせない。
記者 基本的に、ハチミツというものに対してどのようなお考えをお持ちか。
岡本 巣箱から蜜源を求め、ハチが往復して巣箱に蜜を蓄えるもので、それを分離機で雑物を取り除いたものと認識している。
記者 協議会は、会員から商品の受注をし商社と組んでまとめ買いをしていないか。
岡本 外国から商社を通して九十パーセント以上が輸入していることは聞いているが、協議会でまとめ買いはしていない。あくまでも、協議会は景品表示に基づき、会員が販売する時パッケージを貼るだけの仕事です。
記者 景品表示はわかるが、自主規制団体として分析できないのに、分量を入れたハチミツなど根拠がないのではないか。
岡本 景品表示法の第十条を満たせば認証できると記してある。(これに関しては次号で詳しく述べる〓筆者)
記者 協議会は公取委から認可、認定、認証などを受けて公正マークを使っているが、消費者にとって公正マークは絶大な信頼があると思う。
岡本 公正マークは、あくまで、会員の証であって安心、安全のマークではない。(傍点、筆者。一部敬称略)
まとめ〓ジャーナリスト坂口義弘とハチミツ調査プロジェクト
 北濱氏の疑惑に関し、医療財団法人・小畑会・浜田病院の小畑清一郎氏に取材を申し込んだところ取材拒否。事務長が言うには、北濱氏と小幡氏の件は個人的なことなので、病院として取材には応じられないとの事である。医療財団法人・小畑会の決算書を閲覧させて欲しいと、お願いするとこれも拒否。仕方がないので、厚生省大臣官房総務課に電話をし、「医療財団は公益財団法人ではないのか。小畑会の方で閲覧が出来ないのであれば、厚生省に届出があるはずだから閲覧させて欲しい」とお願いすると、厚生省としては「医療財団小畑会に閲覧するよう指導するから、小畑会で閲覧してくれ」と言うことであった。再度、浜田病院事務長に電話をし閲覧の件を話すと、「今まで例がないので返事は待って欲しい」とのことであるが未だ返事がない。
 何故、医療財団小畑会の決算書を閲覧したいかというと、小紙の手元に北濱氏が栄晃製作所(長谷川氏)に送付した書類がある。書類送付ご案内と、廃棄証明書、御見積書、確認書とある。「確認書」には「小畑清一郎氏に対し見積書及び廃棄証明は、私の問題を解決するための書類であり実際に栄晃製作所が行なった仕事ではありません。当方で書類を弁護士の指示で作成をし、印鑑を押印してもらったものです。この書類で御社に一切迷惑をかけないことをここにお約束致します」と書いてある。
 「書類送付ご案内」には、「昨日はありがとうございました。早速ですが、昨日見ていただいた資料を郵送致しますので、ご捺印後返送下さい。同じような資料を病院でも必要になるかも知れませんので、その時はご相談させてください。いつも無理なお願いばかりで申し訳ありません」と結んでいる。このように医療財団法人・小畑会の小畑氏宛に書かれてある書類そのものが疑惑なのである。小紙が調査したところ、小畑氏は設置もしていないコイン式駐車場を廃棄したように装い、医療財団法人又は、個人確定申告時に架空の廃棄証明を使用したのではないかという疑惑がもたれている。北濱氏と小畑氏の関係は、北濱氏の兄が医者という立場にあり、北濱氏の兄が小畑氏を紹介したのが知り合った経緯である。
 小畑氏が出資した金額は確定できないが、五千万円〜一億円と言われている。事務長が言われるように個人的な問題なのか、医療財団法人を巻き込んでいるのか是非、真相を明らかにしたい。小畑氏は投資案件で北濱氏に騙され、トラブルが起きたとも聞いている。トラブルになった場所は、調布と浜田病院と聞いている。
 税理士会にこの問題をぶつけ、取材申し込みもしているが、応対に出た富井氏から、「事前に取材項目を知らせていただければ役員が応対します」との言質をいただいている。取材でき次第掲載予定である。



平成17年(2005年)4月30日(第262号)
まったく、あきれ果てたものだ。
 
 われわれ消費者は「公正マーク」のついたハチミツを、ありがたがってきた。ところが、その公正取引委員会の認可団体である協議会の「公正マーク」とやらは、消費者を欺くため、売らんがためインチキマーク≠セとしたら、さあどうする。
 わがハチミツの調査プロジェクトが取材しつつある段階で、かずかずの疑惑が浮上してきた。
 社団法人日本養蜂協会は、読んで字の如く、わが国の養蜂家を保護育成する目的で農水省から認可された団体であり、現在のハチミツ協議会、ローヤルゼリー協議会会員も加盟していた。
 ところが、養蜂を行わず販売だけをして金儲けをするのはいかがなものかと、養蜂家のあいだから疑問視する声が上がり始め、ハチミツ問屋や販売会社が集まって日本養蜂協会から分派したのが、ハチミツ・ローヤルゼリー両協議会の歴史なのである。
 ハチミツ協議会が社団法人として認可されたのは、昭和四十四年ごろである。ハチミツ協議会を認可した省庁は、農水省ではなく、公取委である。「食の安全を考える時、なぜ農水省の認可団体でないのか不思議である。当然のことながら、農水省の管轄にすべきかどうか問題になったことは、事実である。
 公取委は、不当表示などを取り締まる所管であり「食」とはまったく縁のない所管である。後に明らかにするように、公取委も農水省も、ことハチミツに関して歯切れが悪いのは確か。公取委の認可団体、社団法人がいかにいい加減な団体か、化けの皮が剥がされてきたと言っても過言ではない。
 公取委の認可団体、ハチミツ協議会は認可されてから三十数年にわたって「公正マーク」を付け、消費者を騙してきたことになる。これは由々しき問題である。
「ハチミツは、毒にならな
いのだからいいではないか」
  わがハチミツ調査プロジェクトは、公取委消費取引課・課長補佐(総括)・西川康一氏と山岡誠朗氏に取材を申し入れる。
記者 全国ハチミツ公正取引協議会は、公取委の認可団体か。
公取委 公取委の認可団体です。
記者 ハチミツ類の表示に関する公正競争規約及び同施工規則がある。これは公取委で認可しているのか。
公取委 認可ではなく、認定規約です。
記者 天然、純粋の定義を説明してほしい。山岡氏は、電話で「手を加えないもの」と言われたが。
公取委 文言では天然、純粋という規約はないが、精製はちみつ、添加物を入れてはいけないとなっております。
記者 農水省には、はちみつ類(精製はちみつ、加糖はちみつ、純粋はちみつ等)の分析をお願いしてある。非常に難しいと言っているので、公取委で認可した社団ならば、公取委で分析をしていただきたい。
公取委 公取委はあくまでも、景品表示に関する問題を扱う所で、中身に関しては農水省の管轄です。
記者 公取委は無責任ではないか。公取委の社団法人が自主規制として規約を作成し、公取委が認定しているではないか。
公取委 分析ができなければ、会社の仕入れ台帳を調べれば判ると思う。
記者 公取委で調査していただけるか。
公取委 再度申し上げますが、自主規制を業者がルールを守り、消費者が判別することで、からだに害があるわけではないので中身に関しては、農水省の管轄です。
記者 からだに害があるわけではないということは、毒ではないということか。何を根拠に、からだに害はないと言い切れるのか。食するのは消費者であり、主人公は消費者ではないのか。
公取委 毒ではないと言っていない。害があるわけではないと言ったのです。消費者が主人公ということは言われるとおりです。
記者 大手飲料会社が、はちみつ入り、ローヤルゼリー入りと称して販売しているのが、成分のないものを混入している。これをどう思われるか。
公取委 規約の対象に、大手飲料は入っていません。天然、純粋も消費者が誤認しなければいいと思います。
 質問と回答とが、こんなにもズレるとは予想だにしなかった。「天然、純粋も消費者が誤認しなければいい」とは、まさに、消費者に責任をなすりつけるに等しい。消費者が誤認しないよう、公取委は生産者・販売業者に厳しい目を向けチェックすべきではないのか。
 「毒ではない」「害にはならない」と逃げの一手とは、それはないだろう。お役所≠フ答弁、こんなものでしょうかね。
「分析が難しいから
待ってくれ」とは
 公取委では、農水省に取材をしてほしいと言う。もちろん当方、農水省への取材も予定の中に入っている。
 その農水省規格監視室の船田修平氏に、インタビューを試みる。
記者 公取委が認可した社団法人で、自主規制として規約を作成し、公取委が承認していることに関して、景品表示の問題を取り扱うのが公取委で、中身については農水省の管轄であると公取委は言っている。無責任な回答とはおもわないか。
船田氏 公取委ともヒヤリングを行っています。
記者 はちみつの分析をお願いした時、二週間で結果を出して、表示と中身が違う場合は、プレス発表をする約束でしたが、どうなっていますか。あれから一ヶ月以上になります。
船田氏 もう少し待ってほしい。
記者 念を押しておきますが、もし分析が出来ない時は、消費者の立場から言えば、はちみつに関して天然、はちみつ、加糖はちみつ、添加はちみつなど社団法人が自主規制しているが、根拠がなくなるということになりませんか。
船田氏 言われるとおりです。
記者 分析ができなければ、公取委が認可している社団法人をはじめ、はちみつ業界すべてが、今日まで消費者に対して背信行為を行ってきたということになる。各省庁の壁を越えて消費者の納得できる答えを出してほしい。「食の安全」という大義がある以上、はちみつ業界の改革に尽力してほしい。
「はちみつなる単語がない」
とは、ン?
 特定商取引法の中に「基本的な考え方として、表示された内容の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求める」との内容の一文がある。当然のことである。
 経済産業省消費経済政策課・中島氏に取材したところ、あっと驚くなんとやら、
 「経済産業省に、はちみつという単語はない」
 との返事が返ってきた。
 古代から、はちみつは健康に良い、からだに良いと言われ続け、はちみつの愛好家に愛されてきたはずである。それがなんと、行政黙認の業界であることが、はっきりしたのである。わが国の省庁において、およそはちみつは、存在しないに等しい扱いになっていたのだ。とはいえ、はちみつに関する法整備は「食の安全」を謳っている以上、行政の責任ではないのか。
 「はちみつ業界は、無法地帯である」
 と、業界に詳しい識者は語っている。まさかとは思いつつ取材を進めていくうちに、はっきりしてきた。消費者は今日まで、天然、純粋はちみつの「公正マーク」を信用してきた。だが、これは根底からくつ返されなくてはなるまい。消費者にとって最悪の結果が出る可能性は否定できない。行政は、はちみつ業者に対し、表示された内容の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を義務づけるべきである。提出できない業者は、即刻、行政指導をし営業停止にすべきである。
 「はちみつは害にならない」(公取委)
 とは、なんたる暴言。消費者に対する挑戦であり、断じて許されることばではない。
 自然のはちみつは、夜明け前に、フィルターだけを通すもの。これを天然、純粋はちみつという。濾過も熱処理もしない。
 ヨーロッパなど先進国は、コーデックスに準じている。コーデックスとは、ラテン語で規約のこと。一九六二年FAD(国連食料機関)が合同で設置した食品規格。先進国は、日本の業界をあざ笑っていると聞いている。
(まとめ、ジャーナリスト、坂口義弘とハチミツ調査プロジェクト)



平成17年(2005年)3月31日(第261号)
農水省の不明コメント
 
 本紙前号において「農水省・公取委はハチミツ業界に対して張子の虎か」とのレポートを発表した。文字どおり、ハチミツ業界は無法地帯≠ナはないかとの『国際新聞』ハチミツ調査プロジェクトのとらえ方である。
 このレポートに対し、編集部への問い合わせやら、共鳴する声が殺到した。
 「業界人として、業界のあり方に疑問を抱いています」「監督省庁への不信はぬぐいきれません」「私たち消費者は、だまされ続けてきました」etc。
 わがプロジェクトは、農水省に対し、ハチミツの定義をも含めて説明を求めていると前号で述べた。「オリンッピク」で購入した公正マーク表示一キロのハチミツは八百円。「京王デパート」のものは千五百円。「薬蜜本舗」の百四十グラム千五百円。公正マークを表示していない加糖ハチミツ一キロ三百五十円、純粋ハチミツ一キロ五百円。
 なぜ同一製品の販売価格がこんなに違うのか。
 「値段のばらつきは、不自然ですね」
 船田修平・農水省消費・安全局監視専門官は、こう述べる。さらに、
 「単価に関しては、農水省が強制できない。また、現在のところ、ハチミツにどのような成分が入っているのか、分析が非常に難解である」
 と、監視専門官の肩書きがなくようなコメント。おいおい、それで消費者が納得するか。
 こちらは、ハチミツに何が入っているかわからないでは困る。天然・純粋の表示がされているのに、分析が難解?
 「一キロ八百円の純粋ハチミツも有れば、百四十グラム千五百円の純粋ハチミツも有る。ハチミツとして問題はない」
 との回答。言っていることが、意味不明 毒ではないのだ、体内に入ってしまえばどれも同じ、こう言っているかに聞こえる。公取委では天然・純粋という解釈は「手を加えないもの」と、言っている。公取委では、改めて取材に応じるとのこと。われわれ消費者を安心させる答えを期待したいものである。
「業者のモラルにまかせる」
 さて、消費者はハチミツにどんなイメージを抱いているのか。わがハチミツ調査プロジェクトは、ある土曜の午後、東京新橋駅前近辺で道行く人たちに問うた。おもしろいことに、中年以上らしい人たちは男女とも、
 「ハチミツは、からだにいい」「自然の恵み」「ハチミツの懸命な働きぶりに泣ける」「安くておいしい」
 などと答えた。
 これに対して、若い人たちは男女とも、
 「関心がない」「からだにいいとは思わない」「味わったことがない」
 などと、極端に答えに差がでている。年配の人たちのほとんどは、ハチミツの実態≠知らないし、知ろうともしない。ただ頭から「からだにいい」と、信じ込んでいる。信じるには信じる理由がある。ハチミツ業者が、テレビをはじめとするマスコミを使ってのPRが効いているからだ。PRに問題がある点に関しては改めて述べるとして、次の数字をご覧いただきたい。
 ある統計によれば、わが国におけるハチミツ生産量は、せいぜい二千五百トン程度。これに対して、わが国のハチミツ消費量は五万トン。これは前号でも触れたのでくどいようだが、この差はいったい何だ。
 結論から述べるなら純国産<nチミツは、消費者の口に入るのが、わずか五パーセント。多くとも十パーセント。あとは、海外からの輸入ものという。およそ信じがたいのが実情であり実態なのである。
 九十〜九十五パーセントが、海外のものとは、意外のようだが、業界では常識なのである。では、そのように表示すればいいはず。ところが、いかにも純国産の天然∞純粋≠ナあると表示することによってハチミツの価値が上がると、業界ではとらえているのだ。だが、それはまやかし≠ナあり、偽ものを本ものと偽って売る商法と言わざるを得ない。
 余談になるが、香港では出店でソニーやナショナル、あるいはルイビトン、ダンヒルなどの類似品を売っている。彼らは、大声で、
 「ソニーの偽もの、いかがですか」
 と悪びれるところなく叫んでいる。これは「本もの」と言って売ると問題になる。だから「偽もの」と、堂々と言っているのだ。
 わが国のハチミツ業者も、
 「純粋ではない、偽ものハチミツ、いかがですか」
 とやればいいではないか。
 話を戻して、公取消費者取引課から、わが編集部に「はちみつ類の表示に関する公正競争規約及び同施行規則」なるものが連絡されてきた。
〈定義〉
第二条 この規約において「はちみつ類」とは、はちみつ、糖製はちみつ、加糖はちみつ、巣はちみつ及び巣はちみつ入りはちみつを言う。
〓〓右の定義によると「はちみつ類」とは、随分種類が多いといえる。また「はちみつ」には、精製はちみつまたはローヤルゼリー、花粉、香料、果汁もしくはビタミンを加えたものを含むとある。
 消費者にとっては、実にわかりにくい。
 公取委は、
 「業者のモラルにまかせるしかない」
 と言いたいのだろうが、業者がハチミツにトウモロコシやサツマイモのデンプンなどを混入させまずい偽ものハチミツ≠販売したところで、公取委は待った≠かけないのだから、始末が悪い。
 わが国の消費者は、ハチミツに関して知識、認識が低い。右に新橋での声を紹介したように、ハチミツはからだにいいといった程度の認識なのだ。とは言っても無理からぬところであろう。どうしても、ハチミツといえば健康食品と言うのが通り相場。言うなれば、ハチミツは健康食品の王様なのである。
 ヨーロッパのハチミツ業者などは、わが国の業界に批判的ともいう。ヨーロッパでは、天然意外のものを「ハチミツ」として市場で販売していないという。その点、わが国の場合、「精製ハチミツ」「加糖ハチミツ」が堂々とまかり通っているが、世界のどこにもこうした名称のハチミツはないのだ。
 公取委が通達している規約によれば、「規約に定めた表示さえすれば公取委の排除対象にはならない」
 というのだ。
 では、瓶にきちんと表示≠ェなされているかといえば、そうでもない。例えば、「加糖ハチミツ」の表示があれば公取委の規約対象にはならない。つまり排除≠ウれないのである。
中国からの輸入の実態
 わが国で生産されるハチミツは、販売されているハチミツの五パーセント〜十パーセントであると、右に述べた。では、あとはどこから輸入されているのか。中国からの輸入である。ズバリ、中国のハチミツは、安価である。もちろん、労働力の安さがある。それと、高温で加熱して水分を飛ばして濃縮しているからだ。
 専門的なことを省くとして、中国産のハチミツを、日本でさらに加熱処理をする。これは、中国産の黒や茶の色をしたハチミツを加熱することにより透明にするという意味がある。だが、それが、問題なのだ。ハチミツを過度に熱すると、ハチミツに含まれる、いわゆる自然の恵みの一つである酵素などの栄養素が破壊されてしまうからである。
 「ハチミツの組成は、十度加熱されると十パーセント破壊されるといわれていて、六十度もの高温で加熱されればほとんどの組成が失われてしまいます」(上之二郎『ミツバチが泣いている』集英社インターナショナル刊)
 というのだ。
 国によっては、圧力釜による加熱処理を禁じている。わが国では圧力釜による加熱処理が一般に行われている。圧力釜が気圧を抜くと、ハチミツの大切な要素である香りが抜けてしまうからだ。
 ドイツには、ハチミツの品質基準を定めたハチミツ純正法なる食品法をつくり、厳しい基準を設けている。ドイツは、事前の恵みをそのまま残すことを徹底しているのだ。ドイツの業界は、わが国業者のモラルの欠如をどう見ているのだろう。
 わが国の業者は、中国のハチミツ生産者らに対し、低コストを強いてきた。それはまた、低品質のハチミツを生産させることにもつながっているのだ。偽ものをありがたがっているわが国の消費者よ、目覚めていただきたいと、声を大にして叫びたい
(まとめ‥ジャーナリスト、坂口義弘)



平成17年 2月28日(第260号
いま、ハチミツが注目されている。
 
いわゆる「からだにいい」と、一般に流布されており、人気商品にとなっている。百貨店やスーパーマーケットには、贈答品としての地位が確立されているといっていい。
 わが国の主な販売店・業者などは、いかにも国産≠フ「自然の恵み」である純粋ハチミツであるとPRに余念がない。ところが、ある統計によれば、わが国における生産量は二千五百トン程度。これに対してわが国のハチミツ消費量は、五万トン。この差はいったい何だ。
 結論から述べるなら純国産<nチミツは、消費者の口に入るのがわずか五パーセント。あとの九十五パーセント強は、海外からの輸入ものというわけ。そんな馬鹿なことがあっていいものかだが、これが現状なのである。中国産ハチミツに関しては、追い追い述べるとして、「日本では長期にわたって純粋ハチミツのほかに、トウモロコシなどのデンプンから人工的につくられた異性化糖(甘味料)が、ハチミツに混入された偽ハチミツ(傍点、筆者)が公正取引委員会からしばしば排除命令が下されるほど、大量に出回ってきました」(「ハチミツが泣いている」集英社インターナショナル)というのだ。
 異性化糖は日本人が発明し、一キロ約四十五円で取引されていて、砂糖よりも安い。中国から雑蜜を輸入し精製して脱色し、日本で着色と香りをつける。その異性加糖に精製した雑蜜を十パーセント程度混入してハチミツと称して販売する。パック詰め五百円程度の純粋ハチミツから、同量五千円の純粋ハチミツが販売されている。同じ純粋ハチミツでこんなに値段が違うのかカラクリの謎が解ける。不景気なので、安くて良い品物をと考える消費者は、ハチミツの知識がないので五百円のハチミツを買ってしまう。業者はボロ儲け、消費者は健康に良いと思い、安い加糖ハチミツを毎日食していたら病気になる。
 表示規約を定める「全国はちみつ公正取引協議会」は、異性化糖混入ハチミツを「加糖ハチミツ」と表示するなら販売を許可するとしていた。このことは、偽ハチミツでも売っていいというもので、消費者団体などが異議あり≠ニいったところで、「この印籠が目にはいらぬか」と、販売業者が葵の紋の刻まれた印籠を水戸黄門よろしくちらつかせればいいわけ。
 そればかりではない。海外のハチミツにたずさわっている業者が日本の業界に目をそむけ、批判しているのは、本来、ハチミツと呼べないものが堂々と市場に流れていることだ。
 ハチミツといえば、イコール健康食品≠ニいうのが通り相場。それが健康成分であるビタミンやミネラルなどの栄養成分を取り除いたものまでが出回っているのだ。これらに関しては改めて述べるとして、わが国の消費者は概してハチミツについての知識・認識が低い。水飴とハチミツの区別さえつかない人が多い。また、それをいいことに、生産地の加工業者、ハチミツとはいえない人工的な異性化糖を混入したものを市場に出していることは、右に触れた通り。さらに、ハチミツを化学的に脱色脱臭し健康成分を除去したものを流していることも右に述べた。これらは「天然ハチミツ」「純粋ハチミツ」「加糖ハチミツ」などの表示で通っているのだ。公正取引委員会が、果たしてハチミツに関して真面目に取り組んでいるのだろうかとの疑問がある。というのは、海外の(中国を除く)業界人が日本のハチミツに批判的であるにもかかわらず、そうした声を無視するかのように、規約一辺倒で業者を庇護≠オている如く映るからである。
 公取委が通達している「はちみつ類の表示に関する公正競争規約」によると、わが国における天然ハチミツのほかに、純粋ハチミツと加糖ハチミツがあって、これらは規約で定めた表示さえすれば、公取委の排除対象にはならないというもの。
意図・意味不明の公取委
 公取委が、ハチミツの表示に関する規約を認定したのは、平成十四年十月である。「社団法人全国はちみつ公正取引協議会」では、「不明瞭な表示を是正する」目的で公取委に申請、公取委ではこれを認定した。これによると、「この公正競争規約は、不当景品類及び不当表示防止法第十条第一項の規定に基づき、はちみつ類の取引について行なう表示に関する事項を定めることにより、一般消費者の適正な商品選択に資するとともに、不当な顧客の誘引を防止し、もって公正な競争を確保することを目的とする」とある。あまりよくわからない内容である。「不当な顧客の誘引を防止」とは自分たちだけがわかっており、第三者には意図不明である。筆者はハチミツを購入したが、右の概念を把握するには至らなかった。こちらの理解力、読解力が規約を作った人の能力に劣ると、あきらめるしかあるまい。ともかく、商品にはその商品がどんな種類のものか読めないのである。
 商品を瓶にきちんと表示されているかといえば、そうでもない。今後、虫メガネ持参でハチミツを買いに行くことにしよう。いやの一つも言いたくなろうというものではないか。ともかく、表示が不明瞭なのである。消費者は、右にも述べたように、ハチミツについての知識に乏しい。店頭にズラリと並んでいる瓶のそれらしい色を見れば疑わずに購入するのだ。
 くどいようだが、異性化糖は食品加工用にトウモロコシ、サツマイモなどの澱粉によって作られた甘味料のこと。ハチミツではあり得ない。これを純粋ハチミツに混ぜたものを加糖ハチミツと呼んでいる。なぜ加糖ハチミツにこだわるのか。といえば公取委が、ハチミツに関する表示を定めた中に、「はちみつ類とは、精製はちみつ、加糖はちみつ及び巣はちみつを言う」なる一項がある。つまり、加糖ハチミツは、いわゆるハチミツであると公取委からお墨つき≠もらったようなもの。矛盾すると思われるのは、加糖ハチミツの表示をしない加糖ハチミツを天然ハチミツ、純粋ハチミツと偽って販売したものは、公取委から排除命令を受けてきた事実がある。とはいうものの、加糖ハチミツの表示があれば公取の規制対象なはならなかったのも事実なのである。
 加糖ハチミツについては、さらに詳細を後述するとして、精製ハチミツに関して述べたい。わが国では、雑ハチミツを人工的に脱色、脱香し、天然ハチミツが持っているビタミン、タンパク質などを除去したものを脱臭脱色ハチミツと呼び飲料、食品加工などに用いられてきた。
 その脱臭脱色ハチミツこそが、精製ハチミツなのだ。なぜ、わざわざ脱臭脱色するのかという疑問が、当然出てくる。脱臭脱色したハチミツは品質が均一なことから、飲料メーカーなどがこれを使用するのだ。清涼飲料水にハチミツをそのまま入れると、ハチミツのタンパク質が白濁を起こす。これを防ぐために、わざわざ天然ハチミツ、純粋ハチミツから成分を除去≠オたものを清涼飲料水や菓子などに使用するというわけ。
 それなら脱臭脱色したハチミツは、人工ハチミツと呼べばいいではないか。だが、それだといかにも通りが悪い。加糖ハチミツと言えば、語呂がいい。が、しょせん、まやかしと言わざるを得ない。
 この加糖ハチミツなるものは、わが国独自のものであって、外国には存在しない。
 ハチミツは、日本薬局方に「医薬品」として収載されている。精製ハチミツは、医薬品として認められていない。精製ハチミツに関しても改めて述べたい。
ハチミツは業界は
無法地帯=ャ
 さて、『国際新聞』ハチミツ調査プロジェクトでは、農水省の規格監視室の専門官に公正マーク≠フ表示のある三社の製品を持参した(公正マークのない製品二本も持参)。
 その前に、三社に取材した。三社とも、天然もしくは純粋という点について、「表示にまちがいない」と、断言している。それなら、販売価格に問題がありはしないか。
 「オリンピック」で購入した公正マーク表示一キロのハチミツは八百円。「京王デパート」のものは千五百円。「薬蜜本舗」の百四十グラム千五百円。公正マークを表示していない加糖ハチミツ一キロ三百五十円、純粋ハチミツ一キロ五百円(写真掲載)
 なぜ、同一製品の販売価格がこんなにちがうのか。ハチミツに関して博士号を持っている先生に取材したところ、ショッキングな答えが返ってきた。
 「ハチミツ業界は、無法地帯である」と言うのだ。「天然、純粋のハチミツとは、濾過も熱処理もしないものを言う」のだと。この先生、これ以上のことを言わなかったが、腹の中では、ハチミツ業界批判が十分あると当方では察知した。
 わがプロジェクトは、農水省に対し、ハチミツの定義をも含め説明を求めている。今回、当方が持ち込んだ問題に対し、成分の分析をも申し入れた。結果が出るには二週間かかるとのこと。先方とのやり取りそのほかは次号で詳細を述べるとして、行政がキ然たる姿勢で指導しない限り、ハチミツ業界は無法地帯≠ナあり続けるのではないか。
(まとめ〓ジャーナリスト・坂口義弘)
  
経 済 面